ページ 115 | 今日もだらだら、読書日記。

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紫色のクオリア

 

女子中学生の女子高生・波濤マナブは自分以外の人間がすべて『ロボット』に見えるという毬井ゆかりと出会い、その秘密を知ることに。彼女の瞳が持つ不思議な能力を知りながらもそれを受け入れ、親友としてかけがえのない時間を過ごしていたが、ゆかりの周りで奇妙な出来事が起こり始めて…!?

「悪魔のミカタ」のうえお久光と「JINKI」の綱島志朗が贈る、コラボレーション小説。生きている物がすべてロボットに見えてしまうという力を持つ少女と、彼女を巡る事件を描く異能系SFモノです。

久しぶりに完全な絵師買いだったのでどうなることやら不安だったのですが、めちゃくちゃ、面白かった!前半のちょっとゆる?い空気のSFっぷりも素敵ですが、後半以降のダークでハードな展開も凄いツボ。巻末オマケ4コマはニヤニヤ連続だし…いやあ、本当に最初から最後まで全力で楽しめた!オマケ4コマの七美の可愛さは異常と言いたい

序章の「毬井に関するエトセトラ」では、生き物をロボットという「無機物」という形でしか捉えられないゆかりと、親友としてゆかりのすべてを受け入れようとするマナブと、彼女の能力を受け入れられないが故にゆかりと距離を置いてしまったかつての親友・七美という3人のやりとりを中心に描かれます。視点を中心にその五感だけが特異な力となってしまっている彼女とどのように付き合っていくかという物語なのかとおもったら、最後で彼女の持つ思わぬ能力の真実が明かされ、ゾクっとなりました。特に、『殺人犯』の末路についてはゆかりに一切悪意がなさそうなのがなんとも……!!

しかし、物語は後半の「1/1,000,000,000のキス」に入ってから更に一変。っていうか一変してからが本当にすごかった!!前編のネタバレに触れまくりなのでどこから語ればいいのかわかりませんが、一言で強引に表現するなら異能+ヤンデレ+百合+ループもの。ゆかりの持つ性格のせいか、どこか暖かな雰囲気が流れていた前編とは打って変わってシリアスでハードな物語が展開されます。どこか胸の中で自らのやってきたことに間違いを感じながらも、それを永劫に認めることはできないという所まで来てしまったマナブの想いがとにかく痛くて、胸に重く圧し掛かる。

何度となく未来への分岐を辿っても、自分すべてを投げ打ってでも変えたかったたった一つの「確定された運命」だけは覆す事が出来ないという展開は先日読んだばかりの「運命のタロット」シリーズを思い出しました。

“彼女”にとってあまりにも永い時を経て、漸く望んだ結末にたどり着いた時には思わずジーンとしてしまったのですが、そうしたら…ラストが!前編でちょろっと出てきたものの普通にゆかりの能力の一部なのかとあまり気にしていなかったのに、のに!!様々な意味で深読みしてしまうラストの展開に、再び背筋が寒くなった。ハッピーエンドだと思ってたけど実は……なんてことがあったらと思うともう、恐ろしすぎます。しかしそれが良い。

ところで、綱島志朗というとJINKIもいいけどデビュー作「LIFE:ERRORS」の大ファンだった私がここに居る訳ですが、「紫色のクオリア」と「LIFE:ERRORS」って雰囲気似てるよね、と呟いてみる。最初設定の割にはギャグ率高めなSFだったのが徐々にハードな展開に化けるあたりとか、ほのかに香ってくる百合臭とか、最後の方に主人公が色々な意味で病む辺り(待て)

4861270243LIFE:ERRORS 1 (ブレイドコミックス マスターピースコレクション)綱島 志朗
マッグガーデン 2004-03-26

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嘘つきは姫君のはじまり 恋する後宮

[著]松田 志乃ぶ [絵]四位 広猫

乳姉妹の馨子の身代わりとなり、御匣殿として1年間後宮に上がることになった宮子。次郎君や桐壺の更衣親子と再会できたのはうれしいけれど、後宮には一筋縄ではいかない人たちばかり。しかも様々な人々の思惑が絡み合った結果、東宮妃候補である鳩子姫と『美女合わせ』の勝負を行うことになってしまって…
   個人的お気に入り度数
主君であり乳姉妹の姫様と入れ替わってお姫様になることになってしまった女房・宮子と彼女の周囲の人々が巻き起こす平安ミステリー。シリーズ3巻目にして舞台は後宮に移り、ますます個性豊かな面々がドタバタ騒ぎを巻き起こします。

女の子大好きな鳩子姫、とても九条家の血筋な藤壺の中宮、昼行灯(?)な宣耀殿の女御などなど、とにかく色々な意味でフリーダムな面々ばかりに囲まれてますます振り回されるばかりの宮子ですが、彼女たちの生き様を見て巻き込まれたなりに自分のできる事をしよう、と前向きに現在の自分の状況を受け止め始めた姿に思わずニヤリとする。個人的には、ラストの命婦との意外な告白のシーンが特に印象的でした。

そして、そんな宮子を真摯な思いで見守る一途な次郎君と明らかに気があるっぽいツンデレ蛍の宮の二人がかっこいいんだよなあ。特に今回は完全に次郎君のターン!!!という感じで、宮子をドキドキさせるその姿を見るたびにゴロゴロ悶え転がってしまいました。1巻で出たときには可愛い要員だとおもってたのに、恋する男の子の成長は早い。次郎君かっこいいよ次郎君……!!

…しかしその一方で真幸(略)あーもう、他のライバル男達がみんなみんな魅力的なだけに、イチャつき要員でヘタレ一辺倒の彼の存在が正直マジうざ(強制終了)舞台が後宮に移って出番そのものが減ってしまったからある程度仕方ないとは思うのですが、今のところ彼を魅力的だと思える要員が何もないんですよね…次巻ではもう少し、彼の活躍もありそうな感じの前フリがされているので、次巻で少しでも活躍してくれる事を祈ってます。

やっぱ、私の「ヘタレ萌え」は時々見せる有能な一面があってこその萌えなんだよなー。

ところで、今回のメインとなる文化系闘技大会とも言うべき「美女合わせ」の場面ですが、
参加する男子陣は帝だろうが東宮だろうが当然女装だよね!?とか、
蛍の宮は宴に参加するために女装させられるんだよね?とか、
九条家三兄弟が美女合わせを見るためにいそいそと女装して紛れ込むんだよね!?
とかそんな、御伽草子的展開を期待した私は間違ってますか?

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七夕ペンタゴンは恋にむかない

 

七夕の日に必ず雨が降る星無町に7年に一度だけやってくる“晴れ七夕”の日に、永遠の友情を誓いあった5人。幼いころ両親を亡くした湊は、5人の友情がいつまでも続くと当たり前のように信じていたが、その期待はあかりの唐突な転校によって裏切られることに。それから2年後、高校生になった彼らの元にあかりが再び現れて…

七夕に関する不思議な伝承が残る星無町に住む5人の幼馴染達が繰り広げる、少し切ない恋と友情のお話。表紙の魅力がとてもヤバイ。「ベネズエラ・ビター・マイ・スウィート」もかくやというほどの吸引力。あらすじと合わせて突発買い余裕でした。

少しずつ大人になるにつれて変化しはじめた4人の関係が、とある想いを持って帰還した5人目の少女・あかりの存在によって明確な不協和音を奏で始める姿が切ない。年不相応に子供っぽい考えを持ち、ひたすら空気が読めない湊が彼らの関係を保とうとして立ち回るのですが、読者側からみると踏まなくてもいい地雷を片っ端から踏んでいるようにしか見えず、中盤はいつ彼らの間にある薄い氷のような関係を踏み砕いてしまうのかが心配で心配でなりませんでした。

一方で、既に“大人”としての考えを持った上で5人の幼馴染関係を大切に思っている橙との対比が印象的。「最近一緒に帰れなかったから疎遠になったみたいな気がした」と言う湊に対し、「そんなことで距離が出来るような関係なら本当の親友関係ではない」と思っている橙。作中では深く語られないけど、本当に5人の関係を尊んでいたのは彼なんじゃないでしょうか。

そういう意味で個人的には、タイトルが素晴らしいと思う。綺麗な「ペンタゴン(5角形)」を形作るためには限りなく全員が全員に対して同じような距離感を持っていなくてはならなくて、彼らが恋をすることによってそのペンタゴン内の距離感が崩れ、歪な形になってしまうという意味なのかな、と。それに気付いてペンタゴンを壊そうとするあかり、形に拘らず新たな関係に進もうとする橙、意識的に関係を保とうとする伊緒。そしてその「ペンタゴン」という形に拘泥していた湊が恋によっていつまでもその形ではいられないということを自覚し、彼らと新たな関係を築いていく事を受け入れるという物語なのではないかと思う。鈴は空気だったのでどういうスタンスだったのか良く判りませんg……ゲフンゲフン。

一方、終盤であかりとの関係に決着がつかないまま突然トンデモ設定が展開され、伊緒と主人公の恋愛関係に主軸が移ってしまうのには少し疑問を覚えました。序盤から少しずつ不穏な伏線が張られ、読者の興味を惹きつけていったあかりの物語は途中からいきなり入ってきた伊緒の物語によって結末を明確に語られないまま終わってしまうし、一方で伊緒の物語はトンデモ設定な割に序盤で彼女の存在感がイマイチ高くないせいかかなり強引に挿入されている印象を受ける。どちらの物語もとてもよかったのですが、良かっただけにちゃんと語られていないのが残念でした。せめて湊・伊緒・橙が織りなす三角関係の結末くらいは描いて欲しかったなぁ。



しまった!!これ明日読めば七夕ドンピシャだったのに!orz



余談ですが、「田舎町に住む幼馴染達」「恋によって変わりゆく関係と変わらぬ友情」「流れ星に掛けた願い」というキーワードから、どうしても「キラメキ☆銀河町商店街」を思い出した私が居る。
不思議要素はないけどこの物語の幼馴染成分や青春成分にキュンとなった人は読むといいよ!併せてお薦め。
キラメキ銀河町商店街 1 (花とゆめCOMICS)キラメキ銀河町商店街 1 (花とゆめCOMICS)ふじもと ゆうき

キラメキ銀河町商店街 2 (花とゆめCOMICS) キラメキ銀河町商店街 3 (花とゆめCOMICS) キラメキ銀河町商店街 4 (花とゆめCOMICS) キラメキ銀河町商店街 5 (花とゆめCOMICS) キラメキ銀河町商店街 6 (花とゆめCOMICS)

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真・運命のタロット9(上下) 《世界》。

[著]皆川 ゆか [絵]乱魔 猫吉

《世界》に巻き込まれた<エセックス>は時空を跳躍し、片桐と《愚者》がフェーデを行っていたモントーク機関へと飛ばされる。彼らの出現は、片桐にとって思わぬフェーデの結末を与える事に…。一方、ロシアの雪原に出現した《女教皇》とライコは虚数強化体の襲撃を受けて…
個人的お気に入り度数
《世界》。—真・運命のタロット 9 (上) (講談社X文庫—Teen’s heart)《世界》。—真・運命のタロット 9 (下) (講談社X文庫—Teen’s heart)
「真・運命のタロット」完結編。それで第三部はまだですか?(正座)

片桐先輩久しぶりすぎて存在感忘れてたとか、相変わらず田村さん鬼畜ヤンデレ娘ですねわかりますとか(田村さんとライコの関係は、《死神》と《愚者》の関係に近いものを感じるのです。愛情表現歪みすぎてるけど実はライコのこと大好きだよね田村さん!!)、あああの人があんなことに…!!とか、《審判》と《女教皇》、《力》とのやりとりに頭がパァンとなったり、「最終巻なのに《魔法使い》が出てこないよ!?」「これ本当に残り100P弱で終わるの?」とか思ってたら……

な、なんだってーーーーーーー!?

シリーズ名通りに“運命”を感じさせずにはいられない結末に、思わず鳥肌たった。やたらと大河視点が挿入されているのを読みながら「もう、大河は運タロの裏主人公ってことでいいんじゃね?」とか思ってたんだけど割りとそれシャレになってなかった……真実の意味で、彼はこの「運命のタロット」というシリーズにおけるもうひとりの主人公だったんですね…。しかし、ライコのこの後辿る道、大河が辿ってきて、これからも辿る道筋を考えると、「大河がライコ→《女教皇》→《女帝》ってことを知っていたら…」とか「《女教皇》が《女帝》の正体を知っていたら…」とか考えてしまいます。でも最終的に、たとえその“記憶”が彼の中に存在しなくても、最終的にその想いを遂げる事が出来たのは喜ぶべきなのか。とにかくなんか、なんかもう最後凄すぎて全部もっていかれた……もうなんかあのラストだけで色々満足してしまえる自分が不思議だ……。

しかし、読み終わった直後はラストの衝撃が高すぎてあまり気にならなかったけど、冷静になって考えてみるとまだ繋がってない時間軸で起こった物語とか、語られていない部分で気になる部分が何気に多すぎてとてもうずうずしてきました。その辺の謎を読み解くためにもぜひとも第三部を!発行されていたティーンズハートはなくなってしまったけどここはひとつホワイトハート移籍とか、作風合わないなら徳間エッジあたりに移籍するとかでもいいんじゃないかと思う私が!

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真・運命のタロット8下 《吊るされた男》、そして…

[著]皆川 ゆか [絵]乱魔 猫吉

大河と《戦車》、《魔法使い》はミッドウェイ実験の最中、実験体としてユニットの中に閉じ込められた水元頼子を奪還しようとする。ところが、彼らの前には《星》とリンダ、《悪魔》とカインが立ちふさがる。それぞれが勢力を超え、自らの思惑の為に戦っている最中、今度は異形の身体を持つタロットの精霊《吊るされた男》が現れて…!?
  個人的お気に入り度数
“吊るされた男”、そして…—真・運命のタロット〈8下〉 (講談社X文庫—ティーンズハート)
「運命のタロット」に関する様々な謎の一端が明かされる、《吊るされた男》完結編。これで大体、「女教皇」と「教皇」の間にあった記憶の空白は埋まった感じですね。なにより、久しぶりにライコ・《女教皇》と《魔法使い》コンビのやりとりが見れて、凄くうれしい。場所を気にせずにさっそく《女教皇》とイチャつく《魔法使い》の姿に超ニヤニヤした(ライコと大河は色々な意味で不憫ですが!)

恋する大河の葛藤がもどかしいなあ。前シリーズであれだけ無謀にも考えなしに突っ込んでいく一直線さを知っているからこそ、もうちょっとライコ達の間に踏み込んでくればいいのに、と思ったり。当時は"知らなかったからこそ"の無謀さというのはあったんだろうけど…。しかし、その彼の葛藤を知っているだけにライコが大河の名前を呼んだシーンではちょっとでも彼の頑張りが報われたような感慨を受ける。

しかし、「真」シリーズになって以来一切姿を見せなかった“彼女”の名前が章題として出てきたときには凄く驚いた。確かに、ライコと大河の関係を語るには欠かせない人材だけど…彼女は結局、今後物語には絡んでこないのかなあ。流石に以前のようなライコとの掛け合いは期待できないかもしれないけど。

下巻は次々と驚愕の事実が明らかになり、「な、なんだってー!?」の連続なのですがさりげなく上巻ラストのキャラクター解説に下巻のネタバレが混ざってるのはどうかとおもった!特に上巻時点ですでに《女帝》《運命の輪》の項目にアレが書いてあるのは酷すぎると思うんだ…どうかんがえても下巻最大のサプライズでしょうに!!

次の「《世界》。」も上巻の年表ネタバレが酷いらしいのでうっかり読まないように気をつけよう…。

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真・運命のタロット8上 《吊るされた男》、そして…

[著]皆川 ゆか [絵]乱魔 猫吉

頼子を拉致した鴻桂グループが行おうとしていたのは、“肉体を持たない超能力者”を意図的に作り出す実験だった。その実験体として囚われた頼子を救い出すためミッドウェイ海峡に向かった大河達の前に、頼子を抱いた《魔法使い》が現れるが、そこで大河は《魔法使い》の思わぬ姿を見ることに…!?
  個人的お気に入り度数
“吊るされた男”、そして…—真・運命のタロット〈8上〉 (講談社X文庫—ティーンズハート)
謎が謎を呼ぶ「カイン編」3冊目。というか、重ッ……とにかく物語が重ッ……そして爛れてるというよりももう、生々しい。前巻は重いなりに《悪魔》と《戦車》の凸凹コンビとか、どこかしら息をつく場所があったのですが。

ここまできて《悪魔》ちゃん下克上だと!?
例のシーンを読んで思わず既刊を読み直しましたがそうか、《悪魔》って両性具有だったんだよね……ひょっとしてタロットに転写される前の彼女の正体って“妹”じゃなくて……ゲフンゲフン。こ、ここここここでまさかの兄×弟フラグ!!!

それにしても、ラスト4巻にしてまた話がわからなくなってきたなあ。《魔法使い》の異変は、ひょっとして過去と未来の《魔法使い》が完全に合一することで《皇帝》になるっていうのを示唆してるのか?あと《星》コンビがライコと《世界》に関係があるっぽいこと言ってたけどなんなんだろう。っていうか二人の会話が微妙に死亡フラグっぽいのが気になる。《戦車》と《力》は人間時代、元恋人同士だった?残り3冊で、全てとは言わずとも物語りに関わってくる謎だけでも解明されるのかしら。

あと、“ミナモトヨリコ”の行動があまりにも後ろ向きなのがちょっと気になる。「女教皇」ラストのなんだかんだいって前向きっぽい発言をしてた彼女の立ち位置を考えると、どこかちぐはぐな印象を受けるんだよなあ。カインとの間にあったことを加えて考えても何かおかしい気がする。大河も言うとおり、“運命のタロット”シリーズの彼女と現在の彼女が繋がらない。ヨハネスブルグで見つかってカインに保護されるまでの間に何かがあった?それとも保護されてから、カインに(肉体関係以外の意味で)何かされたのか?不可解な動きを見せる田村桂子と《死神》の仕業とか?それとも、坂崎の呪いがじわじわと彼女を侵食していったということなのか…。正直、何事にも後ろ向き・受動的で他人に責任転嫁してばかりの今回の頼子には正直かなりイラっとするものがあったり…思考パターンが田村桂子っぽいのがとても気になるといえば気になるんだけど…あの問答を聞いてると、普通にリンダがいい人に見えてくるから不思議だ。

何はともあれ主人公コンビ不在(精神的な意味で)のままあと3冊。そろそろ“ライコ”や《女教皇》と《魔法使い》の主人公コンビの活躍が見たいぞ!と思ったり。謎だらけの「カイン編」がどのような形で終着に向かうのか楽しみです。

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今月のまとめと読了記録[2009年6月分]

5月に読んだ本は22冊でした。
普通のラノベ3倍分の容量のアレがあったにもかかわらず、普段の平均からすると割合多め。それでも先月から引き続き、とても読み残しの多い月でした……「アクセルワールド2」はいつか時間を見つけて読みたい所存です。

2009年6月のページアクセストップ4


 
サクラダリセット
⇒感想

 
バカとテストと召喚獣6
⇒感想

これはゾンビですか?1
はい、魔装少女です
⇒感想

GENESISシリーズ
境界線上のホライゾン2(上)
⇒感想


乙一絶賛で話題を呼んだスニーカーの新作「サクラダリセット」が大人気。椎名優さんの挿絵がぴったりの、透き通るような透明感を持った青春モノでした。これは普通にオススメ。

そしてまたうちのブログの中で「バカとテストと召喚獣」の時代が来ている……!?
正確には本の感想ではないので除外したのですが実は4位くらいにドラマCDの感想記事がありました。アニメ化効果で盛り上がってきたのかな?7月はFBオンラインの方でバカテスアニメの最新情報が出るらしいし、8月は短編集発売で、まだまだ暫く盛り上がってそうですね。文月学園オンラインも楽しみ。

先月から引き続きゾンビ大人気。なんだかんだいって2巻読んでないんだよな…

境界線上のホライゾン2上」は一週間がかりでなんとか読みきりました。正直エベレスト山にでも登っている気分だったよ……今月発売の2下のほうが分厚いんですけどねorz

2009年6月に読んで面白かった本


 
猫耳父さん
⇒感想

 
SH@PPLE-しゃっぷる- 6
⇒感想

運命のタロット13 《女教皇》は未来を示す
⇒感想

 
NO CALL NO LIFE
⇒感想


とりあえず今月色々とインパクト強かったのが「猫耳父さん」!!少年の女装挿絵すらためらう傾向があるライトノベル界で、ここまでガッツリと猫耳親父を描ききった作家さんと編集さんを絶賛したい(元々、連載雑誌が非ライトノベル誌だったから、というのはありそうですが…)話自体も家族モノで普通に良かったよ!

SH@PPLE-しゃっぷる- 6」は私が密かに大好きな胡蝶の宮のターンすぎて困った。6巻ラストに載ってたマンガ版のキャラデザも凄い可愛かったのでそちらにも期待したいです。…ところで、ドラマCDは買うべきなのでしょうか…個人的には釘宮理恵使うなら蜜じゃなくて雪国・舞姫の二役にしていただいて思う存分少年声を聴きたかったような気がしなくもないよ!

現在絶賛強化中の「運命のタロット」。真の方の「悪魔」も面白かったけどやはり最高に燃えたのは第一部最終巻である「女教皇」かな。これから真シリーズもクライマックスに入っていくので、どんな展開になるかとても楽しみ。

そして今更ながら、発売日に買って以降ずっと積んでた「NO CALL NO LIFE」がツボ直撃だった!何故もっと早くに崩さなかったんだ私……!!今月文庫版も発売されるようなので、未読の人は読んでみるとよいのではないかと思います。退廃的で殺伐とした青春が素敵だよ!!

2009年6月の読了記録


なんか物凄く少女漫画強化月間だった気がする。
というか「NGライフ」「キラメキ☆銀河街商店街」という私の中の2大胸キュン少女漫画が完結してしまって、もう私来月からどうしたらいいの!!という気分です。敬大かっこよかったよ敬大。

あと、今月はラノベ系の画集が多くて死ぬかと思いました。山本ヤマトさんと深遊さんの画集を買ったよ!時期が被ってなければヤスさんのとらドラ画集もちょっとほしかったなあ……
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真・運命のタロット7 《隠者》は影に

[著]皆川 ゆか [絵]乱魔 猫吉

《星》達が助力する鴻桂グループの手により拉致された水元頼子を追うカインは、ソ連の諜報部から情報を得て、同じく彼女を追う大河穣太郎と共にハワイへ渡る。どうやら、37年前に行われた“フィラデルフィア実験”の再現を行うつもりらしい。その実験の恐るべき正体とは…!?
  個人的お気に入り度数
『隠者』は影に—真・運命のタロット〈7〉 (講談社X文庫—ティーンズハート)
大河×カイン ←結論
「運命のタロット」シリーズと「真・運命のタロット」シリーズの隙間を結ぶNY改めカイン編その2。小悪魔ちゃんたちに同性愛疑惑をかけられる《戦車》とか大河×カインなあれこれとか(ホテルのあれとか挿絵のあれとか)で私の腐女子脳が密やかに燃え上がったわけですが皆様いかがおすごしですか。でも個人的には全力でカイン×大河を推すよ!カイン総攻でいいとおもうよ!!《戦車》の簡潔すぎるあらすじ紹介と《隠者》の出番(その4箇所は酷い…)でとりあえず噴き出した。

前巻後書きにも書いてあった《戦車》のアロハシャツ・海パン姿でじわじわと笑わされた。《悪魔》との凸凹コンビぶりもなんかいいなあ。しかし、《悪魔》コンビは思っていた以上にまだまだ何かありそうで、楽しみなような恐ろしいような。

噂では聞いてたけど、終盤付近のアルバトイ博士の虚数意識論で頭が盛大に破裂しました。1巻《教皇》はまだ3割くらいは理解できてた気がするのに、もう今回の部分はどう考えても日本語でおkとしかいいようがないよ!!これもう間違いなく日本語じゃないよね!!自慢じゃないけど物理の授業なんて中学3年生でおさらばしましたから!!

そして最後に《魔法使い》が久しぶりの復活!!…とはいえ、《女教皇》の後の状態から復活しているなら恐らくまだ本調子じゃないところをライコの危機で無理やり出てきた、という方が正解?ライコのピンチに、彼がどう立ち向かうのかとか、果たしてライコは記憶を取り戻せるのか、とか。とにかく次の巻を読むのが凄く楽しみです。

…大河は……もうちょっと頑張れ……(遠い目)

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生徒会ばーさす! お嬢様学園の暴君

 

お嬢様女子校・白姫学園は経営難で潰れた男子校・友誠学園から試験的に男子生徒数十名を受け入れることに。禁断のお嬢様の園に通う事が出来ると喜々として転入した彼らに手渡されたのは、なんと女子と同じセーラー服だった!?彼らの先頭に立った紫藤水樹は学園に絶対的な権力を持って君臨する生徒会長・天井院神菜に勝負を挑むが…

女子ばかりの楽園に転入してきた数十名の男子生徒たちが制服:女装をはじめとした不当な扱いを受け、女の子ばかりの生徒会に卑怯な手段を駆使して勝負を挑む!!というお話。deltazuluさんの感想で「面白いからという理由で、男子生徒の制服をセーラー服に」という一文を見たらもう居ても立ってもいられなかったんだぜ!!

どんな勝負を繰り広げるのかと思ったら、「かくれんぼ」「鬼ごっこ」と小学生のような種目が連発されてて、失格ギリギリの線でルールの裏をかきあう点ではかなりの頭脳プレイが繰り広げられている筈なのにやってることはまんま子供のじゃれ合いというギャップが楽しかった。特に鬼ごっこで男子生徒が(自主規制)になった時には思わず噴いた。さりげなく女装がクセになっちゃってる男子が居るっぽい(しかも似合わないやつに限って)のには思わず笑ってしまう。

このままこんなじゃれ合いが続くのかと思ったら、二番目の勝負の辺りから急にラブコメ色が強くなってきて、3つめの勝負は「デート」だと!?しかし、この手のラブコメの主人公らしい鈍感っぷりを発揮して女の子達の期待を片っ端から肩透かししていく主人公の罪作りっぷりにヤキモキしつつも、翻弄される女の子達の姿にニヤニヤしたり。

ただ、設備の不遇っぷりとか両勢力のトップが幼馴染同士とか…どうにもひとつ思い出してしまう作品があって、どうしてもそちらの突き抜けっぷりと比べてしまう事が多かったかもしれない。あとヒロインがラストで打ち明けた「裏から手を回した件」はもうちょっと主人公は怒っても良かったんじゃないだろうか。「可愛い我侭」で押し通すには、周囲の被害が大きすぎて素直に可愛いとは思えなかった。

それで購入の最大の決め手となった「男子生徒全員セーラー服」ですけど…まあ絵師さんがすでにバリバリエロゲ絵だったのでそこまで(エグイ意味での)期待はしてなかったけど、もうちょっとこう…男子の挿絵を増やしてくれてもいいのに。べ、別に柳谷のセーラー服姿を描けなんて何もいってないけどさ!うーん、あんまりエグい挿絵を入れると売り上げに響くんだろうなとかそういうのはなんとなく判るんだけど、正直こういうグラフィック的に突き抜け感のある作品で挿絵が女の子の萌え萌えなイラストばかりというのはどうしても物足りなさが残ります。うん、私がこのシーンで見たいのはお前じゃないんだ……みたいな感じ。

何より本文であそこまでやっといて芹沢の挿絵がないのはどう考えてもおかしいだろ!!芹沢の扱いは露骨に秀吉的な何かを感じただけに、そこまできたらもうちょっと頑張って昨今の男の娘好きに売り込んでも良かったと思う。バカテスの秀吉・おとまほのかなたん・生徒会の中目黒に張り合えるほどのポテンシャルを彼から感じたので、挿絵を入れなかったSD文庫編集部は本当にわかってないなあと思った。

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真・運命のタロット6 《星》はなんでも知っている

[著]皆川 ゆか [絵]乱魔 猫吉

行方不明になった水元頼子の消息を追って1980年のニューヨークに現れた大河。《太陽》との戦いで記憶を失ったライコは《悪魔》の協力者・カインに保護されていたが、彼女を巡って謎の華僑財閥、ソ連の諜報部、米国国防省に「運命のタロット」関係者……と、様々な人間たちが動き始める…!
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『星』はなんでも知っている—真・運命のタロット〈6〉 (講談社X文庫—ティーンズハート)
運タロラスト?真タロ開始時の間に起こった出来事の補完となる「NY編」開始の真シリーズ第六巻。これまで、何故突然話を飛ばして彼女が《女教皇》に転写されたところから物語が始まるんだろうと思っていたけど、確かにこの話は「教皇」でのゴーリキー博士の話や「審判」でのカザフ編の結末が絡んでくる分、時系列順にやっても意味がわからないだけだっただろうなあ。時系列が様々な部分で絡み合っているこのシリーズの難解さを改めて実感しました。

とりあえずぺらぺらめくって自称“ただれてる”なライコの挿絵見て噴いた!カインがこんなにライコ(ミーナ)に執着する理由も気になるけど、カインと《悪魔》の関係も色々と紆余曲折がありそう。《悪魔》ってあれだけカインにべったりなのに、イマイチ彼に対して無償の愛を注いでる感じじゃない気がするんだよね。前シリーズで、彼の後の協力者との関係を知っているからかしら。逆に、なぜか《悪魔》に対してツンツンなカインの態度の正体も気になるところ(小悪魔だけ褒めて《悪魔》はスルーなのはさすがに可哀想だと思った)

ライコ記憶喪失中&《魔法使い》は前シリーズの結末の通りで出てこられない状況で、大河やらカインやらリンダ&《星》やら《審判》やらにライコを狙う様々な国際組織を交えて外野がドンパチやってるお話で、やはり主役コンビ2人が殆ど出てこないのがちょっと物足りない。久しぶりの登場な大河も他の熟練の関係者達に推され気味で、基本的に後手後手に回りまくりだったのも物足りなさに拍車を掛けていたかも。大河には、そろそろ恋する男の子(?)の本領発揮でもうちょっと活躍して貰いたいところ。《星》や《隠者》やその協力者やらカインが一筋縄ではいかなすぎる、というのもあるんだけど…

全体的に今後の展開への伏線張りに終始している感じ+政治話が絡んできて、結構読むのが辛いなあ……なんて思っていたらモントーク研究所の話が…!!!思わぬところであの事件が残した傷跡を目の当たりにして、心が痛くなった。たとえすでに死んでいるとはいえ、自分の意思とは無関係に死後もその力を利用されているその姿が悲しすぎました。

次の巻では表紙を見る限りでは《魔法使い》の復活もありそうだし、今度こそ久しぶりに水元ライコ&《魔法使い》のコンビが見れることを楽しみにしたいです。ここからどうやって「教皇」での展開に繋がって行ったのかも引き続き楽しみ。しかし、次の巻の厚さは少女小説としておかしいよね!?「悪魔」越えしてそうなぶあつさに噴いた。

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