夜魔 | 今日もだらだら、読書日記。

夜魔

オンライン書店ビーケーワン:夜魔
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夜魔

発売:2005.11
発行:メディアワークス
[著]甲田 学人
posted with 簡単リンクくん at 2006. 6.19
「Missing」の名脇役(というか悪役?)神野・詠子コンビの周囲で起こる怪奇を描いたハードカバー短編集。

個人的に、何故電撃文庫の作品がここで挿絵なしやハードカバー方向に力を入れ出したのか疑問なんだけど(ラノベはイラストがあってなんぼだと思うので)、でも甲田さんの小説は元々あまりラノベらしくない、小難しい内容なのでこれもありかな、と。
ただ、電撃HPに載っていた時は挿絵入りだったと記憶しているので、かなり贅沢な使い方してるなあと思います。ちゃんと挿絵がついてるものをわざわざ挿絵だけなしにして出版する意図がようわからんです。

空目様の小難しい都市伝説講義がなくなった御蔭で、ライトノベルではなく、完全な「伝奇・ホラー小説」という形になってしまってますね。学校の怪談とかそういう系の本だと思って読むと良いかと。Missingも背筋の凍る描写が満載でしたが、今度は「正義の味方」たる空目達がいない為、全話見事に救いのない展開となっています。ハッピーエンドじゃないと許せないという方は死んでも見ないほうがいいです。あと、オバケや怪談苦手な人。これ読むともれなく夜眠れなくなる、飯が喉を通らなくなるなどの副作用が起こります(笑)


尚、独断と偏見で一番怖かった話を選ぶなら断然「薄刃奇憚」。
元々プチ先端恐怖症のケがある私は吐き気を催しそうになるほどの破壊力でした。主人公がリスカする時の情景描写や心象描写が物凄い真に迫っており、もう始終自分が鳥肌。Missing5巻の赤名裕子が自分の眼球にガラスを突き刺す場面が延々と続くと考えてくれれば良いかと。それでも最後まで思わず読んでしまう辺りはもう甲田マジック。しかし、リスカの描写がリアルすぎて怖いんですが…甲田さん、リスカ経験あるの?とツッコミたくなりました。

読後感は最悪ですが、それでこそMissingてかそうじゃなきゃMissingじゃないよねということで、最高の読後感の悪さに★5指定(笑)

心臓の悪い方、怪談が苦手な方は絶対に読まないように!
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