テレビアニメが面白かったので手に取りました。「エルダーテイル」という老舗オンラインゲームのプレイ中、ゲームと酷似した異世界に飛ばされてしまったプレイヤーたちのお話。アニメはかなり圧縮してまとめてたんだなあ。大体アニメと同じ展開なのですが、細かい世界観の設定などアニメでは削られた部分が多くて新しい発見も多かったです。
なによりアニメでは見えて来づらかった各キャラクターの心情が丁寧に描かれてるのが楽しかった。特に、マリエを中心とした知人と話している時に物凄く距離を測りながら自分が首を突っ込んで良い領域なのか葛藤しているシロエが印象的。確かにアニメ見てたとき、その過去やギルドを作らなかった経緯をふまえるとそういう類の「迷い」が殆ど見受けられないのは違和感あったなあ……堂々としていながら実は物凄く葛藤してたんだと思うとなんだか凄い可愛いぞ。
ただ、1巻はまだ序盤ということもあるけど世界観設定の解説が多すぎていささかテンポ悪い感じだったり、なかなか物語が進まないことがもどかしかった。同じような文章が何度も出てくるのは元がWeb小説だからなのかなあ。ススキノへ向かうことになってからはかなりサクサク読めるようになったのですが、そこにたどり着くまでが長かったです。
アニメはうまく序盤を削ってテンポ良くしてたんだなあというか、割とこれは序盤で損してるタイプの小説じゃないかなあって印象。ただ、大本の原作である「なろう」版よりはずっと読みやすくなってると思います(自分が「なろう」の形式になれていないというのはあると思うのですが)。「なろう」の序盤で挫折した人はこちらから入った方が入りやすいかも。