[著]中村 恵里加 [絵]たけひと 中国で生み出された人型兵器“ナタ零番”が作動テストの為、日本にやってきた。ところが、人間としての生活に適応させる為に行われたはずのテストの目的が、何者かの計略によって「大日本帝国陸軍施設の破壊」に変更されてしまう。暴走した“ナタ零番”は偶然、片倉優樹と出会い…… |
途中まで日本に上陸した“ナタ零番”こと超蒼と、彼の監視役である玄亮の視点を中心に物語が展開されるのも違和感を感じる原因の一つでした。良くも悪くも「ダブルブリッド番外編」という印象で。個人的には本当に短い、優樹と太一朗が二人で居ることの出来た時間の出来事なんだから、もうちょっと捜査六課側の視点があっても良かったと思ってみたり、みなかったり。
しかし、超蒼&玄亮コンビのトンチンカンなやりとりは何気に最高でした。玄亮が超蒼に表情を教えようとする一幕にはうっかり噴きました。一方、六課側では六課入り浸りになり始めた大田先生や食いしん坊な新キャラ・虎司と太一朗のやりとりがとっても素敵です。太一朗はツンデレ。
八牧氏はとにかく、残る六課メンバーである夏純との絡みは6課出向中にはないんですっけ?この時期に出会っていたら結構面白いコンビになりそうな予感がするので、出向中に出会えなかったのは実に残念だ…。八牧と太一朗はある意味キャラが被ってて同属嫌悪してそうな予感。
うーん、良くも悪くも読み終わってみるとやはり他の巻と比べると薄いというか、感想の出てこない話だ…。個人的には今回の見所はやはり虎司くんの破天荒ぶりでしょうか。読了した翌日に焼肉食べに行った位には素敵でした。
そして、エピローグの優樹と太一朗の場面は9巻までの内容を知ってから読むと、なんていうかほんとホロリとくる。これが二人がすごした、最初で最後(←ネタバレ)の「幸せな時間」の共有だったんだと思うと……もう。