振り分け試験中に天使を召喚しようとして、間違えて違法である悪魔・カグラを呼び出してしかも天使と融合させてしまった花村兄妹。送還はできないし、魔力は殆どカグラに持っていかれて他の天使の召喚もできない。あげく、曰くつきの「クラスX」に配属されてしまい……というお話。
メインである花村兄妹と自称「最凶の悪魔」であるカグヤだけでなく、癖の強いクラスXの「はみだし者」たちが、教官のしごきに耐えつつも少しずつ心を通わせていく展開が楽しかった。スニーカー文庫の特設サイトだとどうみてもネタ枠扱いだったボブが実は普通にイケメンな件。そしてまさかの仏教系筋肉男子。
両親を悪魔に殺されたせいで悪魔に潜在的な憎しみを持つ主人公・花村月斗が少しずつ考えを変化させていくのもよかった。家事をつかさどる天使と融合しちゃって妙に甲斐甲斐しく世話を焼いてくるカグラ可愛すぎる。あと、厳しいばかりではない教官の保護者のような視線がとても暖かく、きゅんとします。
色々辛い過去を持っていてもあまり重くなりすぎず、バトルもあるけどあくまで主人公コンビの成長と周囲の人間関係に終始した展開がとても好みだったんだけど、「兄妹いちゃラブアクション」っていわれると物凄い違和感を感じるので困る…。なんかこう、もうちょっと違う煽り文句はなかったんですかね!ラブコメというよりは擬似家族モノとしての要素の方が強いので、恋の鞘当を期待すると物足りないんじゃないかしら。個人的にはバトル展開メインだった「デーゲンメイデン」よりもこっちの方が好きです。
ところで、まさか富士見の新作でもノータッチだった「本日の騎士ミロク」のBLあとがきが今更蒸し返されるとは思いませんでした。BLあとがき楽しみにしてます!!!(え
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読了記録まとめ[2012年6月分]
6月の読了数は13冊でした。特にコメントすることがない。
6月の読書メーター
読んだ本の数:29冊 / 読んだページ数:4028ページナイス数:50ナイス
可愛くって少しバカ (キャラコミックス)「恋ならつぼみ」のオチが不意打ちすぎて転がった。天然っ子可愛いけどそれ以上に結衣の男前っぷりがかわいい。表題作は確かにもう何作か読みたかった気がするけど、どっちも自分が攻だと信じて疑わない最後の展開がツボすぎたのでこれはこれで良かった気もする。
バクマン。 19 (ジャンプコミックス)エイジとのアニメ化枠争いの流れににやにやした。いよいよアニメ化が決まってうきうき仕事減らす亜豆かわいすぎるとか思ってたらまさかの急展開で…福田先生の仲間想いがゆえの暴走かわいい。
君の隣で見えるもの (ディアプラス文庫)東北弁の部分はもうなんとかわかりやすくできなかったものか…あとがき読んだらかなりの箇所を誤読してた。同じ日本語でここまで違うのか、と感慨深くもなったけど。
しずまれ! 俺の左腕 (このライトノベルがすごい! 文庫)勇者でてからが色んな意味で本番だった。浪人生つええ。あと恋する幼馴染みが最強すぎる。
魔法少女育成計画 (このライトノベルがすごい! 文庫)このマスコットがゲスい!!16人の魔法少女達による潰しあいゲーム。ちょっと希望が見えたと思ってそっち行ったらそれ以上の絶望が待ってました!みたいな。とりあえずどこを見ても絶望。
オレンジ・デイズ (バーズコミックス ルチルコレクション)色々吹っ切れてからの栗山が男前すぎてかわいいいい。好きな子への行動がまさしく小学生な黒岩を手玉に取る様にニヤニヤがとまらなかった。あと菅谷とナミさんの番外編読みたいです超よみたいです。
はたらく魔王さま! 5 (電撃文庫 わ 6-5)漆原とガブリエルのやりとりで盛大にふく。漆原どんだけニートに誇りもってるんですか!?労働ネタはほぼお休みで天界魔界エンテ・イスラに現代日本まで巻き込んでシリアス度上がってきた感じ。千穂ちゃんが相変わらずかっこいいヒロインだった。
厄介なおとなりさん (キャラコミックス)距離を詰められないでもだもだしてる二人がかわいいけどそれ以上に空気よめない貢君が可愛いww 「温泉まで行ってエッチのひとつもしないマンガ」で盛大にふいた。
無敵のヴィーナス 1 (りぼんマスコットコミックス)再読。古賀かおりちゃんマジナチュラルブラック…
無敵のヴィーナス 2 (りぼんマスコットコミックス)再読。このあたりの楓は迷走してるなあ…誉ちゃんとかおりの、爽やかに互いに興味ゼロなやりとり可愛い。さゆりさんいい女。なんだかんだでてっぺいに対してデレ(違)はじめてる誉ちゃんにニヤニヤする。
無敵のヴィーナス (3) (りぼんマスコットコミックス (659))再読。ビーチバレー対決で、即答でペアの相手にてっぺいを指名する誉ちゃんたまらない。そしててっぺいの女装…。さゆりさんと西中キャプテンの話は切ないなあ。
無敵のヴィーナス 4 (りぼんマスコットコミックス)再読。誉ちゃんマジ対てっぺい専用ツンデレ…3年生の引退話も、ラストバトルもとても好きだ。そして九州コンビがラスボスすぎる(パパラッチ的な意味で)。
死神姫の再婚 -ひとりぼっちの幸福な王子- (ビーズログ文庫)アリシアの脳内カシュヴァーン様美化が止まらなくてやばい。そしてカシュヴァーン様の夫馬鹿一代、シルディーンをすくう(違)ようやくつきとめた『お話』の真実が切ないなあ。
番狗-ナンバー 1 (BLADE COMICS)美少年系暗殺者とか暗殺者系メイドさんと聞いたら手を出さないわけには…!しかしこの主人公はなんか物凄く男装女子フラグありそうで素直に萌えて良いのかビクンビクンする。中盤で露出したときに完全ぺたーんだから男子の筈だけど…だけど。サツバツとした登場人物たちの中、水都が癒し系すぎるけどこいつ絶対フラグ立ってるとか思ったらしょっぱなからフラグ回収されそうになっててふいた。
番狗-ナンバー 2 (BLADE COMICS)台詞がいちいちわざとらしいいかがわしさでジワジワくる…水都マジヒロイン。杏ちゃんはもっと女装男子っぽくてもいいのよとおもった
番狗-ナンバー 3 (BLADE COMICS)台詞がいちいちいかがわしいと思ったらほんとにいかがわしい展開になってたーーー!?水都が本気出したけどやっぱりヒロイン臭しかしない。杏ちゃんかわいい。
(仮)花嫁のやんごとなき事情 ~離婚できたら一攫千金!~ (ビーズログ文庫)ドS×男前女子!!
銀狼王の求婚 箱庭の花嫁 (一迅社文庫アイリス)コメディ成分がなくなった「死神姫」みたいな。たいへんシリアスだった。こちらの旦那様にも残念フラグが物凄く見えるのだけど、なんだかんだで発揮されなかったのが残念。
なぜあの方に恋したのかと聞かれたら… (白泉社花丸文庫)たいへんに攻が変態だった。受だまされてる、だまされてるよーーー!!! 個人的には「い、いまおこったことを話すぜ!俺が薬を取りに行っている間にry」状態だったあのカップルのその後が気になる。
デーゲンメイデン 1.台場、両断 (富士見ファンタジア文庫)バトルメインのシリアス話…しかも展開はやい。色々面白そうなキャラが多いので、バトルよりそっち掘り下げてほしかったよーな、それは次巻以降に期待、なのか。糸と膝丸がかわいい。
金星特急 (6) (ウィングス文庫)金星側の事情が見えてきたのが面白かった。流れ自体はサツバツとしてるんだけど、これ全部恋する乙女のテンパった結果だと思うとちょっとかわい…いや、やっぱ迷惑でしたね!書き下ろしのユースタスの話のオチにはびっくりした。
少年よ耽美を描け (5) (ウィングス・コミックス・デラックス)新葉の帯の才能で笑いすぎて窒息死しそうになった。BL百系の28番(女装コンテストなんて聞いてねえぞ!?な情景)ください。
ネクラートホリック (ビーボーイコミックス)なんか全体的にイマイチよくわからなかったなぁ…要所要所では「おおっ」ってなるんだけど。
秘密が花園 (キャラコミックス)どっちの組み合わせもとても好きだった。受が好きすぎてテンパっちゃって一周まわって残念なコワモテとかドSの手のひらでおどらされるバカな子好き……熊谷くんの話もみたかったです。
彼と人喰いの日常 (GA文庫)設定と中盤までの展開は面白かったけど…なんか全体的にそれでいいのか主人公みたいな…。結論に至るまでにあと一押しなんか欲しかったな。
はたらく魔王さま! 1 (電撃コミックス)原作小説を忠実にマンガ化しました系だけど、絵柄の違和感も少なくとにかく各キャラが所狭しと暴れまわるのが可愛い楽しい。あと大家さんが原作以上にスゴい。まだ1巻の中盤なので次回に出てくるはずのあの人に超期待。恵美と梨香の、お泊りの時のやりとりにはじんわりした。
ロッテのおもちゃ! 7 (電撃コミックス)全体的におっぱい祭だったけどナオヤの雄っぱい大盤振る舞いが衝撃的過ぎて……あれこんなにガタイよかったっけ!?しかもまさかの乳首権発行だよ!?そしてこんなちょっとの間で女装慣れしちゃだめだ!?
俺はまだ恋に落ちていない (GA文庫)あ、愛が重い!!田所と山城ができてるようにしかみえない。
モバイルスイートハニー (ディアプラス・コミックス)どの組み合わせもかわいかったけどメイン2人のやりとりがもうかわいすぎてかわいすぎて……「デジタルスイートラバーズ」ラストの由井の男前っぷりに転がらざるをえない。
きみがすきなんだ
付き合っている彼氏が、自分はあまりそういう事が好きではないのに執拗に肉体関係を求めてくる事に疲れ、落ち込んでいた夏月。隣に住む小学生の冬弥が何かと気を使ってくれていたのだが、いたしているところを見られてしまって……というお話。
小学生攻の冬弥がほんとに男前すぎる。生意気発言しながらもさりげなく気遣ってくれたり、成長してからも同性との肉体関係で嫌な思いをした夏月を気遣ってプラトニックな関係を貫いたり……と年下とは思えないよく出来た彼氏ぶり。個人的には小学生攻ならもうちょっと挿絵の方も体格差があってもよかったのよ!!と思ったけど小学5年生だとこんなもんか。
しかし、攻がオトコマエすぎるせいか受の夏月ももうちょっと男らしくてもよかったんですよ?という気がしなくもない。性的嗜好を受け入れてくれる人だからと安易にお付き合いしてすれ違ってしまって自分から軌道修正もできない…という流れはわからなくもないけど、もう少し自分から事態を動いてほしかったなあと。微妙に、悲劇のヒロイン的な自分に酔ってる雰囲気も感じてしまったし。
個人的には成長編で手嶋と冬弥のバイト先が同じ、っていうエピソードが一番ときめいたのですが。入院中の手紙のやりとりとか、なんだかんだで夏月の一件で微妙な火花が(冬弥から一方的に)とんでたりとか、個人的には本命カップルよりも三角関係の攻二人のやりあいのほうが美味しかったです。特に手嶋の最後の台詞のニヤニヤせざるをえない。バイト先で絶対ねちねちと昔の一件持ち出されてるんだろうなあ…!!
というか手嶋が普通に話せば解りそうな相手だからこそ、夏月の流されぶりが鼻に付くんだ……。
俺はまだ恋に落ちていない
友人・田所の引越しを手伝わされた際に出会った、田所の双子の姉妹への「アタックけん」をもらってしまった赤井。それ以来なにかとふたりと出会う機会が増えたのだが、姉妹の仲が悪いのが物凄く気になって…というお話。
過去のとある事件をきっかけにして人間関係に色々と機敏になってしまった主人公が、双子の姉妹やふたりの周囲の人々の関係を見過ごせず、時にはおせっかいすぎるくらいに親身になってあげる姿が好ましく、かっこいい。正直メインのラブコメ分よりも、周囲の人間関係と主人公を中心にするどこか淡々とした青春模様の方が面白かった。特に不仲になりかけていた恵衣美の友人カップルを、無関係の赤井が首突っ込んで仲直りさせる展開はアツい!
ただ、タイトル的にもっとラブコメラブコメしたものを想像していたせいか、ラブコメとしてはちょっと物足りない感が強いかなあ。双子から主人公への好感度がかなりしょっぱなからMAX付近なのに物凄く違和感あったし、一方の主人公はどこまでも過去のトラウマから不仲だった人間関係を見過ごせなかっただけという感じがして、タイトル通り「俺はまだ恋に落ちていない」状態。…なのに、相手の方は結婚まで考えてるってちょっと愛が重いよ!!赤井にも双子にも色々と裏がありそうな感じはしたのでもっとその辺を1巻からばんばんだして欲しかったというか、多分続刊以降色々見えてくるんだろうけど、1巻だけだと色々と説明が足りなくて残念という印象を受けました。
ところで、田所(兄)と山城はデキてるんですか?
彼と人喰いの日常
「初めまして。大神黒衣と申します」突如転校してきたその美少女は、高校生神咲十夜の“自称婚約者”。だがその正体は…。『月に一度、人を喰わせてもらう。それがわしとの契約じゃ』殺されかけていた十夜が、助かるために契約してしまった人喰いの妖だった!契約に従い、毎月一人誰かを彼女に喰わせなければいけなくなった十夜。「大神さんは、十夜くんとはどういう関係なんですか!?」だがそんな事情とはお構いなしに、幼馴染の来海立夏が黒衣に話しかける。これは、妖と暮らすことになってしまった少年の“板挟みな日常”の物語。『末長く、よろしく頼むぞ我が主』第3回GA文庫大賞奨励賞受賞作。(「BOOK」データベースより)
虐めを受けていた最中に自分に語りかけてきた謎の存在に誘われるまま、契約を結んでしまった十夜。それは人喰いの妖である『彼女』を使役できるかわりに、毎月1人ずつ殺しても良い人間を提示しなければいけないというもので……というお話。
黒衣とほぼ無理矢理契約させられてしまい、自分が手を下さないとしても誰かの生命を左右するだけの能力を握らされてしまって思い悩むという序盤の展開は凄く良かったです。死ぬ人間も自由に選ぶ事が出来て、死刑直前の人間とか、もう死ぬのが確定している人間でも構わない。でも、それでも人間の生命を奪うのは普通の高校生にはあまりにも重くて……という展開が良かった。
……んだけど、その後の展開が…これ乱丁で一章分抜けてるんじゃないよね?もう完全に状況に流されたとしか思えないというか、行動が全体的に軽すぎる。なんかあんまり葛藤もしてないし、色々と重たい選択をしてるはずなのにそれが全然見えてこない。
そしてラスト。契約を破棄する方法を提示てなおかつ現状を維持するってめちゃくちゃ重い選択だと思うのに、主人公が黒衣に対してそこまで入れ込む理由が全く見えなかった。もうちょっとこう、主人公と黒衣が距離を詰めるエピソードがないと感情移入不能っていうか、全体的に本当にキャラクターが物語に動かされてるという印象しか受けなかった。
一昔前の電撃や富士見にちょくちょくあった、いわゆる「暗黒ラノベ」的な重たい話が読みたいなあとおもって、物凄く期待して手に取ったのに、色々な意味で残念でした。
金星特急6
クライマックス目前のシリーズ第6巻。長らく引っ張ったけど予想よりあっさり合流したなあ。錆丸と砂鉄達の合流もそうだけど、伊織達との再会もそう。
場面描写は短かったけど、金星の元に集う恋する女の子組の動きが面白かった。どうしてもこれまでやってきたことから恐ろしい、人間外の存在としてのイメージが強い金星だけど、不思議な力を持ってる以外では案外普通の女の子で。錆丸と他の女の子の急接近にテンパって金星特急を迷走させちゃうなんて、よく考えるといかにも恋する乙女っぽくて可愛いじゃないですかー!!………まあ「可愛い」じゃすまない、えぐい被害でてるけど!!
個人的には書き下ろしのアルベルトのちょっと切ない初恋のお話と、ユースタスが不思議な力を得ることになったきっかけのお話がとても好きでした。しかしユースタスの話のオチにはびっくり。まさかそんなところにこの人が関わっていたとは……本来、金星特急には乗り込めないはずのユースタスが特急に乗り込めたのはこの辺の事情もあるのかしら。
次巻いよいよ完結編。物語がどんな結末を迎えるのか、本当に楽しみです。
なぜあの方に恋したのかと聞かれたら…
へ、へんたいだーーーーっ!!!
すごく攻が変態だった。紳士だけど変態紳士だった。王女様のお話し相手としてお城に招かれたはずなのに、いざ王都へ向かってみたら道中ではセクハラうけまくり。何か様子がおかしいぞ!?と思っていたら「子種の出来ない王女様と子供を作って欲しい」といわれて……というお話。
とにかく世間知らずでピュアな主人公が変態貴族のルドガー様にかどかわされていくのがいかんともしがたく、とりあえず逃げてというかんじ。そして何故か気がついたらルドガー様にほれる主人公。なんというか久しぶりにわかりやすいファンタジーほも(※現実には存在しえない超展開、の意)を見ました(ほめてます)色々と「これでいいのか」という終わり方ではあるんだけど、一方でこの「だまされてるーーー!!」なやりとりが個人的には楽しく、にやにやしながら読めました。
個人的に、「い、いまおこったことを話すぜ!俺が薬を取りに行っている間に同僚がほもになってry」状態だったユリウスとクラウスのほうのスピンオフとかあったらとても読みたい。
デーゲンメイデン 1.台場、両断
人間の姿をとり、不思議な力を持つ『Dアーム』。両親と妹の仇を討つためかつて九郎義経が持っていたという複数の顔を持つ刀・薄緑の伝承者となった少年・若林練司はしかし任務でも人間を斬ることが出来ず、苦悩する。そんな時、偶然Dアームと契約してしまった少女・島原糸の護衛をすることになって…というお話。
さまざまな重い過去を持つキャラクターたちが、その問題と折り合いつけながらちょっとずつ前進していく姿がアツかった。特に、最初は自らの『呪い』におびえて状況に振り回されるだけだった糸が最終的には思い悩む練司の背中を叩くポジションにまで成長するのにはニヤニヤがとまらない。あとは終盤の膝丸が無邪気かわいかった。
ただ、世界観設定や物語やキャラクターには凄く惹かれるんだけどバトルをメインに押し出してるせいか全体的に物凄く駆け足というか、なんか物足りなさが拭えない。主人公の過去とか、重い展開も多いんだけどなにか重くなりきれてない感。個人的にはバトル展開よりもキャラクターとか掘り下げてほしかったんだけど…。
1巻から次巻への伏線はりまくりなお話だったので2巻か3巻あたりで面白さが一気に右肩上がりしそうな気配を感じるので次巻以降を楽しみにしたいです。
銀狼王の求婚 箱庭の花嫁
兄達に虐められていたエレンシアを叱咤し、励ましてくれた憧れの王子様・フレドリクセン。彼の所に嫁ぐことになり長年の想いが叶った、と喜んだのも束の間フレドリクセンはその身に降ろすフェンリルの力に振り回され、すっかり人格を変貌させていた……というお話。
北欧神話の世界観をベースにした、コメディ要素完全排除のどシリアス「死神姫」みたいな感じ。フレドリクセンにも物凄く残念夫フラグが立っているんだけど、それが1巻では全く発揮されなかったのがちょっと残念。
5人の兄たちから酷い苛めを受け、唯一慕っていた兄は変貌し、すっかり男性恐怖性になってしまったエレンシアが、男ばかりの中でも精一杯奮闘する姿がなかなかかっこよかったです。
面白かったんだけど、個人的にはもうちょっとコメディっぽいノリの話の方が好みだったのでどうしてもその辺期待してしまったというか…いや、もう最初から最後までシリアスならそれはそれでいいんだけど、コメディの伏線だけは見えるだけに…奥手ぶりを中二病で押し隠すフレドリクセンの迷走っぷりが見たかった。2巻あるのかなあ……
死神姫の再婚 -ひとりぼっちの幸福な王子-
ゼオルディスの望む「物語の続き」が書けたらグラネウスの処刑を取りやめてくれる、という言葉を受けてゼオルディスと向き合う覚悟を決めたアリシア。その一方で、王子に味方する人間はどんどん減っていき……というお話。アリシアの脳内カシュヴァーン様が光輝きすぎてやばい。
アリシアが漸く突き止めたゼオルディスの「物語」の真実がとても切ない。ゼオルディスの態度からして薄々そういう方向だろうなというのは解っていたんだけど、ずっと張り続けてきた虚勢の裏から覗く本音が、切なかったです。
着々と味方を失っていく王側と、離脱した軍勢も取り込んで大きくなっていく女王側の対比が凄かった。特に女王側のドンチャン騒ぎの直後、王宮側の話をもってこられるともう。個人的に今回ある意味一番の見所だったのはジスカルドと、トレイスかなと。肝心な事にまるで鈍感なジスカルドのうろたえぶりと、そんな状況でも小姑根性忘れないトレイスの肝の据わりっぷりに大変ニヤニヤした。トレイスは嫌かもしれないけど、なんだかんだいってシャンテとお似合いなんだよね……しかしなぜトレイスの服装をちゃんと挿絵にしてくれなかったんですか。
長く続いた夫婦の離別編もそろそろクライマックス。これまでなかなか動きを見せなかったカシュヴァーンがついに動き出して、夫婦の再会に向けての期待が高まって仕方ありません。そしてカシュヴァーン様夫馬鹿一代ここにきわまる。








