いろいろな人から噂で聞いていた「帝人、覚醒する」のまき。
ドタチンvs六条千景の爽やかバトル具合やら、人間超越しすぎ気味な静雄の大活躍やら新羅セルティカップルのニヤニヤなやりとりの裏で青葉や臨也の思惑に乗せられて追い詰められていく帝人が葛藤し、自らの無力さを自覚していく展開の容赦なさが凄い。味方であるセルティや杏里、静雄ですら彼を追い詰める材料となっていくのがとにかく容赦ない。特に、杏里については「彼女を守りたい」と思う気持ち故の焦燥・羨望だと思うと……なんともやりきれないものがある。
……しかし、噂の「覚醒帝人」はあまり自分好みの覚醒じゃなかった……なぁ。なんか皆私があそこがツボに来ると思ってたようなんですが。1巻のダラーズ集結的なかっこよさを期待していたので、どちらかというと正反対のベクトルな展開に引いたというのもあるけど。その後既に原作読まれてる方と少し語らせて貰って自分の考えを整理していたのですが(読了直後は自分の考えがまとめられない程度に衝撃受けてた)、やっぱりどんなにカッとなったとしても、その裏に彼なりの思惑があったとしても、最終的に背中を押したのは「杏里達を守れる自分で居たい」という気持ちが少なからずあったとしても、ブルースクエアの思惑にだけは一時的にでも乗って欲しくなかった(ネタバレ)んですよ…ね…あくまで「ダラーズのボス」として帝人が活躍するのを楽しみにしていたというか。6巻ラストの展開だけだとあまりにも彼の考えが見えてこなくて、かっこいいというよりも不気味に思えた。まだ純粋に悪意だけな折原臨也の方がわかりやすいというか、なんだかなあ。
でもそこに至るまでの展開はとにかく容赦なくて、とにかく凄くて……なんというか、衝撃だった。なんか、自分の期待していたのとは別の方向に物語が進んでしまったけど、そんなのどうでもよくなるくらい凄かった。読んだあと暫く考えがまとめられないくらいには、衝撃だった。とにかく「凄い」としか言いようがない。
……とりあえず、7巻以降で彼の意図が見えてくるのを楽しみにしてます。