ページ 140 | 今日もだらだら、読書日記。

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吉永さん家のガーゴイル3

[著]田口 仙年堂 [絵]日向 悠二

兎轉舎の店主・高原イヨに頼まれて彼女の新発明・『植物と話す事ができるヘルメット』の実験台にされてしまった双葉。ところがアクシデントが起き、ヘルメットが取れなくなってしまう。嫌々ながらその格好で暫く生活を送る事になったのだが、何故かイヨやガーゴイルは「あまり装置を使わないように」と忠告してきて…
   個人的お気に入り度数
吉永さんと愉快なご近所さんたちが織り成す、ホームコメディ第三弾。植物と一時的に意思疎通が出来るようになった双葉が、黄色い彼岸花のハナ子と“友達”になるというお話。

男勝りで乱暴者、だけど根は心優しい双葉が何度先生に諭されても実感できなかった「植物にも命がある」という事実を思いも寄らぬ形で実感していくのが面白かったです。イヤイヤながらも彼らの声に耳を貸さずに居られない双葉が感化されていく姿が微笑ましいです。

しかし、人間として生活していく以上植物一本一本に人間性を認めていたら生きてはいけない……というのが、「現実」として双葉とハナ子との友情の前に立ちふさがる姿がとても切ない。最初はイマイチどういう意味かわかりかねる部分があったのですが、兎轉舎でのイヨとの会話や校庭でのヒッシャム達との戦いでの双葉の反応を読んで、どういう意味かを痛いほど思い知らされる。そんな辛い戦いの中、双葉の為に敢然と立ち上がるガーゴイルと和巳の姿がとてもかっこよかった。特に、近頃ツッコミ役としての立ち居地を確立し始めてるとはいえ、どうしても双葉と比べるとなよなよした部分ばかり見せている和巳の活躍には胸が熱くなりました。

ラストは少し物悲しい展開になってしまいましたが、植物の生命の重さを知って一つ大きな成長を遂げた双葉の姿にまた胸がジーンとなりました。

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電撃文庫ソートとラノベ作家140人ソートやってみた

電撃文庫2008年上半期発売シリーズソートやってみた。結果15位まで。

1 ダブルブリッド
2 とらドラ!
3 とある魔術の禁書目録
4 モーフィアスの教室
4 吸血鬼のひめごと
4 断章のグリム
7 モーフィアスの教室
8 タザリア王国物語
8 嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん
10 ツァラトゥストラへの階段
11 MAMA
12 しにがみのバラッド。
13 ブギーポップシリーズ
13 狼と香辛料
15 灼眼のシャナ
15 アスラクライン

67作品中アスラクライン以下、全部1巻で切ったか未読シリーズだったよ……トップ15圏内に「みーまー」「ブギポ」「香辛料」「シャナ」と既に切ったシリーズがはいっちゃってるし。最近の自分の電撃文庫離れが露骨に現れた結果になりました。他所の感想サイトさんが悲鳴を上げてる月でも最近は1?2冊しか購入シリーズがない。

対象シリーズが少ないのと、それ以上に知ってるシリーズが殆どないので簡単に答えられたのですがやはり電撃と言うと「終わりのクロニクル」とか「Missing」とか「ナインエス」「キノの旅」あたりが入ってないのは寂しいかも。個人的には新人を削って、その分対象期間を広げてほしかったですね。2巻以上でたシリーズを対称にするとか…(でもそうするとファンが多そうな紅玉いづきさんなんかは除外になっちゃうのか。)

……と呟いてたらStellaさんが光速で電撃80シリーズソートを作ってくださいました。仕事速い!仕事速いです!!
というわけでこちらも結果晒し。25位まで。

1 ダブルブリッド
2 終わりのクロニクル
3 Missing
4 レジンキャストミルク
5 断章のグリム
5 レベリオン
7 とらドラ!
8 とある魔術の禁書目録
9 都市シリーズ
9 ルナティック・ムーン
11 図書館戦争シリーズ
12 9S
13 アリソン
13 タザリア王国物語
15 キノの旅
16 吸血鬼のおしごと
17 半分の月がのぼる空
18 バッカーノ!
18 リリアとトレイズ
20 しにがみのバラッド。
20 ブギーポップシリーズ
22 キーリ
22 灼眼のシャナ
24 嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん
25 狼と香辛料

レベリオンとグリムがちょい高すぎるよーな気がするのですが、あとはとても順当な結果に。ベスト3は私の電撃文庫シリーズ中ではかなり鉄壁。タザリアと半月の続き読まなきゃなぁ…。

ついでにラノベ作家140人ソートの結果も。別ブログの方でやったものの転載。
こちらは30位まで。


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吸血鬼のひめごと 3 The Secret of the Wish

[著]鈴木 鈴 [絵]片瀬 優

舞とレレナと月島亮史がかつて湯ヶ崎で送った暖かで平和な暮らしを取り戻す為、レレナを手に入れようとする舞。彼女はレレナを取り戻す為に彼女の周囲の“日常”を壊すと宣言した。一方、貪の力で再現されたツキシマは、彼自身と朧の命を天秤にかけた『ゲーム』を持ちかけてくる。「舞」と「ツキシマ」の存在に自らの思い出が穢されたように感じる一方で、もう誰も傷つけたくないと思うレレナが下した決断とは…!?
   個人的お気に入り度数
新たな日常を手に入れたレレナが、かつての日常と対決する事になる「ひめごと」シリーズ(一応)完結編。なんていうか吸血鬼のおしごと最終巻を読んだ際に残った様々なわだかまりを綺麗に解消してくれる、シリーズ完結編でした。「おしごと」完結から約4年、漸く本当に見たかったエンディングが見れたといったところでしょうか。何も出来ないまま月島や舞に“置いていかれた”レレナが、本当の意味で彼らの死に向き合い、苦悶の末でそれらに背を向け、新たな仲間たちと共に歩き出す物語です。

個人的にはエピローグがやや尻切れトンボ気味に感じた事、前シリーズと比べてしまうと味方キャラの生き残り方がちょっぴりご都合展開入ってるのと、明らかにおかしいレベルで大活躍のたまさんが、正体明かした割りに何の伏線回収にもなってない気がするのがとても気になるのですが、とにかく過去を吹っ切れたレレナが自らの手で護りきった日常の中に回帰していく姿を見れただけで大満足です。本当にありがとうございました。というかもうとりあえず前シリーズ読んでると、全滅エンドにならなかっただけでも星5つつけてしまう…。

ただ、たまについては是非ともスピンオフでもう一度焦点を当ててほしいなあと思った。青磁への愛情だけでは説明できないなんか不思議パワーが働いていたとしか思えませんあの活躍っぷり。単に作者が好きすぎて補正入りまくっただけっていうオチじゃないですよね!?

「おしごと」シリーズのラストに納得がいかなかった人には是非とも読んでほしいシリーズ。
ただ、正直前作シリーズで悶々とした状態で4年近く放置された経験こそがこのエンディングのラストの評価を無条件に上げている事は否定できない。「ダブルブリッド完結」以上にこのシリーズが補完されるのは絶望的だと思ってたからなあ……。

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MOTHER2 ギーグの逆襲

[著]久美 沙織

普通の少年・ネスが暮らす田舎町オネットに隕石が落下した。隣の家に住む乱暴者のポーキーに無理やり連れられて隕石の落下現場に行く羽目になったネスは未来から来たというカブトムシ・ブンブーンに地球の危機と自らの使命を聞かされる。世界を救うため、旅に出たネスだったが…
   個人的お気に入り度数
スーパーファミコンの名作RPG「MOTHER2」のノベライズ。祝・仮予約受付中?ということで、復刊支援と称して数年ぶりの再読。こちらは原作ゲームの方もやばいくらいやりこんだゲームなので、私にとっては1よりも思い入れの強い作品だったり。表題の通り、ヒロイン・アナの視点から「母親」の強さとかに重点を置いた「MOTHER」ノベライズと違い、こちらは主人公・ネスの視点から男の子達の冒険を描きます。

原作ゲームとの一番大きな違いはポーキーの扱い、ジェフに兄が居て両足義足という設定のあたりでしょうか。トニーが自らホモなことを思いっきりカミングアウトしてたり(笑)ネスの父親が借金苦だけど社長だとか、プーが現人神(クマリ)という設定もありましたが。しかし大幅に基本設定の変更がある割には作品自体は上手い事原作ゲームの雰囲気を踏襲していたように思えます。ゲームとしてのやりこみ度が全然違うのでなんともいえませんが、「MOTHER」の方は結構露骨にベツモノっぽい印象を受けたのですけど…。原作にある、敵との実力差が歴然としてくるとオートモードで戦闘が終了するシステムを文章で表現したのは面白かったですね。あと、ちょっとおしゃまなポーラが可愛いのなんの。あの手この手で男の子やオトナ達を篭絡する姿と、「女って」「怖い」と呟くネス&ジェフの姿にとてもニヤニヤします。

ちなみに私はフォーサイドのバーガー騒ぎの話が一番好きだったり。ネスがかっこいいというのもあるんだけど、何よりあのハンバーガーが美味しそうで美味しそうで!ネスパパの作ったハンバーガーを一度でいいので食べたみたいです。というかこの小説を読むと必ず直後にハンバーガー屋に足を向けてしまう。

そんなこんなで様々な魅力はありますが、物語はやはりネスとポーキーの友情がメイン。かつてはそれなりに仲の良い幼馴染だった二人が些細な事件をきっかけに道を別つことになり、いつしか運命は二人を世界を背負った対決へと導いていく……というお話です。原作ゲームのマジカントで、僅かにポーキーがネスに対して本音を漏らす場面がありますが、その辺を膨らませた感じですね。結末も大幅に変更されており、あとがきの通りまさに“MOTHERがBROTHERになってしまいました。”な展開になってます。

小説版でポーキーの様々な本音や、態度とは裏返しな寂しがり屋の一面を知ってしまうともう、ポーキー憎めないません。MOTHER3のラストのポーキーの扱いが酷い事になってて本気で哀しかった私。というかMOTHER3はポーキーのネスに対する執着が様々な所で透けて見えて、プレイしながらポーキーの心情を思い遣ると寂しくなる。MOTHERというよりも明らかにBROTHERな展開といい、MOTHER3の欝展開は微妙に久美テイスト入ってると思うのは私だけですか

そんなわけで、久美さんのMOTHER3のノベライズが読みたいなぁ。
ゲームだけでは見えてこないポーキーの心情を是非とも描写してほしい。

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ラノベ絵師130人ソートを作ってみた

ラノベ作家140人ソート」に触発されて、ラノベ絵師130人ソート作ってみた。

このラノ2008のランキング「イラストレーター部門」に掲載されている作家+イラストレーター別作品リストの作家から少女小説関係の人だけ抜きました。(そっちまでカバーすると大変な人数になりそうなので……少女小説側も誰か作ってください☆(他力本願))
あんまり多いと時間がかかって大変かと思っての措置だったんだけど正直130人でも十分きついですね!!というか絵師の名前からラノベの作品名が結びついていない場合が予想以上に多くて、物凄い大変でした……。

【7/6追記】
「絵師名から担当作品が出てきません!」という意見がとても多かったので、
絵師名←→担当ラノベ作品の大雑把な対応表及び絵師名の下に担当作品の表示される低難易度バージョン作成しました。よかったらご参考にどうぞー。
基本的に自分のサイトの一覧からデータを出してるので、あまり参考にはならないかもしれませんが。


ちなみにテストでやったときの私の結果はこちら(30位まで)↓
1 原田たけひと(たけひと)
2 椋本夏夜
2 四季童子
4 さとやす(TENKEY)
5 近衛乙嗣
6 あずみ冬留
7 いとうのいぢ
8 えれっと
9 葉賀ユイ
10 黒星紅白(飯塚武史)
11 純珪一
11 武内崇
13 竹岡美穂
14 灰村キヨタカ(はいむらきよたか)
15 結賀さとる
15 るろお
17 山本ヤマト
18 藤原々々
19 山本ケイジ(超肉)
20 倉藤倖
20 佐々木あかね
22 白身魚
23 東条さかな
24 あらいずみるい
24 G・むにょ
26 2C=がろあ?
26 藤倉和音
26 ヤス
29 深遊
30 翠川しん

ちなみにラノベ作家140ソートはこんなカンジでした。順当すぎて噴いた。

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MOTHER The Original Story

[著]久美 沙織

北端にあるスノーマンの町で小さな教会で両親とささやかでも幸せな暮らしを送っていたアナ。しかし、母親が他の町に出かけたまま行方不明になってしまう。彼女の安否を心配する一方、アナは自らの超能力によって世界の危機と、いずれ仲間になるであろう少年達の事を毎晩夢で見るようになって……
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超能力少女・アナの視点から3人の少年少女が出会い、ギーグを倒すことになるまでを描く、ファミコンで発売された人気RPG「MOTHER」のノベライズ。祝・復刊在庫復活!!ということで数年ぶりに再読。しかし復刊版の価格めちゃくちゃ高いな……

「ドラクエ」ノベライズの久美沙織ということで、知ってる方も多いかもしれませんがこちらの作品もふんだんにオリジナル要素が追加されています。アナのPSIのコントロールが不安定だったり、イヴの製作者が違う人になっていたり、オリジナルキャラクターが登場したり。結末も原作とは違うものになってます。キャラクターの差異については原作自体がどちらかというとキャラクター性を低くしている部分があると思うので(特に主人公)、キャラクターに重点を置いたノベライズ版では原作から追加された部分があっても許容範囲かな?と思いますが、ストーリーの本筋が結構変えられているので、苦手な人は合わないかも。サブタイトルにあるとおりの「オリジナルストーリー」です。逆に私は1回しかプレイしていない原作「MOTHER」よりこっちのイメージの方が強かったりしますw

ケン・ロイド・アナ3人のワクワクするような冒険を描く一方で、なかなか複雑な三人の恋愛関係も描かれていたり。ケンもアナもかなりのツンデレなので素直になれない二人の様子が微笑ましいと言うかかわいいと言うか。特にツンデレなケンの態度にはいちいちニヤニヤしてしまいます。

しかし、もどかしくも甘酸っぱい二人の関係が素敵なだけに、ホーリーローリーマウンテンでの謎のラブシーンはいろいろな意味で衝撃だったり…というかギーグの基地での「おかあさん」たちとアナのやりとりといい、この二人の謎のラブシーンといい、なんというか精神的なグロ描写……といえばいいのか、兎に角そんな描写が上手い。それは続編となる「2」でも存分に生かされてきますが。他にも色々印象深かったシーンはあるのですが、何よりもインパクトあるのはやはりこの2シーンだなあ。

余談ですが、GBAでリメイクされたゲーム版をプレイして一番衝撃的だったのは、小説版では結構役立たずイメージ強かったイヴが鬼強かったことと、アナのPSI最凶すぎだった事でした。というか、PKファイヤーΩ最強すぎだろ常考。アナをレベル34まで強引にでも育ててしまえば、雑魚はもう全く怖くないと言うそんな世界観に絶望した!!!小説版での最強っぷりはまだ抑えてた方だったんですね!

原作とは大分かけ離れた物語なので人は選びますが、文句なしの名作。
原作との差異が気にならないと言う人は、この機会に是非どうぞ。



…ところで、エピローグを数年ぶりに読み返したら、一瞬アナ妊娠エンド、という言葉が浮かんだんだけどこれってきのせい?

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吉永さん家のガーゴイル2

[著]田口 仙年堂 [絵]日向 悠二

数ヶ月ぶりに現れた怪盗・百色はテレビを通して宣言する。「私にとって、門番などハリボテと同じようなものだ」。…この台詞に最強の門番として対抗意識を燃やすガーゴイル。一方、依頼を受けてとある研究所の研究データを盗みに来た百色は、「超能力者」を名乗る少女・梨々とであって…
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不思議生物・ガーゴイルと吉永家のみなさんとそのご近所さんが繰り広げるホームコメディシリーズ第二弾。吉永家とご近所のみなさんの出番が少なめなのがちょっぴり残念な感じですが、今回は怪盗・百色と何故かそんな怪盗になついてしまった超能力少女のハートフルな触れ合いが描かれます。

1巻から変わらず、小市民的な感覚が光ります。特にやたらと気遣い満載の怪盗百色とガーゴイルの対決が素敵すぎ。「ご近所の味方」ガーゴイルと「怪盗紳士」な百色の息ピッタリなタッグの姿に緑茶噴いた。そしてガーくんの方も吉永家の門番としてますます小市民的な方向で精進しています。ビームで洗濯物取り込んだり、癒しビーム出したり。…うん、確かに間違っては居ない。間違っては居ないが…!!!

そんな怪盗百色が超能力を持つと言う少女を研究所から連れ出してしまい…最初は嫌々だった百色がだんだん吉永家の皆さんに感化されたりしつつ最終的には梨々を護る為に戦う、という姿に胸が熱くなりました。そして最後のシーンでまた頬が緩む。血は繋がっていないけれどそれ以上に強い絆で結ばれた2人(+α)の姿がとてもよかったです。ていうかデュラハンかわいいよデュラハン。最後に出てきたキャラクターステータス(?)に胸がキュンとした!!

…しかし、個人的には挿絵の使い方だけはもうちょっとなんとかしてほしかったかも…文中の余白に、半端にキャラのカットとか載せなくていいからちゃんと1P使った挿絵をもっと入れてほしかった。あのイラストの使い方は猛烈に萎えるなあ…。

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吉永さん家のガーゴイル

[著]田口 仙年堂 [絵]日向 悠二

商店街の残り物ばかりを集めた福引で、アンティーク店の提供する3等賞を当てた吉永双葉。当たったのは犬の石像っぽく見える自称“門番”だった!?ゲームで見たモンスターの名前から「ガーゴイル」と名づけたソレのやたらと偉そうな態度に始めは反発していた双葉だけど、だんだん吉永家の一員として馴染んでいって…
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今月最終巻が出るよ!というときに今更手を付けてみたよ!不思議生物のガーゴイルこと「ガーくん」とちょっと変わったフツーの人々が繰り広げる下町人情系ホームコメディ。

なんかもう、頭を空っぽにしてのんびり読める作品の雰囲気が良いですね。最近小難しい作風のラノベが増えましたが、これは正しい意味で“ライト”ノベルでした。ガーくん回りは色々と不思議的な設定がありそうだけど、基本的にはご町内の中で収まってしまう物語の「小ささ」が逆に心地良いというか、そんな不思議設定が違和感無く馴染んでしまう「狭い」ご近所の懐の「広さ」が素敵でした。

色々と常識の規格外な存在であるガーくんが、紆余曲折ありながら少しずつ吉永家及びご町内の皆さんと仲良くなっていく姿に、自然に頬が緩んでしまう。最初ガーくんに勘違いされて追い払われて怖がってた新聞配達のお兄さんが、物語の後半ではガーくんに朝刊の内容を解説してあげてたりするの。一方ガーくんも最初は吉永家だけを機械的に護る事を考えていたのに、いつのまにか町内の正義の味方的な存在になっていく。もーなんか、ほんと読んでいてほのぼのしてしまうお話でした。なんていうか、読み終わったとき暖かい気持ちになれましたね。癒し系というか和み系。

気になる点というと、双葉と和巳の性別が中身と逆転しているのにイマイチ違和感感じたくらいかなぁ。喋り方もグラフィックもまんま女の子な和巳は普通に姉でよかったんじゃないかとか…基本的にまっすぐストレートなつくりの物語なのにそんなところだけ奇をてらわなくてもいいのになあ…とか思ってしまいました。男勝りな妹の方は中盤くらいで慣れたので、今回は兄貴が基本的に空気だったからそう思っただけかもしれないけど。性別不詳キャラスキーとしては、2巻以降のお兄ちゃんの活躍のこっそり期待。

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死神姫の再婚 薔薇園の時計公爵

[著]小野上 明夜 [絵]岸田 メル

突然、アズベルグの前領主・ディネロの所に結婚の挨拶をしにいく事をカシュヴァーンから言い渡されたアリシア。滞在中は普段仕事で忙しいカシュヴァーンと一緒に居られる、と素直に喜ぶアリシアだったがその裏では成り上がりのカシュヴァーンを亡き者にしようとする<翼の祈り>の陰謀が動き始めていて…?!
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天然ボケボケお姫様と暴君…と言われてはいるけど実は領民想いなツンデレ領主様の織り成すラブコメ第二弾。1巻を読んだとき程のインパクトはなかったものの、なんかもうキャラクターがみんな個性的で安心して楽しめるのが嬉しい。物語がどうのこうのというより、このキャラクターたちが動いて絡んでるというだけでニヤニヤしてしまう何かが。何かが。

初っ端からアリシアさんが前回自分が殺されそうになった毒を屋敷の人やカシュヴァーンに一服盛る事を、あくまで善意で考え始めたあたりからもう大爆笑。新キャラの時計伯爵・ディネロさん(こっちも天然)との要領を得ない会話にニヤニヤ。そして更にその二人の姿を見て嫉妬を隠し切れないカシュヴァーンをみてまたニヤニヤニヤ。電車の中で読むにはちょっぴりきつい書物でありました。

アリシアにたいする態度はその最たるものですが、カシュヴァーンの様々な部分におけるツンデレっぷりには始終ニヤニヤさせられっぱなしでした。税金を払わない貴族の納屋を焼き討ちにした件についての真意にいたっては、あまりに遠まわしな気遣いに笑いが止まらない。なんかもー、ほんと可愛いなあこの人は。

そんな二人とその周囲の人々にときめく一方、今回は1巻で後見人に裏切られた貴族の坊ちゃん・ティルナードに焦点が当たります。後見人に恵まれなかった彼が大きな後見人不信に陥りながらも、カシュヴァールに認めてもらいたくて仕方なくてついついツンツンデレデレしてしまう姿がとても微笑ましい。余裕のないカシュヴァールに愛称で呼ばれたときの反応とか、可愛すぎでしょう。そんな彼が今回、一つ大きな成長を遂げるわけですが……いや、ほんと最後の一言にグっときました。こういう可愛いおばかさんって大好きです、私。というかこれはノーラとのフラグが立ったと見て良いのだろうか。何気に似合いそうな気もするけど。

狙いすぎまでに「眼鏡キャラ」で「執事キャラ」なセイグラム氏も素敵。というか眼鏡とか執事なキャラは全然好みじゃないのに、うっかり何回かときめいてしまいましたよ!?ティルと併せて彼らの出番はひと段落?…という気がしなくもないですが、次巻以降も是非とも活躍して欲しいところです。ティル&セイグラムのコンビがもっと見たいとか思っている私が居る…。

しかし、セイグラム氏が大活躍するたびに、↓のマンガを思い出してしまったのは私だけじゃないよね!?
475751963X黒執事 1 (1) (Gファンタジーコミックス)枢 やな
スクウェア・エニックス 2007-02-27

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眞マ国より愛をこめて

[著]喬林 知 [絵]松本 テマリ

危険を顧みず、“箱”の力を使って異世界へのトリップを敢行しようとする村田。ところが途中で他の力に介入され、見知らぬ…しかし、彼の魂が知っている男・眞王の魂の元に引き寄せられてしまう。彼の口から語られる、眞王と大賢者の馴れ初めとは…!?
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短編集第五弾……というよりも、「聖砂国編」を中心にした本編補完話と言った方が正しいかも。初代魔王こと「眞王」と、その軍師であった「大賢者」の馴れ初めや有利と村田の馴れ初め話もかたられて、全体的にこれなんて村ユスペシャル?とりあえず村田好きは必見というカンジのお話です。

結構楽しめましたが聖砂国編の終盤がグダグダだったので相対的に面白く感じたという部分が大きいかも。いや、決してつまらなくは無いんですがそろそろコテコテに笑わせてくれる今までの「まるマシリーズ」に戻ってほしいなあ…というのが本音。それなのに今回の短編でもどんどん暗い方向に物語が進んでしまいそうな伏線が張られていって、正直ちょっと不安です。

あと、後書きで「15.5」と称された書きおろし「彼はまだ還らない」は、多少無理してでも本編“聖砂国編”のラスト・エピソードとして「故郷マ」に入れて欲しかったです。砂マ・故郷マのページ数や構成を調整すれば、出来なくはなかった筈だと考えると本当に残念。まあその前から兆候はあったとはいえ…某なんとかのファンブックじゃないけど、アニメ3期にあわせて「砂マ」を強引に出しちゃって後のテンポが狂いまくった感が否めないんだよなぁ。

新たな伏線も張られたことだし、本編次回作はまた面白い組み合わせでの冒険が期待できそうなので、そちらに期待したいと思います。良くも悪くも「つなぎ」の一冊でした。

まあ正直、何が一番不満なのかって「故郷マ」以降ヴォルフラムの出番が少なすぎて涙が止まらないわけですが。畜生畜生!!ラストのオトコマエなヴォルフが唯一の心の清涼剤でしたよ畜生!!!

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