[著]熊谷 雅人 [絵]えれっと なぜか“アスガルドの特派員”として働く事になってしまった空口真帆は永音先生の部屋の掃除をさせられて悪態を付きながらも、それなりに充実した日々を送っていた。そんな彼女のクラスにやってきた転校生がやってくる。日常的に、とにかく不幸な目に遭いまくりながらも微笑を崩さない彼女を「強い」と感じる真帆だったが、実は彼女には悪魔が憑いていて…!? |
個人的にはストーリー本線とは全く離れてしまうのですが、クラスメイトの大河内に対して徐々に遠慮が無くなっていく真帆の姿が実に素敵です。1巻の時点ではただの脇役だった大河内さんですが、ちょっとバカで小さなことは速攻忘れるという彼女の人格は内面真っ黒な真帆が遠慮なく黒い部分をさらけ出せる、良い友人になるのではないかと。
今回はとにかく不幸の星に生まれ、悪魔に取り憑かれてしまった転校生・宮脇の悪魔を祓う為、またもや真帆が奮闘します。本来その仕事を請け負うはずの永音先生はちっとも役に立たないし、悪魔に対抗するため神門と連れ立って行動しなきゃいけなくてまた誤解を生むし、それなのに他の人には事情を話せないし…でヤキモキする真帆の姿が微笑ましいです。しかし、神門との仲は地味に進展してるのに肝心の先輩との仲はちっとも進まないというのは読んでる方としてもヤキモキしますね。あと2冊でどう決着をつけるつもりなんだろう?まさかこのまま神門ルートなんてことは…(悶々)
一之瀬先輩といえば、遂に前回からちょくちょく影をちら付かせていた演劇部の敵こと生徒会長が遂に登場しました。これがまた典型的な悪役と言うカンジで……普段おっとりした一之瀬先輩が怒りを露にする姿がまた新鮮で。今後彼がどんな風に物語に絡んでくるのか実に楽しみだったりします。腐女子的にも二人の対決に期待!!(いえ、別に801萌え的な展開を期待しているわけではないですよ!?)
様々な紆余曲折はあったものの、最後には宮脇さんが目の前の不幸の中から小さな幸せをみつけて、「ラッキー」と言えるようになったことが一番嬉しかったです。読み終わって暖かい気持ちになれた1冊でした。続きも楽しみ。