[原作]BaseSon [著]御門 智 [絵]水月 悠 魔王・薫卓の復活により魏は壊滅。太陽は昇らず、深刻な食糧危機に人々は困窮する。そして、華蝶仮面はあれ以来、姿を見せることはなかった……。そんな中、本郷一刀達は生き残った蜀や魏、元薫卓配下の猛将達を集めて"華蝶戦団"と呼ばれる反抗勢力を作り魔王に対抗しようとするが… |
今まで無敵だった華蝶仮面が敗れて復活するくだりやこれまでの敵キャラが心強い味方として現れる流れ、魏・呉・蜀の三国勢が一つの仲間として協力して挑む戦い。そして敵は操られたかつての仲間。絶望的な戦いに臨み、次々と倒れていく仲間たち。多くの犠牲を払いながらも進む一刀と曹操はかつて大切な時間をともにすごし、魔王となった少女・薫卓を救うことができるのか…という感じで相変わらずベタベタな王道熱血展開の目白押しなのですが、なんでここまできて「僕たちは彼らの犠牲で勝ち取った平和をずっと忘れない…」的なオチになるんだよ?…ここまできたら当然ご都合展開で全員復活円満エンドでしょー!!!
そもそも、曹操vs薫卓のラストバトルそのものがなんかグダグダで、これまでの「華蝶仮面」シリーズとは思えないほど面白くなかった…展開そのものは悪くないけど、個人的には薫卓の不意打ち以降はなんとかならなかったのかと思う。肝心かなめの曹操vs薫卓のバトルがあんまり盛り上がらなかったというか……っていうか劉協いらないよ劉協。最期は何をしたいのかよくわからなかったし、こいつ出さないか最終決戦前に一刀あたりと相打ちさせて、早々にご退場願った方が面白かった気がするんだよな?…
賈駆が突然過去の話を持ち出してきたのもちょっと唐突に感じたというか、できれば賈駆の態度以外の部分でもそういう過去を思わせる描写がほしかったような(それともこの、白装束が一刀を戦わせるために薫卓を引っ張り出した云々の設定は原作の公式設定なのか…?)
一応曹操と薫卓に関しては生き残ったような描写がありますが(拡大解釈すればラストのあれでラストバトルにかかわった全員が生きてたという解釈もできそうだけど)、その他は生死すら不確定…というか明らかにラストバトルで死んだくさいキャラに対して救済措置が取られなかったのは残念すぎる。ラストを「ご想像にお任せします」っていう終わらせ方は悪くないと思うんですが、これだけ王道ベタベタなご都合主義で突っ走ってきたこのシリーズがそれをやる必要性がどこにあったのかがとても疑問だったりします。うーん、やっぱりラストはなんとしても納得できない……
ただ、ラスト以外の盛り上がりはシリーズ最高潮で、ほんと凄かった。特に、今までずっと悪役っぽい描かれ方をしてきた周瑜のあの発言には感動。愛紗・鈴々と一刀のデートの約束シーンもホロリとくるし、孫権・曹操が一刀に真名を呼ばせるシーンとか微笑ましすぎるし、何より素晴らしいのは袁紹一派の(たぶん)最初で最後の大活躍!!いろいろな意味でかっこいい、かっこよすぎるよ袁紹…挿絵も今まで以上に良い味を出していて、良かったです。特に決戦前の全員集合絵と無駄にかっこいい袁紹軍、一刀の一枚絵は最高でした。
ああ、しかしこのシリーズがこれで終わりなのが素直に惜しい。やっぱり原作プレイすべきですか?こういう熱血展開目白押しのエロゲならば迷わず買うんですが……
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