[著]皆川 ゆか [絵]乱魔 猫吉 『メデューサの首』に、あのラスプーチンの遺骸が利用されていると知った《魔法使い》と《女教皇》は施設を破壊しようと試みる。ところが二人を止めたのは最強のティターンズと言われるタロットの精霊・《力》だった。彼女によって《魔法使い》とは別の場所に飛ばされてしまった《女教皇》は、《力》のパートナーである《審判》に出会い… |
敵である《正義》側が普通にいい人っぽくて、味方側の《力》&《審判》がとてもうさんくさいということもあって、自分のやることは自覚しているものの色々と揺れる《女教皇》。実際、ティターンズのやっていることは“アカシック・レコードの運命に従う”ってことなんだから、マダム・ゴーリキーの言うように「運命に従って死のうとしている誰かを護ろうとするプロメテウスvsそのまま殺させようとするティターンズ」って構図はあってもおかしくないんですよね。というか今回の《死神》と田村のコンビはとにかくとして、プロメテウスが事態を悪くするような改変ばかり起こそうとするのには何らかの理由があるのかなあ。どうせなら何かいいことすればいいのに…とか思ってしまう。
今回一番大きな動きといえば、《女教皇》が遂に自らの象徴の力を思い出した事か。かなり応用範囲の広そうな能力だし、今後この能力をどうやって使いこなしていくのかという辺りも楽しみ。確か《月》の体験で出てきたときでも全能力を使いこなせてなかった気がするので、今後の物語における大きな切り札になっていくんじゃないかなあ、と期待。しかし、そろそろ《女教皇》は記憶を取り戻しませんか…括弧文字で表記するの面倒くさい私がいるよ!
《力》や《審判》の意味深発言の通りに、なんだか嫌な方向に物語が転がっていきそうで漠然とした不安が。というか、あれだけ意味深に言われると《女帝》《皇帝》がプロメテウスに寝返った理由とかも改めて気になってきちゃう。そして重い展開続きの中、中盤の《正義》コンビ+カーシャと《女教皇》《恋人たち》のやりとりが凄い癒しになってるのですが、その分ラストのあの展開がうわああああ痛いいいいい!とにかく続き続き…!!
余談ですが《節制》は能力がえげつない分、出るとかませ犬ポジションだなあ、とか失礼な事を思った私です。