[著]三上 延 [絵]純 珪一
先日目にした戦いでの拓也の様子に一抹の不安を覚えた礼菜は、ルスラン=ヴォルクに連れ去られてしまった日向子を助けるために鞠子と共に“城(カストラ)”に潜入した。これ以上拓也を戦わせないために。しかし、礼菜達が居ない事に気づいた拓也も享司の手を借り、二人を追う。そして“城”にたどり着いた一行に、次々と真実が明かされる…!
最終巻だという割りに、全体的に地味というかなんというか…打ち切り臭さえ漂うラストバトルだったのがちょっと不満です。次々に真実が明かされ…………ていくのはいいんだけど、せっかくのおいしい設定を数十ページのために浪費している感が否めなかったというか。先日目にした戦いでの拓也の様子に一抹の不安を覚えた礼菜は、ルスラン=ヴォルクに連れ去られてしまった日向子を助けるために鞠子と共に“城(カストラ)”に潜入した。これ以上拓也を戦わせないために。しかし、礼菜達が居ない事に気づいた拓也も享司の手を借り、二人を追う。そして“城”にたどり着いた一行に、次々と真実が明かされる…!
金色の戦器以外は全く扱えない特殊なアルカミレスであった拓也の正体、そして彼の過去、日向子の正体とその本物の戦器、ルスランの真の目的だのグロスマンの戦器の正体だの享司の真意だのが一気に明かされるのでちょっと読んでる側としては置いてかれ気味というか…もう少し早めに明かすか、もう1巻くらい続けて見せ場を作ってあげても良かったんじゃないかみたいな設定が多かったのが残念です。特に日向子は結局最後まで戦力としてはどこまでもかませ犬みたいな印象がぬぐえなかったし(その分“ヒロイン”としての魅せ場が多かったのでなんともいえないんだけど…)、享司の正体も普通に考えたら相当美味しいのにラストバトルの捨て駒以外の役割を果たせていないのが本当に残念。
ついでになんというかルスランの行動原理がえらいしょぼ…ゲフンゲフン。
しかし、その部分を除けばあれだけたくさんあった伏線を綺麗に消化して、ちゃんと各キャラの見せ場も作って…とかなり上手い終わり方だったと思います。ただ、なんというかイマイチ盛り上がりに欠けるというか…どこかのサイトさんの感想で読んで納得したんだけど、なんか面白いけど「地味」なんだよね。この人の作風は。
キャラクター的には主人公&幼馴染2人も大変良いのですが、それ以上に脇役が光っていた作品だと思います。特に毬子が友典と出会うことで少しずつ変わっていく過程は凄く好きだったです。あと、とにかく享司が凄くいいキャラでした!というか、良いキャラだったからこそラストバトルの扱いが気に食わなかったんですけど…。
地味ながら堅実に面白いお話を書いてくれる作者さんなので、次回作も楽しみにしたいと思います。
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天空のアルカミレス
天空のアルカミレス 5 (5) 作者: 三上延 出版社/メーカー: メディアワークス 発売日: 2007/06 メディア: 文庫 「いい感じで終わってよかったなあ、でも、地味ですなあ」 と思った最終巻です。 こう、伏線は綺麗に回収され、最後の締めもよく、バトルもいっぱいあるのに、地
天空のアルカミレス 5 聖婚の日
天空のアルカミレス 5 聖婚の日
著者 三上延
イラスト 純珪一
レーベル 電撃文庫
日向子勝利?
電撃文庫・7月の感想1
■三上 延×純 珪一『天空のアルカミレス? 聖婚の日』 ★★★☆☆
グロスマンに連れ去られた日向子を救うため、礼菜は毬子と共に【城】
への潜入を決意する。二人を追って【城】へ向かう拓也と亨司だったが、