兄達に虐められていたエレンシアを叱咤し、励ましてくれた憧れの王子様・フレドリクセン。彼の所に嫁ぐことになり長年の想いが叶った、と喜んだのも束の間フレドリクセンはその身に降ろすフェンリルの力に振り回され、すっかり人格を変貌させていた……というお話。
北欧神話の世界観をベースにした、コメディ要素完全排除のどシリアス「死神姫」みたいな感じ。フレドリクセンにも物凄く残念夫フラグが立っているんだけど、それが1巻では全く発揮されなかったのがちょっと残念。
5人の兄たちから酷い苛めを受け、唯一慕っていた兄は変貌し、すっかり男性恐怖性になってしまったエレンシアが、男ばかりの中でも精一杯奮闘する姿がなかなかかっこよかったです。
面白かったんだけど、個人的にはもうちょっとコメディっぽいノリの話の方が好みだったのでどうしてもその辺期待してしまったというか…いや、もう最初から最後までシリアスならそれはそれでいいんだけど、コメディの伏線だけは見えるだけに…奥手ぶりを中二病で押し隠すフレドリクセンの迷走っぷりが見たかった。2巻あるのかなあ……