Vtuber企業「あんだーらいぶ」所属の男性Vtuberとしてデビューし、以来炎上を繰り返してきた神坂怜の元に、ストリーマーをやっていた前職の元同僚からVtuberデビューするという連絡が入る。その際に同期のVtuberについての相談を受けるが、彼女の正体はなんと妹の親友で!?そして最愛の妹も「神坂雫」としてVtuberデビュー!?
やっぱり畳とアラサーの腐った薄い本は実在(物語世界に)したんだよ!!!
いやー本人の目に止まってるのが2冊ってことは多分もっと出てるよね。神坂の二次創作やってる女オタクって自分の妄想が推しの心労になってはならない……とかいってめちゃくちゃ厳重に推しをブロックして活動してそうじゃん。mikuriママや酢昆布ネキもそのへんは空気を読んで教えなさそう。ところでどっちが上なんですか?1巻の時点では神坂が受だと思ってたんですが2巻を見るといやこれ畳受もあるな……という気持ちになってきました。デビュー直後から不幸なもらい事故で炎上しっぱなしの元社畜アラサー男性Vtuberの主人公が「ブラック企業よりマシ」と炎上なんかものともせず、本人なりに楽しく(?)Vtuberのお仕事をする小説の第2巻。今回は大規模な炎上も比較的減ってきて(と言うか大火事になる前に上手いこと鎮火してたなという印象)、その分箱内・箱外を含めたVtuber同士のやり取りが楽しくなってきた一冊でした。
波風の少ない──ともすれば中だるみにもなりかねない日常の配信描写が中心でも、各章ラストや幕間の掲示板パートでしっかり引きを作って次の展開への興味をひかせる構成が良かった。この辺は原作がWEB小説であるが故の強さなのかな。妹ちゃんが表舞台に出てしまったせいか掲示板で下手な裏工作してる姿があまり見られなくて残念でしたが、その分表でカップルと見間違うほどにイチャイチャしてましたからね……というか割と掲示板でもSisterChanは公然と兄のノロケを書いてる気がするんですが大丈夫ですか?実はもうスレ民にとっても公然の秘密だったりしない?
箱内・箱外のV同士の絡みが増えてて良かった
1巻では炎上を理由に避けてたり避けられていたり……であまり付き合いのなかった「あんだーらいぶ」の箱内の絡みが増えてきたのが本当に良かった。前々から交流のあった柊先輩や後輩コンビ・すっかり常連リスナーと化したアレだけでなく、それ以外の先輩達もちょっかいをかけてくるようになったのでニコニコしてしまう。新キャラのバ美肉系Vtuber・朝日奈先輩と畳と神坂での男だけのサバゲーコラボめちゃくちゃ楽しみ。神坂って確かにひとりで配信やらせると虚無というか面白みがないんだけど、逆に二人以上の場に投入して弄られ兼ツッコミ・保護者役やらせたら輝くタイプだと思うのですよね。マイクラ回最高に面白かったし。だから他のVとコラボしづらい状況改善したら伸びそうな気がするんだよな……。今回マネージャーさんが割りと真面目に解雇の心配をしていたり、本人も「来年の春を迎えられるかどうかはわからない」と割と現実的に解雇の可能性を見据えてたりするの怖すぎたので……。
そこからの、クライマックスに持ってこられたルナちゃん登録者5万人記念凸待ち配信の流れがとても良かった……これからは積極的に絡みに行くぞという箱内からの強い意志を感じたし、この覚悟を見せない限り神坂の方も絡むわけにはいかないみたいなところあったもんな。憧れの神坂先輩にちょっといい話してる間も笑顔で右手で自分の粘着厨をブロックしまくってるルナちゃん最高かよ……。
思い切り次巻に続く感のあるラスト・お披露目無いまま終わった新衣装や新人の話・男子サバゲーコラボ……綺麗にまとまってた1巻と違って次巻回しのロングパスがめちゃくちゃ多かったのは気になりますが、それだけ3巻も余程のことがなければ出せるという強い自信のあらわれに違いないので次巻も楽しみにしてます。いやほんと、3巻も頼むぞ………………。