終わりのクロニクル 7 発売:2005.12 発行:メディアワークス [著]川上 稔 [絵]さとやす(TENKEY) |
上下に分ければいいのに…と、見た瞬間に思ったのですが、この息も吐かせぬ急展開の数々は上下に分けられたら相当テンションダウンしてしまったと思うので、これでいいのだ!!と納得。ていうかこれ500Pとか600Pで1回終わられたら多分凄いテンション下がります。友人に「京極夏彦?」って真顔で言われましたがあのまロい挿絵を見て沈黙しておりました(…)
とりあえず、あらゆる意味で通勤のお供には向かない作品(笑)片手で本なんか絶対もてないし、何より挿絵のまロさも5倍増し。佐山と運・切とのアレなシーンがそれぞれ挿絵入りで1度ずつ入るため電車の中で読んでいてマジ困りました…。
そして、読んでいてこんなにストーリーに引き込まれたのは何年ぶりだろう?
最近色々な意味で本を「消化」していた私に、本を読む本当の楽しさを教え直してくれた気がします。絶対絶命の状況から何度でも雄々しく立ち上がる佐山達の姿に感動。皆が過去を忘れず、軋みを受け止めて、でも蔑ろにする訳ではなく未来に征くために進撃する姿は本当に見ていて清清しかったです。要所要所で感情が溢れて泣きそうに…。3巻以来の京萌えとしては、京ちゃんの旦那復活とかかなり嬉しかったです!
何より、大城(至)とSfのシーンでは泣きそうになりました。Sf健気すぎる…。そしてなんとなくですが、TOP-GにおけるSfはノアだったんじゃないかと…二人のそれぞれの最後の行動を見て、そう思いました。
あと3代の佐山父子が全員で詔を上げるシーン。マジで痺れる…!各巻で入る佐山の台詞は毎回かっこよすぎで大好きでした。最後に上げられる、例の概念の条件文が「姓」ではなく「意志」だったのは、佐山が自分の軋みを克服した証だったのでは、と勝手に解釈しております。
あと、米国UCATかっこよすぎだよ。惚れたよ。
「俺は世界を0.8秒も救えるんだ」は名台詞だと思います。いい男過ぎです。
「清しこの夜」だけじゃなく各国国家が物凄く上手いシーンで挿入されているのがまた良かった。ていうかイギリスUCAT別の意味で素敵すぎなんですけど(笑)
1000Pを越える長編だったにもかかわらず、全く中だるみをすることもなく、最後まで一気に読み切ってしまいました。本当に読後の爽快感はここ何年も得られなかったものだったかと。最近の読んだのって、変に後味の悪いものが多かったような気がして(そういうのも嫌いじゃないんですけど)
とにかく、長い連載お疲れ様でした。
さて、落ち着いたらもう一度このシリーズ1巻から読み直したいと思います!久しぶりに本を読み返したいって思ったよ(笑)