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ラノベ部

 

国語が苦手な文香はちょっぴり不純な理由で「文芸部」に入ろうと決意する。しかし、その学校に文芸部はなく、代わりに"軽小説部"という名前の部活が存在していた。部活見学に訪れた彼女は軽小説部の部長・美咲から本を借りる事になり、はじめてライトノベルに触れるのだけど…

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漫画は読むけど本は殆ど読まない女の子が「軽小説部」通称ラノベ部に入部して初めてラノベに触れ、個性豊かな部員達と他愛もない話をしながら少しずつライトノベルにハマっていく姿を描いた日常的小説。富士見の「生徒会」シリーズよりも4コマ漫画っぽい雰囲気を持った小説で、あちらがハイテンションに畳み掛けてくる面白さであれば「ラノベ部」は心地よいまったり感に時々じわじわと押し寄せてくる笑いが心地よい物語でした。

学生が主役のオタク系4コマを読んでいるような雰囲気でラノベやオタク系のネタをふんだんに詰め込んだメタっぷりや日常会話のやりとりもかなり楽しいのですが、読んでいるだけでラノベの良さがわかるような、読み終わったあとラノベを読みたくなるような感覚がかなり素敵。特にはじめてラノベを読んだときの場面や今まで部室から本を借りていくだけだった文香が一念発起して本屋で初めてラノベを買うシーンなんかはもう、とにかく楽しさが伝わってきてこちらまで楽しくなってしまったり。国語や文章を読むのが苦手だからラノベはちょっとな?…とか思ってる人には是非読んでほしい1冊です。会話部分でツボにハマったのは「語尾に偉人の名前をつけて喋る」会話のあたり。さりげなく色々なモノを風刺してるその精神に感服しました。ただ偉人の名前を挙げてるだけだったのに、誰ですかマスコミとか政治とかさりげなく批判してるの!!

「福田康夫って誰だっけ? ?小泉首相」

とくにこの発言ヤバイ。色々しゃれになってない。なんという時事ネタ。2?3年したらリアルで「誰だっけ?」状態になりそうな気がして仕方ありません。これは風化するまえに読むべき。

キャラクター的には、主人公である文香のほのかな恋の行方ともさることながら、とりあえず暦の可愛いさは異常。長門のような無表情キャラかと思いきや、だんだん露になっていく主人公への不器用な愛情表現にニヤニヤが止まらない。エピローグでの妄想小説には緑茶噴いた。なんかもう、本当にこの娘かわいいなあ!他のキャラがイマイチキャラ立てされてなかったり、キャラクターを掴み辛いと感じていた中で、この娘は一人輝いていました。

ただ、作者さんのキャパ以上の人数が常に画面に居て、全てを描写し切れてないような印象で、章毎に空気化してるキャラがいたのが凄く気になった。堂島とか腹黒系美少年という設定なのに哀しいほど空気とかどういうこと……あと何度読み返しても腹黒美少年というよりただのオカマですありがとうございました。この他にも、文章を読んだ限り「表情がコロコロ変わるドジ娘」っぽい印象だった文香が「表情の変わらない無表情娘」と書かれていたり、文章から受ける印象とキャラクター設定として書かれている但し書きが一致してないのも気になった。

一部で話題を呼んだ桜野綾先輩の腐女子設定はもろに「最近の面白おかしい一連の報道を元にして男ヲタが生み出した、妄想世界の腐女子キャラ」という感じなので、腐女子の人は相当割り切って読まないと辛いかもしれません。なんていうか、まだそこは生傷だから触れないで!という感じがする。あのテの報道に本気で怒りを感じてる人たちは、このネタを笑い飛ばせるようになるにはもうちょっと時間が必要なんじゃないかな…あと、腐女子は「二次元の男に興味ない」なんて普通言わない。

なんか本当に空気だったキャラとかも居るし、主人公の恋の行方も本当にさわりしか触れられていないので、シリーズ化を前提に描かれているのかなあという印象?次の巻では是非とも今回空気だった腹黒美少年の活躍をお願いします。

なお、豊富すぎるメタネタはこちらこちらのエントリを参考にすると良いです。改めて多いなネタの多さ・幅広さにびっくりですよ。既に誰かが触れてた気がしますが143Pの挿絵にどうみても鬼畜眼鏡が居たのには噴いた。攻眼鏡て……


SH@PPLE?しゃっぷる? 3

[著]竹岡 葉月 [絵]よう太

青美女学院の新聞部に正体をすっぱ抜かれそうになり、急遽学校入れ替わりを中断する羽目になった雪国&舞姫。久しぶりに戻った空舟五中で、「人力リバーフェスタ」でのイベント参加を頼まれた雪国は再び青美女学院生徒会との共同イベントを提案するが、舞姫はその提案を拒否し、中部連と組むと言い出して…!?
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双子の姉弟の学校入れ替わりラブコメ第三弾。2巻を読んだときは燃え要素が落ち着き気味でちょっと物足りなさを感じていたのですが…3巻はそんな不安をぶっとばすような胸キュンラブ+燃え展開でした。面白かった…!!

舞姫にかけられた疑惑を払拭する為に一時的に学校入れ替わりを中断して青美女学院に戻ってきたら、雪国には見えていなかった様々な部分で軋みが生じていて、その中でも顕著だったのが雪国がローズロワイヤルとの距離を縮めた事によって相対的に不信感を募らせていた中部連。その歪みを解消する為に舞姫達生徒会は中部連の肩を持つことになり、一方で結託相手を見失った雪国達空舟五中の面々はローズロワイヤルと共同で出し物をやることに。結果として元々仲の悪かったローズロワイヤルと中部連の対立図に淡路姉弟の兄弟喧嘩が重なり、雪国を舞姫と思って恋に悩む蜜、すっかり名誉兄貴こと舞姫にホの字になってしまったSEO研の芝目、すっかり雪国にホレてしまった上に変な勘違いまで起している胡蝶の宮などの恋愛事情まで相乗されてもうしっちゃかめっちゃかに…というお話。楽しそうな弟の姿を見て複雑な感情を抱いた舞姫が自棄で蜜とデートしようとしたり、舞姫の言動や行動に芝目が一喜一憂したりする様子が、見ていて微笑ましい。特に芝目と雪国(※舞姫)の関係を誤解した胡蝶の宮に雪国が振り回される場面では大爆笑してしまいました。胡蝶の宮あんたなんていいキャラだ……。

一方で、今回は熱い展開も目白押し。蜜と舞姫のデートの場面では久しぶりに「女の子の味方」っぷり全開なSEOの面々に思わずニヤリとしてしまったり、蜜に自分の正体を伝えるかどうかで葛藤する雪国にきゅんとしてしまったり。そして何より、「リバーフェスタ」の練習の為に青美に泊り込むハメになった後が熱いですね。中部連の長船が素晴らしい「悪役」ぶりを発揮していて、わりとまったりペースだった雪国たちに発破をかけてくる場面が最高です。

そして何よりも空舟五中の生徒会長・鳥子さんが可愛すぎる。もうロコツに雪国&蜜のかませ犬になりそうな勢いがプンプンするのですが、お堅いガリ勉タイプかと思ったら…な意外性とか、何かと問題をふっかけて雪国に突っかかってくるツンデレっぷりがたまりません!今回の話の決着はこのまま4巻に持ち越しのようなので、4巻でも彼女がガンガン活躍してくれることを切に願ってやみません。


SH@PPLE?しゃっぷる? 2

[著]竹岡 葉月 [絵]よう太

憧れの少女・蜜から“胡蝶の宮”典子と3人で温泉に行こう、と誘われた淡路舞姫(…の格好をした弟の雪国)。双子の姉の舞姫の私服を持ち出し、女装して旅行に出かけることにしたのだが、二人に気づかれないよう公衆温泉に入ろうとしたところをホテルのオーナーの娘・エリスに見られてしまう。更に弟の不審な様子に気が付いた舞姫とSEOの面々もこっそりついてきて…!?
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双子の姉弟の入れ替わり女子高ラブコメ、第二段。今回は女の子二人と嬉し恥ずかしな旅行に出かけた雪国が、旅先で様々なトラブルに巻き込まれるお話。女装ラブコメというウリともろに「萌え」を狙った挿絵が特徴的ですが、現在腐的な意味を除外すれば女の子にも読んでほしい非少女レーベルライトノベルNo.1かも。

「温泉」「お泊り」と女装していて正体を明かせない雪国にとっては致命的にもなりかねないイベントが目白押しで、正体に気づかずに女の子同士の調子で振り回す蜜&典子に悶々とする雪国の姿がとても微笑ましかったです。女装軍団を気味悪がる二人の会話を聞いて地味にへこんだり、二人がベッドの中にもぐってきて眠れない夜を過ごしたり…と女装ネタならではのイベントが多かったのも女装ネタスキーとしてはうれしいかも。一方姉の舞姫も全く男を意識しない仕種で一緒に居るSEOの連中を悶々とさせます。非モテだけどウブで紳士で結局隣の布団で寝ることすらままならないSEOの面々が愛しすぎる。

ラブコメ方面では自らの気持ちを自覚し始めたのは良いものの、舞姫(雪国)が女装してるばかりに「女同士なのに…!」と思って葛藤し、それでも舞姫(雪国)がお姉さまやエリスと仲良くしている姿を見るとヤキモチを焼かずにいられない蜜や、家柄の違いに気後れしつつ早くも彼女への独占欲を覗かせる雪国の様子がとても可愛らしい。終盤の追いかけっこには爆笑しながらも「いいぞもっとやれー!」とニヤニヤしてしまいました。しかし「雪国争奪戦」と見るならば胡蝶の宮・典子も参戦して来そうな気配で今後どうなるのやら…。

ラブコメ率が高くなった分、1巻の時の様な「燃え」展開が影を潜ませてしまった部分があるので個人的にはその辺がちょっと残念だったりしましたが、とても楽しかったです。3巻は舞台を学園に戻して大炎上の予定らしいので、次巻を楽しみに待ちたいところ。

……しかし、個人的に今回の再萌えポイントは、やはり舞姫の風呂を(本人公認とはいえ)覗こうととするSEOをさりげなーくガッツリ雪国が牽制するシーンだと思うんだ。


SH@PPLE?しゃっぷる? 1

[著]竹岡 葉月 [絵]よう太

ちょっと引っ込み思案な少年・淡路雪国が一目ぼれしたのは双子の姉・舞姫の通うお嬢様女子中学に通う生徒だった。その事を知った舞姫は自らのガス抜きを兼ねて、雪国と“学校交換”を行う事を持ちかける。女だらけの学校生活に最初は戸惑うばかりの雪国だったが…?!
   個人的お気に入り度数
タイトル、あらすじからして完全な萌え系百合コメだとおもって周囲の評価待ちかな?と思っていたのですがこんなエントリ書いた後でスルーするのもなんだろうと思い購入。結果、大当たり。露骨な萌え要素は殆どなく、びっくりするほど正統派な入れ替わりラブコメでした。つか公式あらすじに「バラ色の生活を目指す」とか書いてあるのがいかんと思うですよ…。

一目ぼれした女の子・蜜に一目逢いたいという気持ちのままに姉の提案を受け入れ、女子高に潜り込んだら、姉・舞姫の意外な学校での姿が見えてきてそれに疑問を抱いたり、高嶺の花だと思っていた蜜の意外な一面が見えてきて動揺するわ驚くわ……それでも、今度は“等身大”の彼女を改めて好きになっていく、という過程が非常に素敵でした。天然な雪国がその邪気のない行動でライバルのお嬢様・典子の毒気を抜いてしまうシーンでは思わずニヤリ。勿論、男女入れ替わりならではの着替えシーンも忘れてはなりません。もうとにかくベタベタな展開が心地よかった。

一方、雪国の学校に潜り込んだ舞姫の方も負けてはいません。元々女の子なのにすっかり王子様扱いで、挙句の果てに“兄貴”呼ばわりされてしまうサッパリとした性格は……うん、確かに女の子にウケるわ、この子。可愛い弟の為に人肌脱いじゃう姿は物凄くかっこいい。そして彼女を兄貴と慕うオタク集団SECの面々がまたいいヤツらばっかりで…性別を感じさせない舞姫とのやりとりには思わず噴出してしまいました。

ラストのオチはちょっと強引に感じなくも無かったんですが(通り魔の正体あたり)萌え全開なあらすじとイラストからは想像もできないほど王道で可愛くてアツくて楽しい入れ替わりモノ。女装男子萌え的な展開は殆ど無いので、そっちの耐性無くて遠慮してる人も是非読みましょう。むしろ「女装男子モノ」だと期待して読むとちょっと物足りないかも?

ただ、こういう物語に萌え全開なイラストがついているのはある意味勿体無く感じたりします。
これはぜひとも女の子にも分け隔てなく読んでほしい作品。温泉ネタらしい次巻に期待です!


この作品読んでて、「何かににてるな?」と強烈なデジャヴを感じていたのですが、
昔なかよしでやってた高瀬綾の「せりなリニューアル」って作品に似てるんだなー。
こっちは女の子同士の入れ替わりモノで女装要素はないのですが、
「SH@PPLE」が気に入ったならおそらくツボに来るんじゃないかと。
併せてオススメしてみたり。
せりなリニューアル (講談社コミックスなかよし)