[著]中村 恵里加 [絵]たけひと 殺されたアヤカシの事件を調査する為、浦木の依頼で元同僚のアヤカシ・帆村夏純とともに事件のあった京都にやってきた片倉優樹。捜査を続けるうち、犯人とおぼしきとある人物にたどり着くのだが…。一方EATの先輩から休暇を勧められ、実家のある神奈川に戻った山崎太一朗はかつて交際していた女性と出会って… |
今後、この物語の鍵となってくる“鬼斬り”が本格的に登場(いえ、ブツ自体は4巻から出てましたが…)する一方、優樹と太一朗は違うところでお互いの関係を見つめなおす事に。太一朗と同じ“アヤカシを愛してしまった”女性と出会いその愛の形に恐怖する優樹と、実家でかつての恋人と出会い、現在の自分の優樹に対する気持ちを再確認する太一朗。二人とも「いつかまた、以前のように接する事が出来ればいい」という望みは持ちながらも、やはりその気持ちはすれ違ったまま。
太一朗に殺されるという状況を考えたとき、“抵抗する自分の姿が思い浮かばない自分”が恐ろしかったという優樹はやはりなんだかんだいってこの時点では太一朗にかなり惹かれていたんだと思うんだけどなあ…。そもそも、“彼女”と太一朗を重ね合わせてしまうのはさすがに太一朗が可哀想に思えてしょうがなかったりするのですが……でも4巻の時点でも相当アレか。5巻の時点ではまだしも、後半の太一朗は最凶の男ヤンデレだからな!(言っちゃったー!)
個人的には、来栖と夏純のギクシャクしたやりとりが物語唯一の清涼剤でした。夏純に対してかなりツンデレデレな「くるさん」が超可愛い。さりげなく理由をつけて夏純に取って貰ったぬいぐるみを身に着けてるくるさんがマジ可愛い。ほんと、彼は5巻のみの登場となってしまったのがとっても残念です。
それにしても、ラストの戦闘シーンは最初読んだときかなりインパクトあった印象があるんだけど、今回読んだときにはイマイチたいしたことないように思えてしまったのはその後のもっと凄い展開に慣らされてしまったということなのか……