ルートダブル – Before Crime * After Days – √Current | 今日もだらだら、読書日記。

ルートダブル - Before Crime * After Days - √Current

   
原作
イエティ/レジスタ 

2030年9月16日午前6時19分。研究学園都市・鹿鳴市郊外の原子力生物学機構第6研究所・通称『ラボ』にて、深刻な事故が発生する。爆発の続く施設内に閉じ込められた高校生・天川夏彦と、記憶を失くしたレスキュー隊隊長・笠鷺渡瀬。二人の邂逅は、この危機を打開出来るのか!?最悪の極限状況の中で、壮大な人間ドラマがいま幕を開ける。 (「BOOK」データベースより)

 Xbox360で発売されたアドベンチャーゲーム「ルートダブル」のノベライズ第三弾。√Afterは記憶喪失のレスキュー隊長・笠鷺渡瀬の視点から、√Beforeは高校生・天川夏彦それぞれの視点から事件を追う物語でしたが、√Currentでは二人の主人公が様々な形で協力したり足を引っ張ったりしながら事態の解決を目指す物語です。なお、タイトルになっている「√Current」の内容は殆ど導入程度の分量しかなくて、全体の半分以上が最終シナリオ「√Double」の内容となっています。

 √Cは内容的にもこれまでのストーリーと重複する部分が多いのでこの程度のページ数にしたほうがくどすぎず良かったと思うんだけど、若干駆け足すぎた気も。夏彦が渡瀬の○○を××××しちゃう部分なんかは√Aの結末を知っていると「あーーーー!!」って物凄くもだもだした部分だったので、若干その辺のインパクトが薄くなったかなと言う印象がありました。そこはもう、媒体の違いだから仕方ないんだけど。

 ストーリー的には√Dの最初の悪意除去まで。√Bのアレやらコレやらで渡瀬に敵意しか持っていなかった夏彦が、自らのBC能力によって記憶を失った渡瀬の思いに触れて、僅かながらでも心を許していく課程がたまらない。悪意除去前のヒロイン臭漂う善意の塊みたいなヒーロー渡瀬も大変良いのですが、悪意除去後の自らの目的の為に泥水を被ろうとしている悪役で、でもやっぱりヒーローな渡瀬が大変良い。そんな渡瀬とBCに目覚めた夏彦が、お互いの最終目的は相容れないけど現在の利害の一致を持って改めて共闘関係を築き直すのが大変美味しかった。利害の一致さえなければ互いの喉元に武器を突きつけあってもおかしくない相棒関係美味しいです!!!

 ラストの小説版オリジナルの加筆部分でニヤニヤせざるをえなかった!原作では匂わすだけだったあの部分をやってしまうのか。色々な意味で最終巻が楽しみです。

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