[著]氷室 冴子 [絵]後藤 星 業を煮やした瑠璃姫は帥の宮との直接対決を決意。三条邸の面々が瑠璃姫の子宝祈願に出かけている隙に帥の宮をおびき出そうとする。守弥の立てた計画は恐ろしいほど完璧だった筈なのだが、敵は一枚上手のようで…!? |
「人妻編」の頃から続いていた高彬の一種異様なまでの嫉妬心がひと段落したのはよかったけど、一難去ってまた一難という感じ。というか凄い久しぶりに瑠璃姫が活躍している姿を見たような気がするよ…(特に人妻編と不倫編は守弥と煌姫が輝き過ぎだったと思う!)
『敵の敵』という感じでお世辞にも「仲間」とは言いづらかった守弥と煌姫が段々仲間っぽくなってきたのが面白い。特に煌姫は意外な一面を発揮して、今回ので一気にいい人ポイントが上昇ですよ。様々な意味で彼女の場合自分の中の主義主観がまっすぐで、なんか本当に見てて気持のよいくらいの人だなあ。
そして守弥は今回の一件で完全に「対帥の宮」という方向で仲間に引っ張り込めた感じ。どこまでもどこまでも高彬LOVEで、高彬の損得という視点でしか物事を見れていない徹底ぶりには思わずニヤニヤしてしまいます。由良姫への評価や、瑠璃姫のことを見直すきっかけも全部高彬がらみなんだから色々酷い。瑠璃姫の影のプレーンとして、冷徹な策略をめぐらす姿にはうっかりときめいてしまったのですが、その後の「高彬LOVE」っぷりでいろいろ台無しです。まあ、そこが守弥の萌えポイントなんだけどね!!
しかし、今回それなりに活躍があった瑠璃姫はとにかく、高彬がすっかり影薄くなっちゃってるのがさみしい限り。最近では瑠璃姫の周囲に波風を立てる役・瑠璃姫とのイチャイチャ担当・宮廷での情勢解説役くらいのところで落ち着いてしまっている気がして、ちょっと物足りない。2巻で見せたあの有能官吏っぷりはどこへ…