登校途中、走ってきたトラックを受け止めようとしてトラックに弾き飛ばされ、昏睡したワタルッ!!!彼が意識を取り戻すと、そこはなんと異世界だった───ッ!!!""最強の""男子高校生が、異世界の魔王を倒すため、今、立ち上がるッ!!!
暴力ッ!!!やはり暴力はすべてを解決するッ!!!
なんの異能もチートスキルもなく身一つで異世界転生した男子高校生が、拳一つで異世界の魔王やら四天王を圧倒する。どんな強敵だろうが面倒くさいギミックだろうが火力特化のバーサーカーの赤いカードでひたすら殴ればいつか解決する、という論法で最初から最後まで貫いてしまうのが潔い。やはり暴力はすべてを解決する……ッ!!!ひたすら語尾に「ッ!!」がつく地文と、ツッコミ不在のままその場の勢いで進行する物語に困惑しながらも笑ってしまった。
ラップバトルも料理対決もピブリオバトルも全ては「拳」で解決ッ!!!
ただ殴り合うだけではなく、唐突にラップバトルが始まったり料理対決が始まったり小説のレビュー対決が始まったり、案外色々なバトルが繰り広げられる。ただし最終的にはすべてワタルの「拳」で解決していくッ!!…突然始まったラップバトルは割と勢いで押し切った感がありましたが、料理対決については若干勢いでごまかせなかった感を感じてしまった。いやある意味あのオチは "新しい" のかもしれない……けど……?料理対決のあたりマジでワタルのキャラが定まってない印象を受けた(小説対決のあたりで開き直った感があった)のに原作なろうらしいライブ感を感じる。
小説レビュー対決はなんというか、題材に選ばれた小説の「できの悪いなろう小説」感と、レビューの「amazonにありそうな参考にならない信者レビュー」「amazonによくある粗悪レビュー」感の生々しさに不意打ちで笑ってしまったのですがキャラのことしか褒めてないのとか微妙に見に覚えがあって心臓に痛いぞッ!!!
ついてこられるか──この“結末”までッ!!!!!
個々のネタを上げていくと面白いんですけど、若干勢いだけで最後まで読ませてくれなかった感じがあって、油多すぎカロリー高すぎで胃もたれするところあった。料理対決の所でワタルのキャラブレを感じてしまったのが敗因というか──最初に感じた""勢い""のまま最後まで読めるかにすべてが掛かっているッ!!!あと、これは編集の問題なんですけど良くも悪くもWeb小説をそのまま書籍にした感というか、4つ以上ビックリマークを全角連打してるところとかは横書きWeb小説なら気にならなかったと思うんですけど縦書きのスマホ画面サイズの電子書籍リーダーで連発されると結構気になるんですよね。会話文の前後に一行ずつ改行を入れるという入れ方とかもものすごく「Web小説感」を感じてしまうのですが、電子書籍で見るとものすごく画面に余白が多いように感じられて気になってしまった。
特徴的な「ッ!!!」語尾もなんか不自然に入ってない部分があったりしてちょっと気になったので、この辺だけでもちゃんと書籍化にあたって統一・校正されてると良かったなあ。