[著]平坂 読 [絵]よう太 留学生のリアを加え、それでもいつもどおりまったりとした日々を過ごすラノベ部の面々。ある日、漸く自室の片付けがひと段落したリアが文香達に教えてもらった書店に向かったところ、意外な人物と出会って…… |
小ネタ一杯で軽いノリで楽しめる文章の数々には相変わらずニヤニヤが止まらないのですが、やはりリレー小説の破壊力の高さが異常。人が変わるごとにどんどん勝手な方向に変わってしまう物語も凄いんですが、今回は何より文香パートが酷い。漢字の少ない、子供のような文体とはうってかわったグログロな展開に噴出しました。っていうか今回の文香は隠し切れない黒オーラ出てた気がするんですがきのせいですか!リアの気持ちに気付いた途端告白したり…と、この作品で一番黒いのは実は彼女なんじゃないかという気がしてきた……
竹田を巡る恋愛戦線は駆け足で終わってしまっていてなんだか物足りない部分も多かったですが、ずっと文香に自らの正体を隠していた暦が…とか、いろいろな部分にきちんと決着がついていってスッキリした終わり方ではありました。(しかし、文香と暦の見開きカットは正直必要だったのか…?ここは普通の1P挿絵でよかったと思うんだけど)それにしても、暦は様々な意味で将来が心配です。文香の妹と共に変な方向に足を踏み外さないようにしていただきたい…
そして堂島かこいいよ堂島。彼の“日常系”作品に対する考察は自分の趣味嗜好とも繋がるものがあって面白かった。個人的には、このシリーズではやっぱり堂島が好きだったので、彼の出番が結局最後まであんまりなかったのはちょっと残念です。
元々小ネタの集合体みたいなラノベなので、マンネリと言われる前にまとめてしまう方が綺麗な終わり方なのかもしれないけど、盛り上がってきた恋愛戦線とか暦の小説家としての・少女としての成長はもうちょっと長い時間をかけて眺めていたかったかも。あと1?2冊くらい読みたかった気がするなあ。特に女性陣3人に振り回されるヘタレ竹田、という構図がもうちょっと見たかったなぁ!!あとラストで出てきた暦の母親が素敵すぎなんですが彼女の出番は!
最後までニヤニヤほわほわ、楽しく読ませていただきました。
次回作もこんなノリの日常系ラノベになるそうなので、そちらもちょっと気になる。楽しみです。
最後に、自分の見つけたもので、元ネタ作品が明記されていなかった系のネタ一覧。
今のところネタまとめやってる感想記事がなかったようなので……ほぼ自分用まとめメモ。
P | 該当箇所 | 元ネタ |
16 | ヒロインがダッチワイフ | 恐らく「ユリア100式?」 |
32 | ただの人間に興味ありません。この中に宇宙人とか? | 涼宮ハルヒの憂鬱 |
64 | ドライ、フィアー、フュンフ、ゼクス、ズィーベン、アハト、ノイン | 蒼穹のファフナーで得た知識じゃないかと深読み。綾だし。 美咲の「ズィーベン!」にも元ネタありそうだなあ |
64 | 「ゼクスとノインがイチオシ」 | 新機動戦記ガンダムWに登場する耽美カップル。 |
65 | ワシのグーテンモルゲンは108グーテンモルゲンまであるぞ | テニスの王子様「ワシの波動球は108球まであるぞ」 |
65 | 必ずニュルンベルグることがオイレンシュピーゲる | オイレンシュピーゲルまざってる |
74 | それが誇り高き狼の生き方だと思うんだ | ベン・トー |
75 | 絶望したー。思春期の少年がエロ本を買えない社会に絶望したー。 | さよなら絶望先生 |
80 | 思わぬところでファンネルが増えて | 元ネタは機動戦士ガンダムの兵器。 転じて「買い物要員」を指すコミケ用語→[参考] |
85 | リアル北条沙都子もしくは相良宗介 | ひぐらしのなく頃に&フルメタル・パニック! |
89 | 『つうかさあ、俺の妹マジかわいくね?』 暗証番号は243 | 「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」 伏見つかさ(ふしみ→243) |
100 | そのキレイな顔をフッ飛ばしてやる | 覇王愛人 |
114 | あの伝説の名文句—『そう…そのまま飲み込んで。僕のエクスカリバー』」 | 「カフェオレライター」さんのBL帯レビュー |
あとカラーページに「しゃっぷる」と「ねくろま。」と松岡修造とチルノが。
しゃっぷるは次のカラーページで文香&暦がコスプレもしてますね。
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