“岸田 メル” の検索結果 | ページ 2 | 今日もだらだら、読書日記。

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死神姫の再婚 孤高なる悪食大公

 

年が明け―カシュヴァーンはアリシアの誕生日のために、図書館創設を進行中!最近の暴君夫は愛妻の薬指に興味津々だったり、愛妻が大好きな幻の奇書『雨悪』の作者を屋敷に招待しようと目論んだりと、とにかく騒々しい有様。そこに究極の邪摩者…怪物・ゼオルディスが現れた!自由気侭な逗留はカシュヴァーンを苛立たせ、アリシアに入れ知恵まで…。悪夢のような日々はある日“悪食大公”ガーゼット侯爵の異彩かつ奇妙な訪れにより、無事落着したかに思えたが―!?曲者だらけ、夫婦の『特別』な第7弾。 (「BOOK」データベースより)

カシュヴァーンかわいいよカシュヴァーン!!!(ゴロゴロゴロ)

というわけで、巻を追う毎に作品の糖度が上がっていくという噂の「死神姫」シリーズ最新刊。徐々にイチャイチャ行為がレベルアップしてる雰囲気があるライセン夫妻のやりとりに、今回もゴロゴロゴロゴロと転がされました。「おなか痛い」という名言も含め、本当に素晴らしい床掃除小説。本線では不気味な動きを見せる<翼の祈り>教団に対してカシュヴァーン達が動き始めたり……とかなり大きな動きはあったんですけどそれがどうでもよくなるくらいの各カップルのイチャつきっぷりにニヤニヤが止まりません!!!

特に段々大胆に、自分の欲望に素直になっていくカシュヴァーン、どんだけかわいいんだ。だんだんこの人、行動がお子様化してる気がするんですが気のせいですか!!!段々大人の分別もなくなってヤキモチ焼きまくる旦那様可愛すぎる。特に膝枕云々のやりとりがたまらない。お互いに気付かれないようにプレゼントをしようと画策したり、なんかもうこの夫婦はどこまで私をキュンキュンさせるつもりなんだ…!!特に今回はイチャイチャパート以外でのカシュヴァーンがかっこよかったから、アリシアと二人きりの時のギャップの激しさに萌えたのかも。特にラストのカシュヴァーンがガーゼット侯爵に対して見せた行動には、思わずドキドキしてしまいました。

その他にも、すっかりティルナードへの好意を隠そうとしないノーラとか、ジェダとルアークのぎこちない「兄弟」具合とか、もう本当に、各コンビ・カップルのやりとりが微笑ましくて可愛くて仕方ありません。もうこの人達見守ってるだけでおなか一杯だよ……なんでこの人達こんなに可愛いんだ……

ゼオルディスや教団がいよいよ不穏な動きを見せ始めたり、ディネロの様子がおかしかったり…といよいよ物語本線も盛り上がってきた感じがしますが、これからもどんどんレベルアップしていく「おなか痛い」夫婦のやりとり盛りだくさんでお願いします…!!ああもう本当に、続きを読むのが楽しみ。



そういえば、池袋のアニメイトで行われたサイン会に行ってきたのですが、サイン会のオマケ(?)で配布されていた書き下ろしペーパーの内容もやばかったです。カシュヴァーンのヘタレっぷりにキュンキュンせざるをえない。


神様のメモ帳4

[著]杉井 光 [絵]岸田 メル

四代目からの依頼で、平坂組の手がける音楽イベントの手伝いとして借り出されたナルミ。ところが、イベントを妨害しようとする勢力が現れて、話はどんどんきな臭い方向に。事件の裏には、かつて四代目とともに「平坂組」を作り上げた男・平坂錬次の影が見え隠れする。同じ頃、ナルミは関西弁を使う男と出逢い、友達になるのだが…
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ニート予備軍の主人公と妙に有能なニート達と、「ニート探偵」を名乗る不思議な少女・アリスが繰り広げるミステリー第四弾。

ナルミが、ナルミが有能な子になってるーーーー!?
これまでのナルミは結構、他の有能ニートたちの才能を指くわえて見てるだけで、あとは結構口だよりっぽい印象があったのですが、仲間達からも言われまくっている通り今回は意外な才能を発揮していきます。四代目の主催するイベントの広報担当として如何なくその「口先三寸」という能力とこれまで得た人脈を発揮する姿が輝いてる。しかし、その割りにナルミが将来ニートになる気マンマンなのはどうなんですか(笑)ここに、「NEET探偵事務所」に集う新たなハイスペックハードボイルドニート誕生の瞬間を見た気がする!!!

義兄弟の契りを結んだ四代目と、何も知らずに「友達」として出会った平坂錬次との確執の間に挟まれて苦しみながらも「なんとかしたい」と奮闘するナルミの姿にニヤリとする。これまでの彼なら、こうもアクティブには動き回れなかったでしょう。もちろんこれまでのようにへこたれたり、仕事を投げ出しそうになったりはするんだけど、それでもギリギリの所で踏みとどまり、或いは仲間達から叱咤激励を受けてふたたび立ち上がっていく姿が良かったです。そして、そんなナルミだからこそ、クライマックスの平坂組の面々へのタンカが言葉の表面以上にかっこよく思える。ほんと、ナルミは成長したなあ。

これまでのように「有能でハイスペックなニート達が、(依頼されれば)事件をあっさり解決するよ!!」みたいな部分が薄くなった分、ナルミがもがき、足掻き、それでも挫けずに前に進んでいく姿が印象に残る一冊でした。ナルミかっこいいよナルミ。あと四代目と平坂とその周辺の人間関係が腐った目でしか眺められないよ!!!(だいなし)

ところでイベントのプロモーションを手がけた音楽バンドというのが、さりげなく同作者の某作品を匂わせているのがまた。バンドのメンバーは直接的には登場しませんが、もろにその正体を匂わせる描写の数々にニヤニヤします。

484024071Xさよならピアノソナタ (電撃文庫)メディアワークス 2007-11

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…あれ?「女ばかりのバンド」?「大切な人はいなくなってしまった」?
ひょっとしてこのあたりの話は、10月発売の短編集への伏線?
いや、某エロゲーみたいに主人公がネタとして女装してる可能性もすてきれな(強制終了)

B001KBYQLCキラ☆キラ~Rock'n Rollshow~(通常版)プリンセスソフト 2009-02-26

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死神姫の再婚 鏡の檻に棲む王

 

カシュヴァーンの誕生日で盛り上がるライセン屋敷に、国王からの使者が現れる。緊急招集を受け、夫婦そろって王宮に出向いたカシュヴァーンとアリシアだったが、そこでは思わぬ人々との再会が待ち受けていた。しかも、「図書館の幽霊」との異名を持つ王子・ゼオはティルナードと因縁があるらしく…

お腹痛い????っっっ!!!!!(ゴロゴロゴロゴロゴロ)
(只今転がっております、しばらく略)

うわああああもう開始30P程でしょっぱなから転がりまくってしまいました。もどかしいながらも一歩一歩着実に距離を縮めてくる感じがもどかしカップル萌えとしてはたまらない。どんどん妻バカ化してきた旦那様がほんと素晴らしいなあ。

そして前回から引き続きラブラブモードのカシュヴァーン・アリシア夫妻だけならとにかく、なんだかんだと両想いモードに突入したティルナード&ノーラがたまらん!!!カシュヴァーンの時の押せ押せモードとは打って変わってしおらしく、さりげなくティルのことを気遣ったり、そばにいられなくてしょんぼりするノーラがもう可愛いのなんの。更にレネだけには妙に生真面目なバルロイさんとか、野望多きジスカルドへ真摯な想いを抱くエルティーナ様とか、段々見ててニヤニヤできるカップルが増えていくのがもうたまりません。

物語は苛めっ子なゼオ王子一行をはじめとした王室周辺の方々が登場し、「翼の祈り」教団の動きも激しくなってきてますます急展開な印象。各カップルににやにやするだけじゃなく、ライセン夫妻の思惑とは違うところで動き始める物語の行方も気になるところです。

それにしても、ほんと、今回入った「登場人物相関図」はもっと他のラノベも採用すべき。特にキャラ数が鬼多いラノベと刊行間隔が長いラノベ。具体的には禁書とムシウタ。


死神姫の再婚 微笑みと赦しの聖者

[著]小野上 明夜 [絵]岸田 メル

アズベルグでは豊作祈願祭が執り行われていた。懐かしい面々と久しぶりに再会し、領民達の楽しそうな様子に心を躍らせていたライセン夫妻だが、そこに傷だらけのセイグラムが現れる。レイデンが<翼の祈り>教団の襲撃を受け、ティルナードが拉致されたというのだが、カシュヴァーンが彼らを救出に向かった間に今度はアリシアとディネロが拉致されて…
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???っっ!!!(※ただ今萌え転がっております。暫くお待ちください)

あ、アリシアもめちゃくちゃ可愛いけど、カシュヴァーン可愛いよカシュヴァーン!!!!巻を追うごとにアリシア好きすぎて着実にヘタレていってる旦那様の姿が正直辛抱たまらん!!!天然無邪気な奥様が周囲(おもにエルティーナ様とバルロイ)の悪影響を受けて意味も分からず旦那様にアタックを仕掛けるのに翻弄されるわ、ディネロに嫉妬するわ、アリシアと離れたらアリシアの幻影見まくるわ……ってどんだけアリシア好きなのかこの人は!!!アリシアと再会した時の反応と、エピローグでアリシアがバルロイの入れ知恵を実行するくだりはほんと、電車の中でなかったら萌え転がっていた所です。というか今感想書きながら萌え転がってますが何か!!!

アリシアはアリシアで、本人も無自覚なうちにだんだんこの旦那様に惹かれていってる様子。ある意味、無自覚なうちに恋愛に憶病になってしまっているこの奥様が自分の気持ちに戸惑う様子がとても可愛いです。というかカシュヴァーンがかわいそうなのでそろそろ落ちてあげて下さい。いやでもこの夫婦はこのもどかしさがまた、たまらんのですが…!!

一方、別の意味で見ているとニヤニヤが止まらなくなってしまうのがティルナード坊ちゃんとその周囲の行方。ユーランとティルナードの関係はとても重たいのですが、なんだかんだいってこのユーランも、望む形ではないにせよティルナードのことを本当に心配してやったことだと思うと憎めない。彼の一件を乗り越えて大きく成長したティルナードの姿にも胸がじーんとしました。また、セイグラムとの関係では意外にセイグラムがティルナードに依存していることにニヤニヤします。というか教育係2人はティル坊ちゃん好き過ぎだろう!普通にティルの取り合いをしてるようにしか見えません腐女子的に美味しい展開を本当にありがとうござ(略)そしてラストのノーラとのやりとりにゴロゴロゴロゴロ(じったんばったん)。ノーラが、ノーラが遂にちょっとデレたよ!!!!(叫)ティル坊ちゃんの周辺は腐女子的にもツンデレ萌え的にも楽しめて大変美味しい所ですね!!

あーもうなんていうか、どんどん魅力的なキャラクター達のやりとりを見ているだけで萌え転がれるシリーズになってきて、ほんと今回は読んでると幸せな感じでした。新キャラクターも可愛いし、ルアークとジェダ、レネとバルロイの微笑ましいやりとりにもきゅんきゅん。続きが楽しみ。


神様のメモ帳3

[著]杉井 光 [絵]岸田 メル

奇跡的に意識を取り戻した彩香が学校に戻ってきた。失われたものは多く、ぎこちないながら園芸部の活動を再開した二人につきつけられたのは、生徒会からの廃部宣告だった……。廃部を止める為、園芸部に過去で起きた事件について調べ始めた鳴海とアリスだが、それにはテツ先輩が絡んでいて!?
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将来有望なニート候補(違う)な主人公と、彼を取り巻くニートたちが繰り広げる物語第3弾。今回は過去にテツ先輩が高校を退学するきっかけを作った事件を追う事になったナルミが、結果的にテツ先輩達と対立する羽目になるというお話。1巻の事件でも鍵となった園芸部の温室を舞台に起きた事件の真相を追っていくうちに、1巻で起きた「エンジェル・フィックス事件」の残された謎にも迫っていきます。

まあそんなことよりアリスが、アリスがデレたーっ!!!
てっきりデレることなど金輪際ありえないだろうと思っていたアリスですが、今回はなんかやたらとデレてて、それがまたなんか可愛いぞ!?無茶しようとするナルミにやきもきしたり、勢い余ってぬいぐるみを投げつけたりする姿にきゅんきゅんします。そして挿絵まで相乗効果で……155Pが素晴らしすぎる。

事件の真実を語ろうとしないテツ先輩と事件の真実を求めるナルミ・アリスは結果的に対立する事に。なかなか事件の真相は見えず、ぎくしゃくした綾香との関係もあり、園芸部を残そうとしている自分の行動の根幹すら揺らぎそうになり、煮詰まったナルミは(かなりその場の勢いで)元ボクサーであるテツ先輩にガチンコ勝負を申し込む!ということで、勝負の話になった以降の展開が熱いのなんの。テツとの義理を取ってナルミ達の捜査協力を拒んだ仲間たちがここぞとばかりにナルミを手伝い始める箇所では思わずにやりとしたり。それにしても「Wiiテツ」には噴いた。少佐はSOHOの下請けでいいからゲーム会社に就職しろ。というかそのソフトもってってゲーム会社に売り込めw

ラストではいつもどおり、どこかほろ苦い真相が明かされますがなんだかんだと言ってシリーズ内でも一番ハッピーエンド的な終わり方だったかな。特に、彩香の幸せそうな姿が見れたのは嬉しかった。記憶を失い、どこか歪んだ"かつての彼女のふり"を続ける彩香だけど、良い仲間たちに囲まれて少しずつかつての自分を真の意味で取り返すことができるのではないかと自然に思えるようなエンディングでした。

しかし、ひょっとしてここで完結なのかなあ、残念だなあ…。


神様のメモ帳2

[著]杉井 光 [絵]岸田 メル

アリスの探偵助手をする傍ら、ラーメン屋「はなまる」でバイトを始めた鳴海。そんな時にNEET探偵事務所に依頼を持ってきたのはタイ人の少女・メオは大きな袋に一杯の札束を抱えていた……大金の入ったバッグを彼女に預けて失踪した父親を探すという依頼を引き受けたアリスだったが…。
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将来有望なニート候補(待て)な主人公と、彼を取り巻くニートたちが繰り広げる物語第二弾。鳴海=ミンハイ呼び懐かしいなぁ…「からくりサーカス」は丁度私が1年ほどサンデー読者してた時代に連載が始まったのですよね。

相変わらずNEETな仲間達のハイスペックぶりが異常。1巻ではアリスと四代目の裏に隠れてある程度脇役に徹していた感じのあるニート3人組ですが、今回は色々な意味で全開です。少佐の教授顔負けな技術力、ヤクザから警察にまで顔を持つテツ先輩の人脈作り、巧みに女の子たちの言動を誘導するヒロさんの会話術……と三人まとめて「才能の無駄遣い」タグつけてやるよ!!!状態。

そんな彼らにどうしても気後れしてしまい、いじけたり塞ぎ込んだり自己嫌悪したりする鳴海ですが、終盤で思わぬ活躍を見せてくれます。一度動き出すと多少の無茶はその場のノリと勢いでゴリ押しし、最終的に美味しいところをまとめて持っていく姿は凄くかっこいい!!……のだけど、そこに至るまでの後ろ向き具合は正直ウザイくらいでありました…あれは被害妄想、というか"加害妄想"とでも言えばよいのでしょうか。アクシデントやトラブルの結果を全て自分の不始末だと思ってしまうのが性質悪い。しかもヒロイン格であるアリスも鳴海に輪をかけた加害妄想の持ち主なので2人してうじうじしだす辺り、なんともかんとも…2人とも動き出せばかっこいいのになぁ。

物語としては、私の中で1巻の顛末がかなり衝撃的だったので2巻は多少インパクトないなあ…と思う部分もあったのですが、その分普通にミステリーとして面白かった気がします。特に終盤にナルミが奇策を打ち出してからの急展開していく様は、物凄く面白かったです。ああいうノリと勢いとハッタリが効いた展開は大好きだ…!!

イラスト化された四代目は予想以上にオトコマエで素敵でしたね。兄弟の杯を交わすところの挿絵を見て、「四代目×ナルミ」とか想像したのは私のせいじゃないと思う。しかし、和服姿のアリス達をイラストで見られなかったのは残念でしょうがない。


神様のメモ帳

 

「ただの探偵じゃない。ニート探偵だ。世界を検索し死者の言葉を見つけ出す」路地裏に吹き溜まるニートたちを統べる“ニート探偵”アリスはそう言った。高校一年の冬に僕と同級生の彩夏を巻き込んだ怪事件、都市を蝕む凶悪ドラッグ“エンジェル・フィックス”―すべての謎は、部屋にひきこもる少女探偵アリスの手によって解体されていく。「真実はきみの平穏を破壊する可能性がある。それでも知りたいかい?」僕の答えに、普段は不真面目なニートたちが事件解決へと動き出す!情けなくておかしくて、ほんの少し切ない青春を描くニートティーン・ストーリー。 (「BOOK」データベースより)

ニート予備軍の主人公と、ニートな若者達、そして"ニート探偵"を自称する少女探偵・アリスが怪しげな麻薬転売組織に立ち向かうというミステリー。

「ばけらの!」「ピアノソナタ」しか杉井光作品を知らなかったので、青春全開でちょっといい話的なミステリーを想像してたら予想を遙かに超えて欝で病んでて重い展開の目白押しでびっくりしました。こう、なんというかアリスはミステリー部分担当で、メインとしてはやはり鳴海と彩夏の甘酸っぱくもどかしい恋模様を描くものだとばかり!!騙された?(いえ、こういうのも私大好きですけど!)

彩夏やニート達との交流によって少しずつ他人と触れ合う事を覚えていった鳴海。ところが彩夏が……となって、再び自分の殻に引きこもり、周囲の働きでなんとか立ち直って事件に立ち向かっていく…という展開が凄く良かったです。ラーメン屋の女主人の言葉を介さない励ましとか、クラスメイトたちのさりげない心遣いとかに、何度もホロリとさせられました。しかし、最初「前向きに立ち向かっていく」と書こうとしましたがちっとも前向きじゃないですよね。どちらかというと「なんとか持ち直して後ろ向いたまま全力ダッシュ」というのが正しいような。

ニートな仲間達のスペックが高すぎて「これ間違いなくNEETじゃねええーーー!」とか思っていたのですが、彼らがニートをやってる理由を聞いたらうっかり納得してしまった自分が居る。…うん、マジで「普通に仕事できる」って一種の才能だと思うんだ…私正直、一般職とか事務職で正社員でそれなりにちゃんと働けてる人、超尊敬します。私仕事中、ぶっちゃけ息抜きできないと生きていけない…。

しかしなんか、後半の超能力というか異能っぽい設定?はちょい唐突だったような…?アリスの正体といい謎のドラッグといい、何らかの不思議要素がありそうな伏線が張られている気がしますが、それなくても物語として成立したんじゃないかという気がしたり。それまでの人間描写みたいなのが気に入っていただけにちょっとラストだけ煙に巻かれてしまったような感覚がちょっとあって、そこが残念でした。

でも普通に面白かったので続きが楽しみです。


死神姫の再婚 私の可愛い王子様

[著]小野上 明夜 [絵]岸田 メル

フェイトリン5家の中でも最下位だったはずのロベル家が、アリシアの実家であるフェイトリンのお屋敷を売ってほしいと言い出した。物に執着を持たないアリシアが唯一最後まで手放さなかった屋敷ということもあり、招待を受けてフェイトリンに赴いたカシュヴァーン達だったが、そこでは豪奢な舞踏会とこれまで幾度となくカシュヴァーンを亡きものにしようと画策してきた男・ジスカルドが待ち構えていて!?
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天然ボケでちょっと変わった“死神姫”と暴君…と言われてはいるけど実は領民想いな成り上がり領主様の新婚生活コメディ第四弾。今回はついに宿敵ジスカルド・オーデル公爵との直接対決が描かれます。

…とはいえ、地方伯として権力をもつ完璧男のジスカルドには、流石のカシュヴァーンも大きく出る事が出来ず、ネチネチと続く嫌味攻撃にストレスばかりを貯める羽目に。しかもジスカルドはアリシアに、そしてジスカルドの妻・エルティーナはカシュヴァーンを誘惑し始めて恋模様も大波乱。完全に空気と化しているロベル家当主(ごめん名前忘れた)が可哀そう。

そんなこんなで否応なしに揺れ動くアリシアとカシュヴァーンの関係ですが、ひたすら天然で鈍感な妻と過去のトラウマに囚われて愛することに憶病な旦那ということで、なかなか関係が進展しないのがもどかしいかぎり。正直カシュヴァーンは最後の最後で自発的には関係を進めようとしない予感がするので、そろそろアリシアが自分の気持ちを自覚して動くような展開がほしいなあ…。このもどかしさが美味しいのだ、というのも実際あるのですが。

とはいえ、アリシアがカシュヴァーンとエルティーナを見て嫉妬のような感情を持ち始めたり、いつもの空気読めない発言を躊躇ったり…と、少しずつ二人の関係が変わり始めているのも確か。特にラストの展開はとても美味しかったです。

新キャラ的には、序盤はシィルとアリシアのすれ違いまくりの会話にニヤニヤし、終盤はエルティーナ様のオトコマエっぷりに全部持っていかれた感じ。特にエルティーナ様のキャラが最高すぎます。上流階級にありがちな淫らな大人の女性と思わせておいて実は結構純情乙女キャラ!!た、たまんねー!!!ぜひとも今後とも活躍して頂きたい。

あと、花婿候補乱立でいろいろおもしろすぎることになってるノーラにもさりげなく進展が?ティルナードとノーラのやりとりが正直たまらないのです。ノーラはティルに嫁いで舅(セイグラム)にいびられながら玉の輿すればいいとおもう!


死神姫の再婚 腹ぺこ道化と玩具の兵隊

[著]小野上 明夜 [絵]岸田 メル

カシュヴァーンの屋敷にアリシアの前夫の弟・エリクスが飛び込んできた。奇妙なお願いごとをしてくる彼に、バルロイの部下でアリシアとカシュヴァーンから「いちゃいちゃ」の秘訣を学びたいとやってきたレネの二人を加え、屋敷は今日も賑やか。そうしたら更に、エリクスを狙った暗殺者までやってきて…!?
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天然ボケでちょっと変わった“死神姫”と暴君…と言われてはいるけど実は領民想いな成り上がり領主様の新婚生活コメディ第三弾。今回は暗殺者の少年・ルアークの過去に焦点が当たります。

とりあえず少年暗殺者ネタ大スキーの私としてはルアーク関連の話だけでおなかいっぱいいっぱいだった訳ですがっ!!サイードのセリフがまたベタベタだわ、その言葉に惑わされたルアークがまた悶々と悩むわ裏切ろうとするわでもアリシア達をほっとけなくてらしくもなく悶々とするわな展開が美味しくてたまらなかったです。“兄”という存在に依存するルアーク萌え。

そんな展開でも、重くなりすぎないのが「死神姫」シリーズの良いところ。ルアークの過去やエリクスが屋敷の人間たちに虐待された話など、パーツだけ見ると暗い展開の目白押しなのですが、どこまでも空気読めてなくて他と一本ペースがズレてるアリシアの存在が場を良い具合になごませてくれます。神出鬼没で、場所と空気を読まずに「さあ、イチャイチャしてください!」なレネの存在も素敵でした。

しかし、一方で肝心のカシュヴァーンとアリシアの方がいまいちスパイス不足な気も。2巻までのように、アリシアが無茶な行動をしてハラハラするような展開がなかったからでしょうか。いえ、確かにアリシアのピンチにハラハラする展開は変わらないのですが、後半の展開が全部「アリシア誘拐→旦那様が助けにいっくぞー」なので、誘拐されてもいまいち緊張感がないというのが本音というか。個人的には段々我慢が効かなくなってきた旦那様の今後の活躍(イチャイチャ的な意味で)に期待したいところです。

…正直このシリーズで今、一番楽しみなのはノーラの花婿選びの行方かもしれない。


死神姫の再婚 薔薇園の時計公爵

[著]小野上 明夜 [絵]岸田 メル

突然、アズベルグの前領主・ディネロの所に結婚の挨拶をしにいく事をカシュヴァーンから言い渡されたアリシア。滞在中は普段仕事で忙しいカシュヴァーンと一緒に居られる、と素直に喜ぶアリシアだったがその裏では成り上がりのカシュヴァーンを亡き者にしようとする<翼の祈り>の陰謀が動き始めていて…?!
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天然ボケボケお姫様と暴君…と言われてはいるけど実は領民想いなツンデレ領主様の織り成すラブコメ第二弾。1巻を読んだとき程のインパクトはなかったものの、なんかもうキャラクターがみんな個性的で安心して楽しめるのが嬉しい。物語がどうのこうのというより、このキャラクターたちが動いて絡んでるというだけでニヤニヤしてしまう何かが。何かが。

初っ端からアリシアさんが前回自分が殺されそうになった毒を屋敷の人やカシュヴァーンに一服盛る事を、あくまで善意で考え始めたあたりからもう大爆笑。新キャラの時計伯爵・ディネロさん(こっちも天然)との要領を得ない会話にニヤニヤ。そして更にその二人の姿を見て嫉妬を隠し切れないカシュヴァーンをみてまたニヤニヤニヤ。電車の中で読むにはちょっぴりきつい書物でありました。

アリシアにたいする態度はその最たるものですが、カシュヴァーンの様々な部分におけるツンデレっぷりには始終ニヤニヤさせられっぱなしでした。税金を払わない貴族の納屋を焼き討ちにした件についての真意にいたっては、あまりに遠まわしな気遣いに笑いが止まらない。なんかもー、ほんと可愛いなあこの人は。

そんな二人とその周囲の人々にときめく一方、今回は1巻で後見人に裏切られた貴族の坊ちゃん・ティルナードに焦点が当たります。後見人に恵まれなかった彼が大きな後見人不信に陥りながらも、カシュヴァールに認めてもらいたくて仕方なくてついついツンツンデレデレしてしまう姿がとても微笑ましい。余裕のないカシュヴァールに愛称で呼ばれたときの反応とか、可愛すぎでしょう。そんな彼が今回、一つ大きな成長を遂げるわけですが……いや、ほんと最後の一言にグっときました。こういう可愛いおばかさんって大好きです、私。というかこれはノーラとのフラグが立ったと見て良いのだろうか。何気に似合いそうな気もするけど。

狙いすぎまでに「眼鏡キャラ」で「執事キャラ」なセイグラム氏も素敵。というか眼鏡とか執事なキャラは全然好みじゃないのに、うっかり何回かときめいてしまいましたよ!?ティルと併せて彼らの出番はひと段落?…という気がしなくもないですが、次巻以降も是非とも活躍して欲しいところです。ティル&セイグラムのコンビがもっと見たいとか思っている私が居る…。

しかし、セイグラム氏が大活躍するたびに、↓のマンガを思い出してしまったのは私だけじゃないよね!?
475751963X黒執事 1 (1) (Gファンタジーコミックス)枢 やな
スクウェア・エニックス 2007-02-27

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