修学旅行は特別試験もなく他校のそれと比較して自由時間も多めに設定されているが、その代わりに学園側から決定された各クラス男女2名ずつ総勢8名のグループで行動しなければいけないという決まりがある。綾小路は同じクラスの櫛田、Cクラスの龍園、Aクラスの鬼頭を始めとしたメンバーと同じグループになるが、Aクラス転覆を狙う龍園と坂柳シンパの鬼頭がひとつの部屋、何も起きないはずがなく……。
校外学習授業回、いつもはっちゃけてんな!!
いやぁ〜〜1年生編8巻の合宿のときもチ○比べとかあってなかなかはっちゃけてましたけど、今回はこれといった特別試験もなく純粋な観光メインの旅行ということでめちゃくちゃテンション高かったですね!よう実でこんなに笑わされるとは思わなかったです。何かと衝突し合う龍園と鬼頭が面白すぎた(特に枕投げの挿絵最高かよ)し、ふたりが一触即発すぎて何かと龍園とくまされる綾小路にニヤニヤしてしまうし、なによりホワイトルームと高度育成高校以外の俗世間を全く知らない綾小路の世間知らずが本領発揮しすぎてて面白い。旅行先の選定で京都が選ばれなかったり、朝のワイドショーのネコチャンコーナー見逃してちょっとションボリしてるところとか、普通の高校生なら知ってる事が物珍しくて興味津々で龍園に聞いちゃう綾小路清隆とか一周回って可愛い。櫛田に慣れないボケかまして真顔でツッコまれる所とかテンポ良すぎてメッチャ好きなんですが、さてはこれ綾小路本人も結構浮かれているな……?時折一人称視点に入ってくる旧綾小路グループの描写に若干の未練みたいなものもちょっと感じてしまったんですけど、他クラスのメンバーと強制的に共同生活を送ることになる修学旅行を舞台に様々なキャラクターの掘り下げが行われていくのが印象的でした。西野と山村が予想外に可愛いし、ファンタジーのオーガ村からやってきたような見た目の鬼頭が意外にまっすぐで話せる奴だとわかる展開も楽しい。乱暴なキャラクターの中にも人の良さが見え隠れする龍園の行動も良かった。また、今回は何よりも本性を暴かれて立ち位置を少し変えた櫛田と綾小路のやりとりが楽しかったです。私はあとほんと堀北・櫛田・伊吹の仲悪凸凹トリオが大好きなんですけど、伊吹はどんどん堀北の事が一周回って大好きすぎるアホの子になっていくな……。
あと、あらすじでも言及されている須藤から堀北への告白が本当に良かった。須藤・堀北両者の精神的な成長がなかったらここにはたどり着けなかったと思うし、ある意味納得の結末で、告白を受けた堀北の挿絵がまた素晴らしくて、なんか物凄く美しい所に落としたなと……。
今回は色々な意味で龍園翔・完全復活宣言回だった
作中を通して全体的に浮かれろテンションな息抜き回だったんですが、その水面下では板柳クラス・龍園クラスが学年末試験での直接対決に向けて情報戦を展開していたり、綾小路に介入してきた謎の電話の人物の正体が明らかになったり、綾小路のバックグラウンドを気にする同級生が増えてきたり、ホワイトルーム側の状況に変化が起きたりして2年生編クライマックスに向けた種蒔きが着々と進んでいる感じ。ホワイトルームはますます目的が見えなくなってきたけどどうするんだこれ……あとめちゃくちゃ意外な人物が浮上してきたな……。クラス内で本性を暴露した櫛田が1年生編中盤で龍園に作っていた「貸し」を綾小路の手助けを受けつつも精算して、綾小路は龍園の語る理想に手を貸さない選択をし、龍園は坂柳を倒した後の綾小路との対決を見据える。1年生編7巻で綾小路に敗北して以来、細々とした活躍はあったけど長い雌伏の時を続けてきた龍園が色んな禍根を精算して再度咆哮を上げる、復活宣言回だったんだなあと。なんだかんだで仲の良さそうな龍園・綾小路を見るのは正直楽しかったんですけど1年生編7巻が好きすぎるのでまたあの頃みたいなバチバチの対決が見れるなら本当に楽しみすぎる。
しかしその一方で綾小路はめちゃくちゃ地文で「自分がいなくなったあと」を匂わせてくるんですが……本当にどうなるんだこれ。せめて龍園さんと直接対決してからやってあげて!!!あとラストの展開軽井沢さんはそろそろ怒って良い。