[著]皆川 ゆか [絵]乱魔 猫吉 《魔法使い》への気持ちを自覚したライコは、坂崎と戦っている彼を助ける為に《女帝》とのフェーデを受ける事を決意する。ところが、彼女とのフェーデで提示された“改変”の内容は、ライコにとって思いもよらないものだった。“改変”を阻止するか、躊躇ってしまうライコだったが… |
大河と大河兄の関係とか、ライコ&《女帝》&《女教皇》の関係とか、おおむね予想したとおりだった。しかし、未来の唯との別れや《女帝》とのフェーデの場面は本当に胸に痛かった。大河兄があの時代に存在したという事は……というのは予想できていたけど、ライコ・大河・唯の報われない一方通行の姿が凄く悲しい。大河兄の名前も、いざ物語のキャラクターの言葉として聞かされるとまた全然重みが違う。しかし、唯の物言いから言うと、ライコがあの時点で消えてから13年間一切会ってないような言い方に思えるのは気のせいかしら。《女教皇》の事を考えると、どこかの時点で……というのは間違いないとは思うのですが。
《女帝》とのフェーデの内容も、これまで「誰かを救いたい」という形で“改変”を食い止めていたライコにとっては、その逆に回らなければいけないという事はこの上なくつらいことで……でも、ある意味それが致命的な形となって彼女の前に提示されるような形になるまえに自覚出来たのは不幸中の幸いというべきなのか。今後ティターンズのやってることの一端を知ったライコがどう動くのかも気になる。
ラストで漸くライコと《魔法使い》、二人の思いが通じた……と思ったらこういう形になるのか!!《女帝》の最期を見ていると、ある意味この後のライコが辿る道は読者には見えてしまっているわけで、第二部ではイチから二人の関係をリセットして、待ち受ける運命を“改変”していくような方向になるのかなあ。第二部の物語がとても楽しみです。