[著]氷室 冴子 [絵]後藤 星 帥の宮の企てた陰謀は秘密裏に暴かれた。全て一件落着…したかと思ったが、どこかスッキリしない、ちぐはぐな何かを感じるものの、自分では動きが取れない瑠璃姫。この事件の真相を読み誤っているのではないか…そんな不安を感じていた矢先に、藤宮から思わぬ事実を聞かされて…「帥の宮」編完結! |
うわああああ最後の最後で、久しぶりに高彬が有能っぷりを全開にしてるよ!!一連の帥の宮編では瑠璃姫に嫉妬の炎を燃やすばかりでぶっちゃけろくな出番なかったから、余計にその活躍が輝いて見えます。瑠璃姫も違和感程度にしか思っていなかった帥の宮の思惑を見事に見抜き、「畏れ多くも」が口癖の頑固な忠義者が女達の行動に突き動かされて帝の思惑とは違うところで動くという一連の活躍っぷりがもう本当にたまりません。
そして、帥の宮を巡る女達の想いと行動に胸を抉られる。泣いてばかりのなよなよ女房だと思ってた大弐の思わぬ活躍とか、桐壺女御や由良姫の想いとか、本当に意外な人の意外な面ばかりを見せ付けられるお話だったかと思います。特に大弐と由良姫が高彬を動かすためにとった行動する場面はなんとも衝撃的でした。
最後までドキドキハラハラが止まらなかった物語も大団円で完結。
個人的には由良姫や守弥&煌姫のその後、融の恋のゆくえが語られなかったのがちょっと残念…中学時代、夢中になって読んだ物語だったので、作者さんがすでに亡くなられていて、永遠に続きが出ることが無いと考えるとちょっと寂しいものが…。
あらためて、楽しい物語をありがとうございました。