ページ 176 | 今日もだらだら、読書日記。

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キノの旅X The beautiful world

[著]時雨沢 恵一 [絵]黒星 紅白

その国では毎朝“歌姫”と呼ばれる国民的人気歌手である少女の歌が放送されていた。珍しく彼女の歌を手放しに褒めるキノだったが、その国では“歌姫”を巡る一つの陰謀が持ち上がっていた。
長編「歌姫のいる国」と、その他の短編10編(?)を収録。そして今回の「あとがき」は…!
 

8巻収録の長編「船の国」以来、かなりマンネリ感が漂っていたというか、オタクウケ狙いまくりな部分が気になり敬遠しかけていた時雨沢作品(学園キノは素敵な具合に斜め45度上を行ってくれたので除外)ですが、今回は久しぶりに「キノ」らしい毒々しい感じが強くてよかったです。

特に「インタビューの国」「保護の国」では自分の国で平和に暮らしている人たちと、旅を続けていて現実的な視点で物を見ないといけないキノ達との考えの差異が露骨に出ていて、爆笑させてもらいました。表紙のキノたんも久しぶりにいい具合に中性的で自然なエロ可愛さ。これでこそ求めていた「キノ」だ!!(笑)

長編の「歌姫の国」はこれまでの長編と比べたら全然面白かったとは思うんですが、やはりキノの面白さは短編にありだとおもうので、こんなん入れるくらいならもう5編くらい短編収録してくれないかなあ…と思うのです。長編がつまらないわけでなく、短編には「キノ」でないと出せない味があると思うので。

そして基本的に他の作品の後書きは飛ばし読みなのにこの作品だけは「あとがき」を真っ先に探してしまう自分。今回もやらかしてくれました。ぶっちゃけ本編よりもあとがきに気合が入ってる気がするのは気のせいですか?(笑)

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彩雲国物語 黄金の約束

[著]雪乃 紗衣 [絵]由羅 カイリ

街に戻り、再び父親や静蘭と3人で慎ましやかな生活を送っていた秀麗の元に、臨時の外朝での下働きの依頼が舞い込む。聞けば、今年の猛暑で殆どの文官が倒れてしまい、特に戸部の人手不足が申告らしい。男装して侍童の姿になり戸部の臨時下働きを始めた秀麗だが、上司である戸部尚書は大変な変人で…。
 

様々な“贈物”や策を弄して、秀麗の気を引こうとする劉輝が微笑ましすぎて可愛い。しかもそれが殆ど空回りしちゃってるのがまた…!同時に呆れつつもちゃんとその贈物を大事に取っておく秀麗の行動もなんだか可愛らしいです。

叶わぬ夢と知りながら、それでも官吏になる為の努力は怠らない秀麗の姿に胸を打たれます。ひょっとしたら…というか絶対にこの努力が無駄になると悟りながら、それでも努力するのは止められない。ある程度手近な目標があっても中々動き出せない自分には眩しく映ります。本当に秀麗のキャラクターは見ていて気持ちが前向きになりますね。

その秀麗の夢を叶えさせる為に、そして自分の身近な存在になって貰う為に国試の女人試験を実現しようと奮闘する劉輝。ただ寂しいから一緒にいたいと思うだけ気持ちと、ほのかに芽生えた男として一人の女性を愛する気持ちの間で自覚は無いけど本能的に悩んでいるような姿が印象的でした。今後その溝をどうやって埋めていくのかが気になります。

新キャラクターの黄尚書や燕青も今後の秀麗に深く関わっていきそうなので楽しみ。個人的には紅オジサマ(笑)が非常にお気に入りです。あとラストにちょっとだけ出てくる「あの人」…は今後どういう風にストーリーに関わっていくのでしょうか。続編が楽しみ。

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とある魔術の禁書目録(インデックス) 11

[著]鎌池 和馬 [絵]灰村 キヨタカ

大覇星祭で行われた抽選会で、なんと1等の「イタリア旅行」を引き当てた上条当麻。不幸な星の下に生まれ、生涯「1等」なんてものに縁のないと思っていた自分が、何故…!?何かあるんじゃないだろうかと思いつつもいそいそとイタリアの地に降り立つ当麻とインデックスだったが、やっぱりイタリアでも事件が待ち受けていた…!
 

イタリア=ローマ正教の本拠地、ということで絶対それ絡みで何かあるんだろうと思っていましたが、今回は以前は当麻達の“敵”として現れた彼女がヒロイン。ラストで思いっきり当麻がフラグを立てていたのでいつかこうなるかとは思っていたけど案外早かった(笑)

このシリーズ自体、展開の目新しさというよりも水戸黄門的な面白さを狙っているんだと信じて疑っていないのでラストでどうこうなるというのは殆ど心配していません(というか、それを安心して読めるのがこの小説の強みだと思ってる)が、このシリーズでは無敵の当麻の幻想殺しも通用しない謎の力を使う男・司教ビアージオとの対決で今回ばかりは心配しました。相変わらずローマ正教はエグいキャラが多いですね。どうでもいいけど前回の感想書いたとき、グーグルさんで“ローマ正教”で検索かけるとうちのブログが1位になるという恐ろしい状態が暫く続いて戦々恐々でした。真面目な理由で調べてた人とか、ほんとごめんね!

行き先といいガイドが来なかったことといいオルソラのことといい、イギリス清教あたりが仕組んで当麻達を今回の旅行に向かわせたように思えてなりませんが、そうだとしたら本当に当麻が哀れだなあ…。

とりあえず私としてはブチキレた当麻が「その幻想を打ち砕く」とか言ってくれればおおむね満足です。その青臭さが大好きなので。本当にありがとうございました(*´▽`)
しかし、正直インデックスが空気な時の方が話面白い気がするのはきのせい…ゲフンゲフン!!

ところでこのシリーズ、電撃大王と少年ガンガンで漫画連載開始とのことですが。私にまたあの日本一ぶ熱い同人漫画雑誌の読者になれと?
だ、誰が描くかにもよるけど…個人的には鈴木次郎とか希望だけど壮太君とひぐらしがあるから無理だよなあ_| ̄|○
しかし、ガンガン本誌はそこまで人材不足なのかと問い詰めたい。

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彩雲国物語 はじまりの風は紅く

[著]雪乃 紗衣 [絵]由羅 カイリ

紅秀麗は彩雲国でもトップクラスの大貴族の血を引く正統なお姫様…でも家は超貧乏で色々なバイトをしながら必死に食いつなぐ日々。そこに、高額報酬とともにあるお仕事がマイコンで来る。それは男色で昏君(バカ殿)と名高い国王の根性をたたきなおすため、貴妃として高後宮に入るというお仕事だった…!?
 

複数の人から薦められたので読んでみました。ビーンズ文庫+由羅カイリということでもう「これ、なんてネオロマンス?」って思ってバカにしてた私を許してください(でも「なんてネオロマンス?」っていうのは案外間違ってない気も…

基本的には紅家に拾われ、優しくて何でも出来る完璧系の家人・清蘭やバカに見えるけど実は結構キレモノな国王・劉輝を始めとして美形キャラが勢ぞろい。ネオロマ風な逆ハーレム展開あり、ともすればBLっぽい展開もあり…なのですが、でもそれだけじゃないのです。

とにかく、庶民派で行動派な秀麗のキャラが良いです!こういうストーリーでお姫様というとなよなよとして男の人に護ってもらっちゃう女の子のイメージが強いのですが、実家の財政難にもバカ殿な劉輝にもめげずに力強く、逞しく生きる姿が見ていて心地良い。また、高額報酬に目がくらんだだけではない、彼女が後宮に入る事を決意した「理由」も壮絶でした。普通の深窓の令嬢では絶対に真似できない彼女の強さを見ていると、自分も前向きにならなければという気分にさせられます。読んでいて自然に前向きになれる一冊です。

また、子犬のように懐いてくるけど実は暗い過去持ちな劉輝もツボ。しかも弟属性。こういうキャラは非常に好み。というか「カーリー」の感想でも申しましたが実はキレモノなヘタレ王子って大好きです。ツボです。

ラストの爺3人衆の(下手するとBLに見える)友情にもドキっときました。これはなんとしてもシリーズ読破するしかないですね…!!(笑)

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戦鬼?イクサオニ?

[著]川口 士 [絵]一之瀬 綾子

鬼ヶ島で人間と共存しながら平和に暮らしていた鬼達は、突如として一人の人間に滅ぼされた。
そして人間に囚われた鬼の頭領の子・温羅は自分達を滅ぼした人間達への復讐に燃えながらも、父の御首を奪い返す為、そして鬼ヶ島を襲い、人間に反旗を翻した桃生を倒す為、神器の奪還に協力する事になるが…
 

ストーリー、キャラクター、展開等パーツを見れば物凄く面白いハズで、確かに一気読みできるだけの読ませる力もあるのだけれど、これだけの材料が揃っていて全く読み終わった後に「面白かった…!」という気分になれないのは何故だろう。

桃太郎のストーリーをアレンジした設定の和風ファンタジーで、桃太郎と日本神話を上手くミックスした敵キャラたちとの異能バトル、復讐に燃えていた温羅が同行する梓の優しさに触れて少しずつ元の優しい鬼の姿を取り戻していく展開等、燃えられるべき場所は多々あったはずなのに何も伝わってこない。兎に角ストーリーが淡々と進み、それを「読まされている」という感じが否めない。バトルシーンとかでも気がついたら敵が死んでました、って感じてしまう位のあっけなさ。

「つまらない」のではなく「合わない」んだなあ。なんというか、この小説の「美味しさ」というのは高級フランス料理のフルコース。凄く美味しいし色々な味で楽しませてくれるのですが味がお上品過ぎる、味付けも庶民派の私には薄味すぎる、そして1回に出てくる料理の量が少なすぎてイマイチ食べたりない…という感じ。

どちらかというと私はその辺の中華料理屋で気安く自分の食べたいものをどーんと食べたい派なので、結構厳しかったです。ついでにいうと濃い味派。っていうかラノベってある程度そういう所あるよね…?

要素要素は凄く面白かったし、その辺は結構色々な書評サイトさんで取り上げられているので今更言うまでもないでしょう。特に川揚のキャラは非常に良かったと思う。やはり「合わなかった」というのが本当のところみたいです。

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カーリー 二十一発の祝砲とプリンセスの休日

[著]高殿 円 [絵]椋本 夏夜

突然、シャーロット達の通う女学校にインドの中でも有数の力を持つ藩王国・バローダの王女パティがゾウにのって転校してきた。破天荒で我侭な彼女の行動に歯止めをかけられる人間はおらず、生徒達はただただ困惑するばかり。
カーリーをパティに取られ、更に気の合わないヴェロニカと相部屋にされてしまい面白くないシャーロットだが、偶然彼女の秘密を知る羽目になり…
 

苦手だった筈のヴェロニカやライバル(?)のパティをなんだかんだいってほっておけず、頭を悩ませたり、奔走したりするシャーロットが非常に可愛いです。前回以上に寄宿舎がメインになっているので、前回気に入っていた学園パートが比例して増えていて凄く嬉しかった。

破天荒で派茶目茶で恋に生きるお姫様?なパティや、新キャラで結構クーデレのベリンダさんとか実は凄まじいツンデレだったヴェロニカたんとかキャラクターも最高です。特にヴェロニカ様がサリーをご所望するあたりはもうひたすらにやけ笑いが止まりませんでした。最高!!そしてベリンダ、ラストでいいところもってきすぎ…!

パティに纏わるお話は本当に色々な意味で良かったし、切なかった。
寄宿舎での振り回しっぷりも、彼女の真意と併せて読むと壮絶な覚悟を感じて凄く切なくなります。この後時代は大きく変わっていくわけですが、その中でパティも本来の彼女らしく、自由奔放に生きてくれていたらいいな、と心から願ってしまいました。

しかし華やかで面白おかしい学園生活の裏で、インドを…ひいては世界をも大きく震撼させる出来事が進行しているというのがまたこの刹那の学園生活に輝きを与えているように思えます。次巻が出るにしろでないにしろ、寄宿舎での話は今回で終了とのことで非常に残念。個人的にはなんとしてでも続編を刊行して頂きたいので、興味のある方は是非買いましょう。是非。






しかしもうね、今回出番が少なかったんですがそれ以上にカーリーが最高なんですよ!

「…………牛乳、小魚、卵かな」とかアヒルとの低レベルな確執とかシャーロットとのウキウキ★ヒンドゥー語レッスンとか見所満載すぎ。

どんどんシャーロットの前でのみヘタレ王子(誉め言葉)になってきてしまったカーリー最高。前巻での割合パーフェクト少女なカーリー、そしてキレモノなアムリーシュ殿下も最高でしたが個人的にはこっちの方が断然好みです。いいよヘタレ王子もっとやれ!!シャーロットが判らないのを言いことに自分の都合の良い事言わせて悦に浸ったり、判らないのを良い事にヒンドゥー語で愛を囁いてしまうヘタレなカーリーを全力で応援したく思います!!

しかし次回以降はあのパーフェクト美少女にみせかけて実はヘタレッ子なカーリーたんはもう拝めないのでしょうか。非常に残念です…もう少し見たかったなあ。パティのルームメイトに選ばれたあたりの下りを読んで、もうカーリーがメイド服でお仕えするんだと信じて疑わなかった(しかもそんなカーリーの挿絵が入ると信じていた)ダメ人間で本当にごめんなさい。

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陰月のヤジリ

[著]時海 結以 [絵]亜沙美

冷害によって滅び、今はサノカタとユツキという2人の兄弟しかいない村に2人の人間が流れ着く。流れ着いた女の左手にはサノカタに刻まれているのと同じ模様の刺青が刻まれていた。
彼女?サナという少女は語り継がれた伝承の生贄として、サノカタに殺される運命を持っていたのだが…
 

ラノベでは珍しい「大河モノ」で、前半はかなり面白かっただけにラストの尻すぼみも甚だしい展開にガッカリしてしまいました。4人のそれぞれの思惑を持った行動や伝承に対する考え方のズレ、それぞれの立場故に譲れない立ち位置…などはかなり絶妙だと思うし、難しい立場に居て友達を作ることも出来なかったサナが良く言えば無邪気で子供らしい(まあ悪く言えば単純馬鹿なんだけど)なユツキに少しずつ惹かれていくところはまあ判らなくもないんだけど、その割には全体的に4人の行動に一貫性がないというか、何をしたいか判らないというか…。

一番判らなかったのはラストのサノカタの急な態度の変化とサナの兄タヒジに関する“事故”。いえ、あの、明らかにユツキの喋った状況と現実が食い違ってる気がするんですが、その辺スルーですか…?

一見ラストはハッピーエンドっぽく見えるのですが、上の疑問に対するフォローが何もないまま終了してしまったので激しく消化不良。ここまでくるとサノカタの態度の変化も全て馬鹿のフリしてユツキが全て仕組んだんじゃないのとか思えてしまい、素直に二人の前途を祝福できませんでした。しかもタヒジは“村の間違った伝承を伝えた”と本文内でしっかり言っているにもかかわらず、正しい伝承を知っているはずのサナは間違った部分をユツキから聞かされてもスルーですし…こんな状態で一見イイ感じで終了されても困ります。読者置いてきぼり?真実は全て作者の胸の中?

何はともあれ「本当の真相」が知りたい。何この読後感の悪さ。

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終わる世界、終わらない夏休み 桜井深優の終末

[著]あきさか あさひ [絵]東条 さかな

世界の週末を予言された、最後の4日間の間でループし続ける世界。
和也が死に、亜美と別れた深優はそれから40回もの「終末」をある時は和也達と、ある時は一人で繰り返していた。全てに疲れた深優は次回のループの時には自らを「終末」に委ねようと決断する。ループの間に芽生えた和也への想いと共に…3人は世界を終末から救い、永遠の円環を断ち切ることが出来るのか?
 

うわあやばい泣いた。めちゃくちゃ泣いた。
前回でヒロイン格だった亜美ではなく、最後まで脇役に徹していた深優視点でのストーリーと聞いて期待半分・不安半分という感じだったのですが予想を遥かに越えて良かった。っていうか深優がかっこよすぎる…失恋した相手に笑ってあんな台詞吐ける娘なんて中々いないよ。

40回のループの間にすっかり悲観的になってしまった深優、元々世界が滅んでも構わないと思っていた和也、笑顔の仮面を被っていた亜美が少しずつ、でも確実に前向きに歩き出していく姿に感動。各キャラクターの心情の変化が凄く顕著で、その変化を感じられるのが嬉しい。それにつれて、3人の努力が実を結んでどんどん良い方向にもっていき、最初のループでは全く悲観的で動きようがなかった人々の心さえ少しずつ傾いていく姿が、読んでいる側としても凄く嬉しくて、特にあの「グラサン男」とのやりとりとラストのセントラルタワー屋上での演説シーンでは、涙が止まらなくなってしまいました。

とりあえず全力でオススメしときます!!
1巻でやめようかなーと思ってる人は今からでも是非!!

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とらドラ!3

[著]竹宮 ゆゆこ [絵]ヤス

大河に亜美との仲を誤解され、お互いぎくしゃくしたまま迎えたプール開き。少しだけ大河と仲直りできたかと思ったのもつかの間、なんと大河と亜美が水泳で対決することとなってしまい、頭を抱える竜児。しかも大河はとんでもないカナヅチで…!?
 

当人は気づいてないんだけど周りからみたら明らかにお前ら相思相愛だろ!って雰囲気がたまらんです。明らかに亜美に嫉妬してるのに、それを断じて認められなかったり、感極まって「竜児は、私のだぁぁぁぁぁーーー!!」と叫びだしちゃう大河が激しく可愛い。逆に竜児の方も少しずつ大河に傾いている様子が見受けられて、最初から最後までとにかくニヤニヤしっぱなし。ラブコメはくっついた後よりもくっつく前のもどかしい関係が大好きな私にとっては至高のラブコメシリーズかも。

今回は全体的に少し人間的に弱いというか脆い大河の様子がとにかく可愛かったです。普段「手乗りタイガー」なんていわれて恐れられていても実は泳げなかったり、貧乳を気にしていたり、女の子らしく嫉妬してしまっていたり(しかもそれを嫉妬と認められなかったり)で普通の女の子らしい部分が強調されていたように思えます。ああ大河たん可愛いよ大河たん。普段の「手乗りタイガー」な彼女とのギャップがたまらない!!

竜児に気のあるそぶりを見せる亜美や相変わらず良い味出してるみのりんもとても良い感じです。しかし個人的には水泳勝負でキレて猛烈に追い上げてくる亜美タンをもっと頑張って描写してほしかったなあ(笑)
みのりんの「偽乳特戦隊」は2006年ラノベ最強の迷言だと思います。

次巻はやはり亜美の別荘での夏休みネタでしょうか。かなり楽しみ。

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グロリアスドーン 1 少女は黎明に唄う

[著]庄司 卓 [絵]四季 童子

広大が目が醒ますと、隣りにギャルゲーの如く謎の美少女を抱きしめていた。ティセと名乗る彼女は行き倒れたところを母親に拾われてきたという。ところがちょっと不思議系でボンヤリした彼女の正体は「bioクラフト」と呼ばれ、ドリルと強大な力を持つ異星の知的生命体だったのだ。
広大は母親からティセの「bioパートナー」として契約をするよう迫られるが…
 

正直、庄司卓作品は「倒凶十将伝」で5年以上蛇の生殺しのような痛い目を見たので「どんなに面白そうでももう手を出さない!!」と密かに心に決めておりました。

それで、ラノベ界で一番挿絵買い率の高い四季童子さんが挿絵で来るとか
これなんの陰謀?

そういえば「倒凶?」を買ったきっかけも挿絵画家買いだったような。

というわけで、「ヤマモトヨーコ」シリーズでおなじみの庄司さんの新作SFシリーズ。中学生時代ヤマモトヨーコ読者だったので、それを思い出しつつ楽しんでました。
何はともあれ天然で不思議系のティセが可愛い!幼馴染のツンデレヒロイン(?)の恵子ちゃんも可愛いので、個人的には最終的に広大はどちらとくっつくのか非常に楽しみです(笑)

色々とシリアスになりそうな設定や展開を満載にしつつ、序盤では学園ドタバタ系をしつつ最後にはちゃんと熱い宇宙バトルでキメてきます。シリアスな展開もさることながら、コメディタッチ名全編に散りばめられたパロディ要素に時々ニヤリ。古い作品だけでなく、最近の萌えもバッチリ掴んでいるらしい庄司先生、流石です。よもや1巻のクライマックスにあたる一番重要なシーンで伝説の「あててんのよ」が来るとは夢にも思いませんでした。

いや、作品に点数つけるとして「あててんのよ」だけに90点あげてもいい

しかしよくも悪くも「古き良き時代の富士見ファンタジア文庫」を思い出すのは何故。
特に関連性ないんだけどスレイヤーズとか、あかほりさとるとか、そのへん。
「倒凶?」以来敬遠してたけど、改めて読むと面白いんですけどね、この人。
途中で読むのやめたヤマモトヨーコを改めて読み直したくなってきたなあ…。


ちょっと今後主要になるであろうキャラクターが一気に顔見せをしてくるのでキャラクターの立場関係がイマイチ掴みきれなかったりして混乱する所もありましたが(ティセ達+クイックストーンサイレントカレントだけ出して、あとは次巻以降に小出しでもよかったような…)次巻が非常に楽しみです!

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