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カッティング Case of Mio

[著]翅田 大介 [絵]も

恐ろしく美少女で頭も良いが左腕に血の滲んだ包帯を巻いてリストカットの跡を晒し、クラスの中でも孤立している少女・西周ミオ。そんな彼女に一目惚れした相坂カズヤはミオに告白し、付き合うことになった。暫くはお互い隣り合って静かに本を読むだけの毎日が続いていたが、徐々にミオも心を開き始める。ところが、ある日ミオが通り魔に襲われて…
 

「リストカット」という題材自体は正直好きではないのですが、表紙絵に惹かれて購入。序盤の主人公の明らかに高校生らしからぬ言動にウンザリしかけたりしましたが、ミオの態度が変わってくる辺りから語り部である主人公・カズヤの態度も少しずつ変化してきて、それ以降は一気にストーリーに引き込まれました。正直、前半の主人公の言動をどれだけ許容できるかで相当評価が変わってしまいそうな作品です。まあ、その後も基本的に主人公は過剰なまでの気障発言を連発し、私たちを間違った意味でクラクラさせてくれますが……いいんかこんな高校生…

最初は会話もせずに本ばかり読んでいて周囲からも異様な目で見られていたのが、ミオがカズヤに話し掛けた事をきっかけに、本当に少しずつ二人の距離が縮まっていくという過程が凄く良かった。初めてのデートで緊張したり、互いの家に行って勉強したり……と、だんだん行動が普通の高校生カップルになっていくのが本当に素敵。

ただ、そういうもどかしい二人の関係が凄く気に入ってしまったので、中盤でミオが通り魔に襲われて以来の近未来SFっぽい設定がちょっと蛇足に思えてしまったり、みなかったり。後半を読んでいくと蛇足な設定ではない事がちゃんと分かるんだけど、そこにたどり着くまでが遅い。なんか普通にこのまま、リストカット少女と重度の中二病患者である主人公がお互いを感化しあって良くなっていく話でも良かったのになあとか思って、少し残念。

主人公が今まで自分に感じていた違和感の正体に気づいたり、ミオがリストカッターである真の理由が明かされる後半は、ある意味このストーリーで微妙に思っていた部分の種明かしを受けているようで面白かったです。確かにミオがただのリストカッターだったらもっとどろどろした話になっていた可能性が大きく、上手く説明を付けたなあと。ラストは青春らしい、熱い展開で最初予想していたのとは大きく違ったけど、楽しく読めました。

個人的には、主人公が中学時代にお世話になった元生徒会長・沙姫部先輩が非常にツボ。やはりラノベの生徒会長キャラは一味違うぜ!!

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