ページ 134 | 今日もだらだら、読書日記。

▼ 最近の記事

神様のメモ帳3

[著]杉井 光 [絵]岸田 メル

奇跡的に意識を取り戻した彩香が学校に戻ってきた。失われたものは多く、ぎこちないながら園芸部の活動を再開した二人につきつけられたのは、生徒会からの廃部宣告だった……。廃部を止める為、園芸部に過去で起きた事件について調べ始めた鳴海とアリスだが、それにはテツ先輩が絡んでいて!?
   個人的お気に入り度数
将来有望なニート候補(違う)な主人公と、彼を取り巻くニートたちが繰り広げる物語第3弾。今回は過去にテツ先輩が高校を退学するきっかけを作った事件を追う事になったナルミが、結果的にテツ先輩達と対立する羽目になるというお話。1巻の事件でも鍵となった園芸部の温室を舞台に起きた事件の真相を追っていくうちに、1巻で起きた「エンジェル・フィックス事件」の残された謎にも迫っていきます。

まあそんなことよりアリスが、アリスがデレたーっ!!!
てっきりデレることなど金輪際ありえないだろうと思っていたアリスですが、今回はなんかやたらとデレてて、それがまたなんか可愛いぞ!?無茶しようとするナルミにやきもきしたり、勢い余ってぬいぐるみを投げつけたりする姿にきゅんきゅんします。そして挿絵まで相乗効果で……155Pが素晴らしすぎる。

事件の真実を語ろうとしないテツ先輩と事件の真実を求めるナルミ・アリスは結果的に対立する事に。なかなか事件の真相は見えず、ぎくしゃくした綾香との関係もあり、園芸部を残そうとしている自分の行動の根幹すら揺らぎそうになり、煮詰まったナルミは(かなりその場の勢いで)元ボクサーであるテツ先輩にガチンコ勝負を申し込む!ということで、勝負の話になった以降の展開が熱いのなんの。テツとの義理を取ってナルミ達の捜査協力を拒んだ仲間たちがここぞとばかりにナルミを手伝い始める箇所では思わずにやりとしたり。それにしても「Wiiテツ」には噴いた。少佐はSOHOの下請けでいいからゲーム会社に就職しろ。というかそのソフトもってってゲーム会社に売り込めw

ラストではいつもどおり、どこかほろ苦い真相が明かされますがなんだかんだと言ってシリーズ内でも一番ハッピーエンド的な終わり方だったかな。特に、彩香の幸せそうな姿が見れたのは嬉しかった。記憶を失い、どこか歪んだ"かつての彼女のふり"を続ける彩香だけど、良い仲間たちに囲まれて少しずつかつての自分を真の意味で取り返すことができるのではないかと自然に思えるようなエンディングでした。

しかし、ひょっとしてここで完結なのかなあ、残念だなあ…。

記事への反応
なにかあれば
  • わかる (0)
  • 面白かった (0)
  • 興味が湧いた (0)
  • 持ってる (0)
  • 買いました! (0)
  • ぱちぱちー (0)

キスとDO-JIN! コピーキャットにご用心!?

[著]小林 来夏 [絵]由良

オリジナルと二次創作、そして投稿作の原稿に追われながらも充実した日々を送る七海は念願のPCを購入し、ホームページを開設。早速ファンだという人からメールが届くが、相手のホームページに飾られているイラストは何故か高橋の絵にそっくり。あまり気にしていなかったのだが、イベント会場でその人がスペースに現れ、それから高橋の様子がどこかおかしくなって…
   個人的お気に入り度数
新人同人誌作家の七海が恋に創作活動に悩みながらも成長していく物語、第4弾。今回はパクトレ問題とネットの匿名掲示板話題に鋭く(?)メスを……って、また微妙なネタを話題に持ってくるなあこの人は!あと1イベント300部あっさり完売して「まだまだ私なんか」とかいわれると弱小サークルは立場がありませんっ!!!

パクリ大手・響冷夜に様々な面で心乱されているところに今まで自分が知らなかった周囲からの評価まで知ってしまい、落ち込む七海。しかもその上、話を聞いてくれた高橋からは思わぬ発言が飛び出して……と、高橋と七海の関係を中心に今回はかなりシリアス方面に物語が進みます。二次創作と一次創作の違いとか色々身に沁みたり参考になる話も多かったけど、やっぱりこのシリーズはもう少しはっちゃけてくれた方が好み。

中盤以降は人間不信気味な高橋とそんな彼の真意を知ろうとする七海の行動がメインになるので、メインゲストキャラである響の扱いも微妙に見えました…後半に入って彼なりの事情が明らかになったりして同情できる部分が見えてきても、蛇足にしか見えなかったり。

というか執事分が絶望的に足りないよ!!!今回は完全に高橋と七海の話に焦点が絞られている為、西南北の出番は殆どないし、執事も全体的に七海のサポートに回る展開が多かった。大人な態度で全部お見通しな執事もかっこよくて悪くはないんですが、やはり彼が大人しくしてるのは物足りない……。

次はぜひ、執事大活躍を!おねがいします!

それにしても、七海は結局誰とくっつくんでしょうね。西南北ルート一直線だと思ってたけど、なんか今回の話で高橋ルートもありそうな気がしてきた。そして作者さんあとがきでりょーじょくりょーじょく言いすぎですっ!以前読んだ水戸さんのBL小説のノリ思い出して笑ってしまったじゃないかどうしてくれる!!

記事への反応
なにかあれば
  • わかる (0)
  • 面白かった (0)
  • 興味が湧いた (0)
  • 持ってる (0)
  • 買いました! (0)
  • ぱちぱちー (0)

神様のメモ帳2

[著]杉井 光 [絵]岸田 メル

アリスの探偵助手をする傍ら、ラーメン屋「はなまる」でバイトを始めた鳴海。そんな時にNEET探偵事務所に依頼を持ってきたのはタイ人の少女・メオは大きな袋に一杯の札束を抱えていた……大金の入ったバッグを彼女に預けて失踪した父親を探すという依頼を引き受けたアリスだったが…。
   個人的お気に入り度数
将来有望なニート候補(待て)な主人公と、彼を取り巻くニートたちが繰り広げる物語第二弾。鳴海=ミンハイ呼び懐かしいなぁ…「からくりサーカス」は丁度私が1年ほどサンデー読者してた時代に連載が始まったのですよね。

相変わらずNEETな仲間達のハイスペックぶりが異常。1巻ではアリスと四代目の裏に隠れてある程度脇役に徹していた感じのあるニート3人組ですが、今回は色々な意味で全開です。少佐の教授顔負けな技術力、ヤクザから警察にまで顔を持つテツ先輩の人脈作り、巧みに女の子たちの言動を誘導するヒロさんの会話術……と三人まとめて「才能の無駄遣い」タグつけてやるよ!!!状態。

そんな彼らにどうしても気後れしてしまい、いじけたり塞ぎ込んだり自己嫌悪したりする鳴海ですが、終盤で思わぬ活躍を見せてくれます。一度動き出すと多少の無茶はその場のノリと勢いでゴリ押しし、最終的に美味しいところをまとめて持っていく姿は凄くかっこいい!!……のだけど、そこに至るまでの後ろ向き具合は正直ウザイくらいでありました…あれは被害妄想、というか"加害妄想"とでも言えばよいのでしょうか。アクシデントやトラブルの結果を全て自分の不始末だと思ってしまうのが性質悪い。しかもヒロイン格であるアリスも鳴海に輪をかけた加害妄想の持ち主なので2人してうじうじしだす辺り、なんともかんとも…2人とも動き出せばかっこいいのになぁ。

物語としては、私の中で1巻の顛末がかなり衝撃的だったので2巻は多少インパクトないなあ…と思う部分もあったのですが、その分普通にミステリーとして面白かった気がします。特に終盤にナルミが奇策を打ち出してからの急展開していく様は、物凄く面白かったです。ああいうノリと勢いとハッタリが効いた展開は大好きだ…!!

イラスト化された四代目は予想以上にオトコマエで素敵でしたね。兄弟の杯を交わすところの挿絵を見て、「四代目×ナルミ」とか想像したのは私のせいじゃないと思う。しかし、和服姿のアリス達をイラストで見られなかったのは残念でしょうがない。

記事への反応
なにかあれば
  • わかる (0)
  • 面白かった (0)
  • 興味が湧いた (0)
  • 持ってる (0)
  • 買いました! (0)
  • ぱちぱちー (0)

テイルズ オブ シンフォニア?ラタトスクの騎士?世界の願い2

[著]矢島 さら [絵]奥村 大悟

ロイドの行方を追い、そしてラタトスクを解放するため旅を続けるエミルとマルタ。旅の途中でロイドのかつての仲間達と出会ったエミルは、それでもロイドを信頼する仲間達の姿を見て次第にその憎しみの形を変えていく。ところが、戦闘中以外でも人格の変貌が起こるようになってきて…
   個人的お気に入り度数
ロイドが行ったというパルマコスタ大虐殺の真相に迫る、ノベライズ第二弾。

仲間達がロイドを信頼する姿を見て自分の盲目的な憎しみを改めて考え直すことになるエミル。そして段々とその憎しみに対して疑問を抱き始めた所に新たな敵が……という流れはベタだけど面白い。“ラタトスクモード”の謎やリフィル達が時折覗かせる謎の行動も合わせ、今後どういう風に話が進んでいくのかがとても楽しみ。前作「シンフォニア」のストーリーも踏まえて考えると、また結構この後に重い展開が待ち構えているんだろうなあ。

リフィル&ジーニアス姉弟をはじめリーガル、しいな、ゼロスなど前作キャラが物語に本格参戦。何かと落とし穴にハマるしいなのドジっ娘忍者っぷりが可愛いのなんの。そしてゼロスはハニー好き過ぎて困る。「ハニー」呼びがいろんなところに広がりすぎですからーー!?その他、前作を知っているといろいろと感慨深い部分が多くあり、ニヤニヤしながら楽しんでました。特にイセリア村の村長の言葉は胸にキュンと来る。

しかし、相変わらず「ゲームの内容をただ忠実に再現してます!」という空気は……もうこれはこういうものだと諦めるしかないんだろうなあ。ゲームの内容自体がとても好みなので普通に面白いことは面白いんだけど、一度ゲームをプレイしている人にとってはこの小説、全然面白くないんじゃなかろうか。特にゲームノベライズで戦闘描写を技名と技の描写の連打でごまかしたりするのは、かなり下の下な手法だと思うのですけど…ボス戦すら物語を先に進めるための消化試合以外の何物でもなくて読んでてとてもダルいです。戦闘部分だけでも、ある程度オリジナルを織り交ぜながら技の連打に頼らない頭脳戦要素を持ち込んでほしい。

記事への反応
なにかあれば
  • わかる (0)
  • 面白かった (0)
  • 興味が湧いた (0)
  • 持ってる (0)
  • 買いました! (0)
  • ぱちぱちー (0)

コラボアンソロジー2 "文学少女"はガーゴイルとバカの階段を昇る

[著]野村 美月、井上堅二、田口 仙年堂、櫂末 高彰
[絵]葉賀 ユイ、竹岡 美穂、日向 悠二、甘福 あまね


文芸部の活動の一環としてやってきた図書館で、姫路瑞希と出会った遠子と心葉。以前から遠子と仲が良いらしい彼女だが、ちょっと元気がない。そんな瑞希を救うため、今"文学少女"が立ち上がる?!?
   個人的お気に入り度数
「文学少女」シリーズ、バカテス、ガーゴイル、学校の階段の4作品のコラボレーション5編を収録した短編集。
もうなんていうか……冬コミへの燃料投下ありがとうございます(鼻息荒く)

「"文学少女"と乙女に集う召喚獣」(文学少女×バカテス)
以前から噂だけ聞いてずっと気になっていた短編を、遂に読む事が出来たよ…!!姫路さんの話を聞いて何故か雄二と明久がデキていると勘違いした遠子先輩が、雄二達F組の面々と召喚獣勝負をする話。

遠子先輩の文学で鍛えた腐女子フィルターSUGEEEEE!!!!!
雄二と明久のいつものドツキ合いを見てあっさり「デキている」と言い切る彼女が最高すぎます。すげえ、すげえよこの人。かなり序盤から明久総受説を推奨してきた私ですが、遠子先輩の雄二×明久表現に新次元を見た気がする。「情熱的な視線の絡み具合」「甘えるような濡れた声」……想像するとエロい、エロいよ雄二×明久!!もう私、バカテスまともに見られない!!(腐女子的な意味で)

野村美月先生御本人による、華麗なる「遠子壊し」っぷりが壮絶。このコラボの裏タイトルは「本当はエロい"文学少女"」でいいと思います。この人きっと、心葉の居ないところでBLとか官能小説とかガッツリ摂取してるに違いない……

初々しく可愛らしい明久×瑞希とか、分かり合うペッタンココンビとかにもニヤニヤでした。そして葉賀さんの心葉くん可愛いよ心葉くん。心葉くんの召喚獣には是非別の機会にちゃんとバトルして欲しいなあ。あの武器でどうやって戦うのか見て見たい。

「"文学少女"と殺された莫迦」(バカテス×文学少女)※濃厚腐要素注意な初読感想:前編/後編
先行掲載されていた書きおろしコラボ。明久の国語力に将来の不安を抱いた遠子と心葉が文月学園を訪れたら、何故か殺人事件(!?)が起きて…というお話。この小説の感想については初読時に腐女子日記の方で散々痛々しく語っているので省略。

とりあえずコノハちゃん可愛いよコノハちゃん。コノハには女装が似合うと常々思ってた!!井上先生ありがとうありがとうありがとう大事な事なので3回言いました!!あとがきでの野村先生のはしゃぎっぷりにはごっついシンパシーを覚えます。

「天栗浜のガーゴイル」(ガーゴイル×階段)
旅行先で階段部の面々と遭遇した双葉が階段部の活動に興味を抱き、飛び入りで幸宏と階段レースをすることになるお話。

はっちゃけ率激高いコラボ群の中では割と正統派な短編。双葉をただの小学生だとナメてたら持ち前の運動神経とガーゴイルのサポートもあってかなりいいところまで追い詰められて…階段の爽やかスポ魂青春コメディと吉永さん家?のほのぼの具合が良い具合にマッチして、普通に面白かったです。筋肉部に筋肉を讃えられてドン引きする双葉が可愛い。それにしてもガーゴイルはどんどん妙な部分で器用になっていく…。

個人的にはガーゴイルのコラボはもう1個くらい見たかった気がします。というかガーゴイルに文月学園に乱入してもらって、卑怯な戦術をかますF組の面々に鉄拳制裁しまくる展開が見たかった。次の機会があったら是非そんな感じで……ってガーゴイル完結したからもう無理かな。

「バカと階段と召喚獣」(階段×バカテス)
文月学園が外部向けに行った召喚獣お披露目イベントの話を聞いた階段部が準備中のイベント会場に乗り込んで明久達と召喚獣で階段勝負をするお話。

序盤、かなり雰囲気の違う文月学園一同に違和感感じてもにょもにょしてしまってたのですが、だんだん読んでるうちに話に引き込まれて多少の違いは気にならなくなってしまいました。とりあえず、普段以上にバカ&ドジ5倍増しな明久や、所構わず足を引っ張り合いまくりな悪友コンビにニヤニヤが止まらない。

それより何より秀吉×雄二はじまりすぎた!!!すげえ、櫂末版秀吉最強じゃね!?ただ役になりきっただけとは到底思えない妖艶腹黒オーラに噴いた。雄二がツンデレなのは激しく同意!!「これの秀吉もう全然ちげー!」「でもこれはこれでイイ!!!」と脳内テンションMAXでした。

そしてこの作品の「あとがき」の破壊力は異常。もはや素で漫才の領域。櫂末先生が雄二、井上先生が明久に見えました。そういう幻視をしました。ごめんなさい。すいません。

一つだけ残念だったのは、この短編のみ文中挿絵がなかった事かなあ…甘福さんはこの後の文学少女×階段コラボでも挿絵を担当されているので負担が大きかった事は確かですが、唯一の表紙絵もメインは階段キャラでバカテス側は秀吉の召喚獣だけ。バカテスファンとしてはちょっと物足りなかったです。ううっ、甘福さんのイラスト好きなので楽しみにしてたのになぁ…

「"文学少女"とやってきた走者」(文学少女×階段)
他高校との交換入部で階段部に体験入部した心葉と、文芸部に体験入部した幸宏の一週間のお話。書きおろし。

普通に爽やか熱血青春スポ魂モノになっていて、純粋に楽しめました。なんだかんだと文芸部に馴染んでしまって平和な日々を謳歌するものの、どこか物足りなさを感じる幸宏と、典型的な文化系で階段部にちっとも馴染めず階段レースのタイムも上がらず疎外感を感じるばかりの心葉の姿が対照的。そんな2人の鬱屈を吹き飛ばすような最後の2日間での先輩達の行動に胸が熱くなりました。そして何気にLOVEもあるよ!!


一応全作品読んだ事があるというのは大きかったですが、どれも良い具合に各作品の雰囲気が融合していてとても面白い短編集でした。こういう企画は他のレーベルではやってないと思うので、今後も是非続けて欲しいです。やはり読んでない作品とのコラボはなかなか手を出し辛いものがあるとおもうので敷居は高そうだけど…

記事への反応
なにかあれば
  • わかる (0)
  • 面白かった (0)
  • 興味が湧いた (0)
  • 持ってる (0)
  • 買いました! (0)
  • ぱちぱちー (0)

馬鹿は一人でたくさんだ! 魔術士オーフェン無謀編2

[著]秋田 禎信 [絵]草河 遊也

地人の兄弟やマギーに翻弄され、ちっとも身入りのないオーフェン。遂に正真正銘一文無しになってしまった彼は、自らの生活の為、貸し金の取立てに向かうのだったが…!?
  個人的お気に入り度数
金貸し魔術士のオーフェンが周囲の愉快な人々に翻弄されるハチャメチャな日々を描いた短編集シリーズ第二弾。

なんか読んでるうちに、不幸っぷり炸裂なオーフェンの姿が可愛く思えてきた。なんだろうこの典型的な「振り回され属性」。金貸しの仕事が上手く行かず、生活の困窮っぷりも洒落にならないレベルになって来ました。後半になると最早借金の取立てを諦め、街頭で恐喝(本人的には『靴磨き』)を始めてしまったり、プライドも何処吹く風状態。微笑ましすぎる……というか、この人ヘタに頭使って金貸しやるよりも適当に賞金稼ぎか何かやった方が性にあってるんじゃないだろうかと思うんだけど。きっとオーフェン、短編集の後半では主食が塩水になるに違いない。

そして相変わらずキリランシェロが可愛いです。アザリー・テッシの女傑コンビに振り回されるキリランシェロの姿がとてもいとおしく思えました。あー、でも、この頃から彼の「振り回され属性」は確立してたんだなぁ…(しみじみ)

記事への反応
なにかあれば
  • わかる (0)
  • 面白かった (0)
  • 興味が湧いた (0)
  • 持ってる (0)
  • 買いました! (0)
  • ぱちぱちー (0)

さよならトロイメライ

 

普通の学校で普通の高校生生活を送っていた藤倉当麻の前に突然現れた美少女転校生・巫城都。彼女の手で意識を奪われ拉致同然の状態で連れてこられたのは、何故か全寮制の私立御城学園だった!?しかも<トップ3>とやらに選ばれてしまい、<パートナー>の少女に付きまとわれ、嫌々ながら新しい学園での生活を始めた当麻だったが…

これって推理モノだったんだ!?(お前富士ミスをなんだと)いや、ぶっちゃけ、富士ミスお得意のL・O・V・E寄せ系青春ラブコメだとばかり…。そんなわけで、学園内で起きた殺人事件に主人公が立ち向かうというお話です。殺人事件が起きたときに頭を殴打されたような感覚を受けましたすいません。

うむむ、つまらなくはなかったけど主人公の独白にクセがありすぎて、ちょっと読みづらかった。とにかく主人公の思考タレ流しな一人称なのですが、脱線するわ回りくどいわセルフツッコミ入れすぎだわでなかなか本線が掴めない。序盤の1?2章くらいまでは「な、なんだこの文章はww」と新鮮さにニヤニヤしながら読めたんだけど、この一人称で推理とかやられた日にはもう…!!そういえば、ハルヒを初めて読んだときも同じような感覚だったなあ…この感覚がクセになるという日が私にも来るのでしょうか。

元々ミステリーの中でも推理モノは長らくご無沙汰していたので(というか、元々あまり推理がメインの話って得意ではない。かつてミステリーばかり読み漁った自分は何処にいったんだろう…)推理部分が正直とても辛かったです。この作品の推理が面白くないというより、これはもう自分自身の嗜好の問題で。しかも一生懸命当麻の推理についていこうとしたらそういうオチかよっ!!!オチのしょんぼり具合が半端じゃありません。ひどいや絶望したっ!!やっぱり富士ミスは富士ミスだったんだ!!

読みづらいけどクセのある主人公の独白は結構興味を引かれるものがあるし、キャラクター達もちょっと不思議要素混ざってそうな物語も結構素材としては興味を引かれる…んだけど、ツボに来そうでハマりきれなかった部分が強かったです。終盤の当麻のがんばりっぷりは見事だったのですが、これがまた結構後ろ向きになって全力疾走ルパンダイブ!!ただし10歩先は断崖絶壁みたいな!という感じなのであれえー?という感じで。お嬢様の…あれはなんと表現すればいいのか…さりげないデレっぷりはとてもよかったですが。

個人的には阿久沢がとても気になるので、とりあえず続きも読んでみる。

記事への反応
なにかあれば
  • わかる (0)
  • 面白かった (0)
  • 興味が湧いた (0)
  • 持ってる (0)
  • 買いました! (0)
  • ぱちぱちー (0)

神様のメモ帳

 

「ただの探偵じゃない。ニート探偵だ。世界を検索し死者の言葉を見つけ出す」路地裏に吹き溜まるニートたちを統べる“ニート探偵”アリスはそう言った。高校一年の冬に僕と同級生の彩夏を巻き込んだ怪事件、都市を蝕む凶悪ドラッグ“エンジェル・フィックス”―すべての謎は、部屋にひきこもる少女探偵アリスの手によって解体されていく。「真実はきみの平穏を破壊する可能性がある。それでも知りたいかい?」僕の答えに、普段は不真面目なニートたちが事件解決へと動き出す!情けなくておかしくて、ほんの少し切ない青春を描くニートティーン・ストーリー。 (「BOOK」データベースより)

ニート予備軍の主人公と、ニートな若者達、そして"ニート探偵"を自称する少女探偵・アリスが怪しげな麻薬転売組織に立ち向かうというミステリー。

「ばけらの!」「ピアノソナタ」しか杉井光作品を知らなかったので、青春全開でちょっといい話的なミステリーを想像してたら予想を遙かに超えて欝で病んでて重い展開の目白押しでびっくりしました。こう、なんというかアリスはミステリー部分担当で、メインとしてはやはり鳴海と彩夏の甘酸っぱくもどかしい恋模様を描くものだとばかり!!騙された?(いえ、こういうのも私大好きですけど!)

彩夏やニート達との交流によって少しずつ他人と触れ合う事を覚えていった鳴海。ところが彩夏が……となって、再び自分の殻に引きこもり、周囲の働きでなんとか立ち直って事件に立ち向かっていく…という展開が凄く良かったです。ラーメン屋の女主人の言葉を介さない励ましとか、クラスメイトたちのさりげない心遣いとかに、何度もホロリとさせられました。しかし、最初「前向きに立ち向かっていく」と書こうとしましたがちっとも前向きじゃないですよね。どちらかというと「なんとか持ち直して後ろ向いたまま全力ダッシュ」というのが正しいような。

ニートな仲間達のスペックが高すぎて「これ間違いなくNEETじゃねええーーー!」とか思っていたのですが、彼らがニートをやってる理由を聞いたらうっかり納得してしまった自分が居る。…うん、マジで「普通に仕事できる」って一種の才能だと思うんだ…私正直、一般職とか事務職で正社員でそれなりにちゃんと働けてる人、超尊敬します。私仕事中、ぶっちゃけ息抜きできないと生きていけない…。

しかしなんか、後半の超能力というか異能っぽい設定?はちょい唐突だったような…?アリスの正体といい謎のドラッグといい、何らかの不思議要素がありそうな伏線が張られている気がしますが、それなくても物語として成立したんじゃないかという気がしたり。それまでの人間描写みたいなのが気に入っていただけにちょっとラストだけ煙に巻かれてしまったような感覚がちょっとあって、そこが残念でした。

でも普通に面白かったので続きが楽しみです。

記事への反応
なにかあれば
  • わかる (0)
  • 面白かった (0)
  • 興味が湧いた (0)
  • 持ってる (0)
  • 買いました! (0)
  • ぱちぱちー (0)

さよならピアノソナタ3

[著]杉井 光 [絵]植田 亮

夏の合宿・ライブも終え、二学期に突入したナオ達の学校は合唱コンクール、体育祭、文化祭とイベントだらけ。哲郎から貰ったエビチリのコンサートのチケットを巡って何故か真冬と千晶と神楽坂先輩が火花を散らし、合唱コンクールの勝者と2人でコンサートを観に行くことになったナオだったが…!?
   個人的お気に入り度数
ユーリ可愛いよユーリ!!!
とりあえずこれに尽きます。ナオのライバル的なポジションのキャラクターなのですが、あっけらかんとした爽やかで人懐こいライバル具合も、割とノリノリで女装してしまう性格もかなりドツボでしたよ!今回はナオがかなりうじうじ思い悩む描写が多かったのですが、ナオとユーリの勝負になると一気に場の雰囲気が爽やかになってしまうのが印象的でした。それぞれの立場から様々な形で勝負していく2人の姿が中々面白くて、是非とも彼はレギュラーキャラ化してほしいなあと思う次第です。いえ、女装美少年というポイントは置いておいても。

今回はナオが手に入れたコンサートのペアチケットを巡った合唱コンクール、2回目のライヴとなった文化祭とそれに向けての体育祭と美味しいイベント盛りだくさん。一方、私生活の方でも天才バイオリニスト・ユーリとの対決があったり、真冬がピアニスト復帰への道を模索しだしたり…と、考えるとかなり急展開のお話だったかも。超鈍感なナオも周囲に尻を叩かれまくりながら、少しだけ真冬との進展を果たします。しかし、真冬はあれだけツンツンした態度でクール系っぽく見せかけて、もう本能的にダダ漏れてるデレっぷりが可愛くてしょうがないな!特に、彼女がピアニストに復帰しようと思った経緯や理由には思わずニヤニヤせざるをえない。読者(…や、恐らくそれ以外の登場人物達)には結構序盤でその理由がなんとなく推測ついてしまうのに、勘違いしているナオがとてももどかしい。いや、でも自分の気持ちを遂に少しずつ自覚してくれたのは嬉しい限りでした。

しかし、惜しい点といえば…ここまできたらナオを文化祭のライヴで女装させるべきだったのに!
いや、執事も悪くないけどさぁ……悪くないけどさ!!

余談ですが、合唱コンクールで神楽坂先輩が歌った「あの曲」は普通に元ネタ映画で聞いたことがある曲だったので、超反応しつつ読んでました。「天使にラブソングを」は私が唯一DVDを持ってる洋画であります。偽装シスターでクラブ歌手・デロリスの破天荒ぶりに毒されて、だんだん朱に染まってしまうシスター達が最高なのです。敬虔なシスターさんたちがデロリスの歌唱指導の下ノリノリでロックな聖歌を歌い始めたり、ベガスに渡る為のヘリを調達する為ヘリの運転手を全力で拝み倒すシーンとか、神だと思う。

いやもう、あの曲のデロリスパートを神楽坂先輩が歌ってるって考えるだけで心がときめいた!!またあの映画のDVD見よう。
天使にラブ・ソングを…天使にラブ・ソングを…ウーピー・ゴールドバーグ, マギー・スミス, キャシー・ナジミー, ハーベイ・カイテル, エミール・アルドリーノ

ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント 2005-12-07
売り上げランキング : 2460

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

記事への反応
なにかあれば
  • わかる (0)
  • 面白かった (0)
  • 興味が湧いた (0)
  • 持ってる (0)
  • 買いました! (0)
  • ぱちぱちー (0)

さよならピアノソナタ2

[著]杉井 光 [絵]植田 亮

めでたく真冬が民音に入部し、バンドが本格始動し始めたある日、神楽坂先輩が突然海での合宿の話とライブの日程を持ってきた。突然の話に驚きながらもなんだかんだと合宿に行く計画を整えていくナオ達だが、真冬の様子がおかしい。父親の反対もあるようだけどどうもそれだけではないようで…
   個人的お気に入り度数
元・天才ピアニスト少女と音楽評論家の高校生の恋愛や青春を描くシリーズ第二弾。

とりあえず今回の敢闘賞は間違いなくエビチリ。
ちょっと過保護親気味なことは前回ラストからもうかがえましたが、ここまで典型的な親バカだともう笑うしかない。直接的な出番は最初のご訪問シーンとラストのお出迎えしかないのに、何でこの人はこんなに存在感が強いんだ!!真冬の動向を心配しまくったり、ナオにあらぬ疑いをかけたり、携帯を持たせて自分専用の着信音を設定したり……とツッコミ所満載の父親具合に大爆笑。なんつーいい父親だ…!

そしてやはり今回のキモは神楽坂先輩!1巻から高校生離れしたオトコマエっぷりが光る人でしたが、予想以上に重い過去…というか凄い戦績(違)を持つ人で。ナオにおもわせぶりな発言をしたり、弱い部分をさらけ出したり…と彼女の魅力が満タンにつまった話でした。

千晶と真冬もそれぞれが良い味を出していて、明確に表には出してないけどバレバレなナオへの恋心にニヤニヤしてました。特に真冬がナオの呼び方に拘ったりする場面では思わず「ツンデレツンデレ!!」と叫びそうになったり。千晶は典型的な体育会系というか、サッパリとしたいい人でその分真冬に遅れを取ってしまっている部分があるけど、随所で覗かせるナオへの恋心にきゅんとなります。しかし、これだけロコツに好意を向けられて1ミリもそれに気付いてないナオは鈍感というかなんと言うか……ああ、もどかしい。

記事への反応
なにかあれば
  • わかる (0)
  • 面白かった (0)
  • 興味が湧いた (0)
  • 持ってる (0)
  • 買いました! (0)
  • ぱちぱちー (0)