[著]江藤 苑 [絵]ヒナユキウサ 空から降って来た少女には、天使のような翼が生えていた。“人間”に会いに来たという自称“天使”のルーだが、その人類は500年前に絶滅。現在は彼らが残した英知の結晶“マザー”によって生み出された“パラヒューマン”達が製造されて、様々な制約を受けながらも暮らしていた。その現状に不満を抱く敬太はルーを連れて帰り、上手い事利用して自らの野望を叶えようと画策する。 |
世界征服を目指す冷酷非情な天才少年が純粋無垢な天使の少女と出会い、少しずつ考えを軟化させていくという大筋は良いのだけど、いささか展開が急すぎて、主人公がどうしてそこまでルーに惹かれてしまうのかに説得力が薄い。目的の為にならなんでもする、と思いつめているような様子が描かれている割に、あっさりそれをひるがえすような行動を取り始めるのには、ちょっと興ざめ。いくらなんでも「甘い」とかそういうのを飛び越えてしまってるよなぁ。そんな葛藤も何も無しにあっさりひるがえせるような、軽い気持ちなら世界征服とか言うなと。
ただ、ツギハギだらけで説得力のないストーリーの運び方はかなり微妙なんだけど、キャラの掛け合いがその薄っぺらさ・チープさと絶妙に合っていて、なんかいい。芝居がかってるわ中二病全開だわの掛け合いが、妙にツボにきました。特に敬太とレンの関係は実にオイシイ。なんかこう、腐れ心をガンガンと刺激される何かが、何かが。
というわけで…いろいろとツッコミ所は多かったけど、不思議とつまらなくはなかったです。B級グルメというよりD級グルメ的というか、マク○ナルドや●ーミヤンや松△的な魅力といいますか。これで続きが出たら買うかどうかまでは判らないけど。
…まあなんていうか、レン×敬太でお願いします(何を)