[著]雪乃 紗衣 [絵]由羅 カイリ 秀麗達が藍州に出向いている間に吏部の調査を進めていた清雅は、絳攸を投獄してしまう。師と慕う絳攸を救うため、調査と御史台で開かれる御史大獄での弁護を申し出る秀麗だが、上司である葵皇殻は意味深な言葉を彼女に突きつける。更に、縹家の策略が絳攸を襲い… |
楸瑛に続き、絳攸に苦難が降りかかる「紅」家編。黎深・絳攸親子の親離れが描かれます。
今回も、面白かったけどとにかく重いなあ……。劉輝が真の意味で楸瑛・絳攸の二人を手に入れるためには絶対に避けては通れない道だったというのは理解できるのですが、メインである筈の劉輝と秀麗の恋路については話が進むほど先行きが暗くなっていくのはどういうことだろう。二人が頑張れば頑張るほど、二人の距離が決定的に離れていってしまうのが見ていて辛い。
姪バカ担当の黎深さま、癒し担当のうーさままでシリアスでなんだか重苦しいキャラになっちゃって、私どこで息抜きをしたら良いのか……唯一、近頃秀麗に構ってもらえなくて本性全開モードな静蘭がこの作品唯一のギャグキャラとして頑張っておりますが。親友に弟に、挙句の果てには楸瑛や絳攸にまで先を越されてすっかりふてくされ気味で暗黒面全開の元王子様に、様々な意味で笑いが隠せません。特に、「再就職」を果たした楸瑛との手のひらを返したようなやりとりには爆笑しました。「劉輝のため」とかっこいいところを見せた楸瑛の立場全くなし。貴族派はまず先にこの元王子様を追い落としたほうが良いと思うんだ。次代をしょって立つ彩雲国ギャグの星・静蘭に栄光あれ。君が居ないと重苦しい雰囲気がどんどん加速してしまうよ!!
今回は黎深の捻くれまくった親子愛にもじーんとしましたが、やはり最後の、絳攸の夢に登場する二匹の文鳥に関する小噺が良かった。ある意味ベタだけど、彼らが未だに絳攸の原点というか、支えになってくれているという事実に胸が熱くなりました。
しかし黎深様は本当にツンデレだなあ……絳攸の名前をつける際のやりとりとか、彼の姓が「李」である意味・理由とか、そもそも絳攸を拾おうと思った理由とか。不器用すぎる愛情が、とても愛しい。そして次回からはどーんと出番が減りそうな予感なのがとても悲しいです。
ラストで遂に明かされた、秀麗が劉輝からの結婚を拒み続ける理由。もうなんていうか、その理由を踏まえると劉輝は自分で自分の首をキュっと絞めちゃってるんですけど。まだまだ重苦しい展開が続きそうだけど、そろそろ序盤のようなご都合主義全開なスッキリ円満解決的展開が懐かしくなってきたなあ…。
コメント
彩雲国物語、すんごく面白くて次巻がいつも楽しみなんですが、ホントにどんどん重くなってますね(^^ゞ
秀麗が劉輝を拒む理由…辛いよ?!!
劉輝と秀麗をくっつける気がないなら
ここまで引っ張らんでも?って思ってます。
なんか悶々としちゃってます。
モンさんいらっしゃいませ、コメントありがとうございます!
秀麗と劉輝、ほんとこの後どうなってしまうんでしょう。きっと最終的にはくっつけるつもりで描いてるんじゃないかと思うのですが、あまりにも先行きが不安すぎて色々心配になります。もうこうなってしまうと、秀麗側によほどのミラクルが発生するか、劉輝が王位を退く位しか二人がくっつく道はないように思えるのですが…。
少しでも二人にとって幸せな結末になると良いですね?。
初めまして。
今後がきになりますね・・・
でも、この本はお気に入りなのでもうしばらく・・・あの二人がくっついても、続いてほしいです。
レンさんいらっしゃいませ、コメントありがとうございます。
彩雲国はどんどん物語が佳境に入ってきましたねー。
秀麗と劉輝をはじめ、様々なキャラクターが今後どんなふうに動いていくのか、様々な意味で続きが楽しみです。