各キャラの視点から描かれたちょっとした話や本編では描かれない脇役達の物語、ショートコミックも収録した短編集。メインとは関係ないところで色んな意味で「カタリナシンパ」が増えてるんだな……としみじみしてしまった。元ライバル令嬢の女の子の顛末に笑ってしまう。
主に他キャラ視点を中心に描かれる短編集
ジオルド・キース・アラン・ニコルの4人の視点から描かれる長めの短編とラファエル・女の子たちを主体にした短編、Webに掲載されているサブキャラ達の視点からのショートショート。コミックの方でアンが淡々とゲームのメインキャラたちの存在感を喰っていく姿に笑ってしまう。最後のキャラデータではしっかりとサブ攻略キャラと同じスペースを確保していた。割とゲームの攻略キャラ達との絡み以外は描かれないので、学園ではそれ以外の人脈は出来ていない感じなのかなと思っていたのですが予想以上に無自覚でシンパを増やしていましたね。庭師とメイド長の話は本当に短かったけど最近放送しているアニメでもそれとなく話題を振られていた部分だったのでこのタイミングで読めてよかった。パジャマパーティの話はアニメにもなってたけど、アニメのタイミング的にラファエル・ソラが登場できないのが少し残念だったな。
ジオルド&メアリ(腹黒コンビ)の圧が強い
個人的にキースとジオルドがやりあったり、メアリが水面下で奔走したりする所が見れる「ライバルあらわる」が楽しかった。他キャラ視点はこのシリーズの十八番であるけど、コンセプト的に「カタリナ一人称の裏側」として描かれることが殆どなので彼女の絡まないところで綴られる視点が新鮮。カタリナを妬むライバル令嬢が彼女を蹴落とすために色々画策して返り討ちに遭うお話なんだけど、多少の嫌がらせ程度では暖簾に腕押し状態なカタリナが強いし、度を超えた嫌がらせをしてきた相手をめちゃくちゃ普通に排除しようとする周囲(というかジオルド)が強かった。というかジオルドとメアリの挿絵が最高に「圧」強くて好き。ジオルドが助力を求めるのが最大のライバルであるキースじゃなくて「似た者同士」のメアリというところがわかってるなと思う。
メアリはその後のガールズトーク短編でかつての姿が描かれるのが印象的で、もはやすっかりジオルドと並ぶ「カタリナ過激派」と化した彼女がかつては気の弱い人見知りだったことを思い出すと感慨深かったし、彼女がここに至るまでの血のにじむような努力とそれに報いてくれたカタリナのエピソードを見るとそりゃカタリナ過激派にもなるよねと。別に好きな人が居る同士であるアランと、恋愛ではないけれど良いパートナーしてる姿にもにっこりしてしまった。
新展開が楽しみ
カタリナたちも無事に学園を卒業し、次巻からはじまるであろう新展開の前の息抜き的な巻でした。魔法省編がどうなるのかも楽しみです。ところでニコルのお見合いの話に出てきた生徒会の後輩ちゃんが割と意味深でしたが、今後出番とかありますかね?モブキャラにしては目立っていたのでちょっと気になる。