不老不死になってしまった身体を治すため、再びミロとともに旅に出たビスコ。まずは出雲に居るという噂の『不死僧正』を訪ねることにするが、旅の途中で助けた異様な風体の老人から不意打ちされて……。
相変わらず、劇場版の長編アニメーションで見たいような面白さ。『錆喰い』が持つ異常な再生能力が災いして逆にその再生能力に喰い殺されそうになるビスコ、敵の侵食によって強みである冷静な思考能力を奪われるミロ。1巻ラストの時点でかなり無敵感のある2人をどうやって動かしていくのかと思っていたら、絶妙に2人の弱点をついてくる形で危機に陥らせていくのがめちゃくちゃ上手い。本来の強みを活かせない彼らがギリギリの状態で前回以上の強敵に立ち向かっていかなければいけない展開と、そこを仲間たちの力も借りつつ最後は2人の絆の力で打破していく展開が熱かった。
そして敵である不死僧正ケルシンハがとにかく老獪かつ厄介かつ強欲なジジイでとてもいいキャラしている。読んでるだけで強さがビシビシ伝わってくるし、やってることは最高に胸糞だし……その割に、最期の爽やかな読後感と来たら!!どこまでも諦めが悪いのがこのジジイらしく、そこを完膚なきまでに叩きのめす姿が爽快でした。
世界の謎も少しだけ明かされ、不老不死の体の件は一周回っていっそ解決でいいんじゃない!?みたいなとこあるけど大変続きが気になる終わり方で楽しかった。3巻も楽しみ。
それにしても、今回は抜き身の刃のようなミロの一面が見れて大変に美味しかったんですけど、それはそれとして完全にミロがビスコの正妻ムーブしてて面白いし、何かと自分の姉と結婚させようとしてくるのジワジワと面白い。パウーさんは超いい女だし最高にえっちなお姉さんであるけど正直ビスコとフラグが立っているようにはあまり見えず、正直「ミロがビスコと血縁になりたくてゴリ押ししてるのでは!?」感すらあるし、パウーさんの立ち位置もどっちかっていうと面倒くさいお義父さんって感じなので正直ビスコと結婚するビジョンが見えない。
もういっそパウーさんに条例作ってもらってミロとビスコが結婚しよう(そうじゃない)。