[著]佐々原 史緒 [絵]倉藤 倖 チーム名もユニフォームも決まり、いよいよ本格始動する新生ラクロス部。しかし、「同好会」から「部活」へ昇格し、公式戦に出場するにはあと4人チームメイトが足りない。そんな中、五十嵐が進入部員候補として目をつけたのは、和製ホラーマニアのオーストラリア娘に学園が誇る“王子様”で…!? |
特に、今回は中学生トリオが美味しい所持って行きすぎだったかと。依奈の独白も小坂姉妹の複雑な家庭の事情もさることながら、おそらく最も不順な動機で入部したであろう性悪双子・明葉&光葉姉妹が少しずつラクロスの楽しさに目覚めていくくだりは、もうたまらない。この2人は個人的に苦手なタイプで、序盤からほぼ嫌悪感しか抱いていなかっただけに、ラストのやりとりが一気にツボに来てしまいました。
噂の武士気質の「王子様」はぶっちゃけ、こういう女子高モノに絶対「居そうなキャラ」で面白みにかけたかなーとか思ってあんまりツボには来なかったのですが。どちらかというと、すっかり皮をはいだ級長のツッコミ役としてキャラを確立してしまった長谷川が地味に良い味を出していたと思います。なんていうか、ボケだらけのあのラクロス部に、ツッコミキャラはとっても重要なのです。彼女がいなければあの部活はボケしかいなくなってしまうのです。うん、どう考えても最重要キャラだよね?
そして、今回僅かにフラグがたったような気がする広海と博巳のダブルヒロミコンビから目が離せません。軽薄な駄目兄貴かと思わせておいて、いいとこあるじゃないですか。というか博巳さんは良いツンデレ。
遂に12人そろって迎えた公式戦。ガンガン勝ち抜いていった緒戦の爽快感から一転、去年の優勝校・西嶺大付属との絶望的な戦いはもうひたすら熱くて、紙面の向こうから彼女達を応援したくてたまらなくなりました。古豪を余裕でぶっちぎった後に、こういう圧倒的な試合を見せられると凄く何か感じるものがありますね。結果として負けてしまうわけですが、“負けを知る”という意味で、この敗戦は彼女達に必要なものだったのだ、とも思えて、それでもこちらまで悔しくなって…。登場人物たちと一緒になって笑い、怒り、泣いた一冊という感じでした。本当に、スポーツに全く興味をもてない自分がスポーツの試合でここまで熱くなれるとは思いませんでした。
この敗戦をまたバネにして、強く立ち上がる彼女達の姿が是非とも見たい!…と思ったら、後書きに続編は売れ行き次第…というどっかで聞いたような恐ろしいコメントが…。ああ、その後書きのセリフ、かの名作女子寮歴史モノ「カーリー」でも読みましたよね。それで「カーリー」の続編はまだですか?え、これって事実上の打ち切り宣言とかじゃないよね!?
確かに合宿以降、妙に駆け足な部分が気になってはいたんですけど…。
是非とも続きが読みたいので、ファミ通文庫編集部様は是非とも続編の検討をお願いします。ほんとお願いします。ついでに「カーリー」続編の検討もお願いします。
ファミ通文庫は気に入った作品率が実は一番高いのに、高確率で二巻で終了しちゃうからほんと困る…!!
オマケ。
タイムリーに投票受付中のようなのでぺたっと。
投票してこようかと思ったんだけど、誰も彼も魅力的すぎて正直困る…!
級長がぶっちぎってるようなので敢えてツッコミやツンデレに入れるのもありかな…!!