[著]氷室 冴子 [絵]後藤 星 なんとしても、帥の宮の目論見を暴いてやる!と行動を開始した瑠璃姫は煌姫を帥の宮の元に送り込み、自らも後宮に乗り込む。その頃、後宮では物の怪騒ぎが発生していた。東宮生母である桐壺女御の不遇な扱いに同情する瑠璃姫だが、それが元で思わぬ事を口走ってしまって… |
瑠璃姫が一人で無茶をするのは1巻・2巻の頃と変わらないのですが、基本的に鷹男の「おてつだい」の域を出なかった1巻、ある意味事件の構造自体は単純だった2巻の事件と比べてかなり複雑な事件になっていて、事件の謎解き自体が非常に面白かった。次期東宮の擁立とか由良姫の入内とか、平安時代ならではの要素がかかわってくるのが楽しい。平安モノスキーとしてはたまらない展開です。
そんな帥の宮の陰謀にたどり着く瑠璃姫なのですが…この辺にたどり着いたのはやはり常識にとらわれない、自由な姫だから?普通のお姫様だったらこんなに頭が回らないんじゃないかという気がしてならないのですが、宮仕えもしておらず、宮廷の情勢も高彬から伝え聞くだけのはずの彼女がここまで頭が回るのがちょっと不自然に感じなくもなかったり…まあそのへんは、少女小説だし深く気にする部分ではないのですが(それ以上に、急展開する物語が面白いので)
しかし、ようやく帥の宮の陰謀が見えてきたとおもったら…まさかまさかの急展開!そしてそのまま次巻へ続く!!これリアルタイムで見てたらさぞかしヤキモキしただろうなあ。