[著]藤原 祐 [絵]椋本 夏夜
姫島姫の身体を固定剤にして現れた“無限回廊”。その中に自らの親友である姫の意識が生きているということを晶に告げられず、思考回路に不全を生じさせる硝子。硝子の友人・君島直子や“壊れた万華鏡”舞鶴蜜を巻き込んで事態は最悪の展開に。
…というか、2巻から見事に主人公の思惑が裏目に出まくりですね。「こうなったら嫌だよなぁ」とおもった方向にストーリーがズンズン進んでいくのはある意味流石という感じです。虚軸になってしまった某クラスメイトの狂気も必見(ありがちではあるけど、王道なだけに痛々しいんだよなあ…)
ある意味一番強烈だったのがゲストキャラ?の担任の先生かも。
ノリ的には「砂糖菓子の弾丸は撃ち抜けない」の先生に近いんだけど、その正義感が裏目に出てしまった最たる例というか…いつでも「友情・努力・勝利」で切り抜けられるもんじゃないというのが痛烈に痛い。少し考えればわかるはずの結果すら見えない盲目ぶりはもう見ていて不快にすらなりました。
“行き過ぎた正義は悪である”っていう言葉がぴったり来ますね。(しかしこれ、どの作品のセリフだっけ?)
どろどろに鬱でシリアスでダークなストーリーが連発する中、それでも時々しっかりと甘いほのぼのコメディが入ってくるのがまた上手いです。大体こういう小説って話がシリアスになればなるほど、シリアスの比重が多くなってコメディ色が薄くなるものですが、このシリーズは短いながらもほのぼのパートのインパクトが強いのでほのぼのとダークのシリアスが絶妙に感じます。
酒に酔った舞鶴のツンデレ発言連発に大爆笑。(作者さん狙ってる?(笑))
そしてカラー口絵漫画にも大爆笑(プリンの国って…!!)
カラー口絵で漸くなんとなーくだけど虚軸について理解した私でありましたorz
しかしこれ、2巻がみつからなかった関係で4巻発売直前に読むことになって正解だったかも。発売日直後に3巻読んでたら続きが気になってしょうがない1ヶ月を送るところでした。
というわけで、4巻に期待!!