最強にウザい彼女の、明日から使えるマウント教室 | 今日もだらだら、読書日記。

最強にウザい彼女の、明日から使えるマウント教室

 

笑える頭脳バトル爆誕!!!!!
「マウンティング!」それは、古代より伝わる最強の格付け方法である。 上流階級の子息が集まる私立鷺ノ宮学園には、絶対のルールが存在する。 それは、マウントを取って勝ち上がること! ザ・一般人の佐藤零は、このままでは最下位クラス確定。お金持ちに虐げられる3年間を送ることに。生き残るにはSクラスに上がるしかない。 愕然とする彼の前に、突然現れた見知らぬ美少女。月並千里は、いきなりキスして言う。 「幸せマウントを取るため、私と恋人になって!」「なんで!?」 最強にウザい彼女と手を組んで、学園の頂点を目指せ!  小学館ライトノベル大賞・優秀賞受賞作。ドタバタ展開てんこ盛り、新時代エンタメをとくと見よ!

上流階級が集まる私立鷺ノ宮学園にスカウトされた佐藤零。学費免除を始めとした待遇の良さと成績優秀者に贈られる多額の賞金に釣られて入学すると、そこはテストの成績──でも実力──でもなく「マウント」の上手さですべてが決まる学園だった。しかも入学初日、見知らぬ美少女から「ライバルに幸せマウントを取りたいから偽装彼氏になって」と迫られて……!?

バカバカしくも奥深い「マウントバトル」が面白い

そうとは知らずにマウントで全てが決まる学園に入学した主人公が、マウント上級者のヒロイン(?)と偽装彼氏契約を結び、彼女や仲間達とともにクラス決めトーナメントで最上級のSクラスを目指す!!というお話。コメディをお求めなら是非──とこちらの作品をおすすめされたのですが、とても良かったです!会話劇主体の学園バトルモノのコメディ、最近割りと上手く探せてなかったのでオススメありがたいです……。

「マウントバトル」という概念によって日常のどこにでもあるマウント発言が様々な見地からラベリングされて、マウント強者のヒロインによってさもかし一種の学問のように披露されてしまうのが既にだいぶバカバカしくて笑えてしまうんですが、トーナメントが進むに連れて中身の伴わない自慢や対戦相手との相性・ある種の精神力の強さや煽り耐性なんかも重要になってきて、そこに独自のスキル概念が加わって普通に高度な心理戦が展開されはじめるのが面白い。だけどやはり最後はシンプルな言葉の暴力が強いみたいなバランス感覚がすごく良かった。

笑えて、頭脳バトルものとして奥深くて、でも決して重くなりすぎないバランス感が凄く好みでした。それにしてもマウントバトルの開始の合図で毎回観客がいっせ〜ので色んなマウント発言してくるの、無駄にバリエーションが豊富で笑ってしまうな。

主人公コンビの掛け合いが好み

何より主人公の佐藤零と、彼に偽装彼氏契約を持ちかけてくるヒロイン(?)月並千里のテンポの良い掛け合いがめちゃくちゃ楽しい!ラブコメラノベだったらなんか雰囲気に流されて本当の愛が芽生えてしまいそうな良い雰囲気がちょくちょくあるのですが、どんな状況でも主人公が「いややっぱこの女と恋愛関係になるのはないわ〜」って冷静にぶった斬っていくのに笑ってしまう。特にクライマックスの一番良いところで、電子書籍の挿絵システムまで全力活用して笑わせにくるの、本当にズルい。

良い意味で恋愛色が殆どない、男子高校生2人+女子高生2人の4人組が楽しくバカをやるお話だったので続編が出るならぜひともこの雰囲気のまま最後まで走りきって欲しい。チームの4人が次第に打ち解けていくところとか、零がただウザいだけだった千里の努力家な一面を知ってチームメイトとして信頼していく描写とか凄く良いんですよ。ただこの女を恋愛対象にしたくないというのは本当に解る。二次元読んでるオタクの「このキャラのこと推してるけど別に付き合いたいわけではない」みたいなやつだ。

しかし、令和のラノベでしかも言葉で戦うヒロインである千里に「暴力ヒロイン」の属性付けたのはちょっと違和感と古臭さを感じてしまったな……。あれがヒロインの「ウザさ」に一役買っているといえばそうだし、言葉で戦うヒロインだからこそ零にだけは肉体言語を使うという解釈が出来なくはないけど、別にその属性なくても良かった気はしたな……。

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