“乱魔 猫吉” の検索結果 | 今日もだらだら、読書日記。

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真・運命のタロット9(上下) 《世界》。

[著]皆川 ゆか [絵]乱魔 猫吉

《世界》に巻き込まれた<エセックス>は時空を跳躍し、片桐と《愚者》がフェーデを行っていたモントーク機関へと飛ばされる。彼らの出現は、片桐にとって思わぬフェーデの結末を与える事に…。一方、ロシアの雪原に出現した《女教皇》とライコは虚数強化体の襲撃を受けて…
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《世界》。—真・運命のタロット 9 (上) (講談社X文庫—Teen’s heart)《世界》。—真・運命のタロット 9 (下) (講談社X文庫—Teen’s heart)
「真・運命のタロット」完結編。それで第三部はまだですか?(正座)

片桐先輩久しぶりすぎて存在感忘れてたとか、相変わらず田村さん鬼畜ヤンデレ娘ですねわかりますとか(田村さんとライコの関係は、《死神》と《愚者》の関係に近いものを感じるのです。愛情表現歪みすぎてるけど実はライコのこと大好きだよね田村さん!!)、あああの人があんなことに…!!とか、《審判》と《女教皇》、《力》とのやりとりに頭がパァンとなったり、「最終巻なのに《魔法使い》が出てこないよ!?」「これ本当に残り100P弱で終わるの?」とか思ってたら……

な、なんだってーーーーーーー!?

シリーズ名通りに“運命”を感じさせずにはいられない結末に、思わず鳥肌たった。やたらと大河視点が挿入されているのを読みながら「もう、大河は運タロの裏主人公ってことでいいんじゃね?」とか思ってたんだけど割りとそれシャレになってなかった……真実の意味で、彼はこの「運命のタロット」というシリーズにおけるもうひとりの主人公だったんですね…。しかし、ライコのこの後辿る道、大河が辿ってきて、これからも辿る道筋を考えると、「大河がライコ→《女教皇》→《女帝》ってことを知っていたら…」とか「《女教皇》が《女帝》の正体を知っていたら…」とか考えてしまいます。でも最終的に、たとえその“記憶”が彼の中に存在しなくても、最終的にその想いを遂げる事が出来たのは喜ぶべきなのか。とにかくなんか、なんかもう最後凄すぎて全部もっていかれた……もうなんかあのラストだけで色々満足してしまえる自分が不思議だ……。

しかし、読み終わった直後はラストの衝撃が高すぎてあまり気にならなかったけど、冷静になって考えてみるとまだ繋がってない時間軸で起こった物語とか、語られていない部分で気になる部分が何気に多すぎてとてもうずうずしてきました。その辺の謎を読み解くためにもぜひとも第三部を!発行されていたティーンズハートはなくなってしまったけどここはひとつホワイトハート移籍とか、作風合わないなら徳間エッジあたりに移籍するとかでもいいんじゃないかと思う私が!


真・運命のタロット8下 《吊るされた男》、そして…

[著]皆川 ゆか [絵]乱魔 猫吉

大河と《戦車》、《魔法使い》はミッドウェイ実験の最中、実験体としてユニットの中に閉じ込められた水元頼子を奪還しようとする。ところが、彼らの前には《星》とリンダ、《悪魔》とカインが立ちふさがる。それぞれが勢力を超え、自らの思惑の為に戦っている最中、今度は異形の身体を持つタロットの精霊《吊るされた男》が現れて…!?
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“吊るされた男”、そして…—真・運命のタロット〈8下〉 (講談社X文庫—ティーンズハート)
「運命のタロット」に関する様々な謎の一端が明かされる、《吊るされた男》完結編。これで大体、「女教皇」と「教皇」の間にあった記憶の空白は埋まった感じですね。なにより、久しぶりにライコ・《女教皇》と《魔法使い》コンビのやりとりが見れて、凄くうれしい。場所を気にせずにさっそく《女教皇》とイチャつく《魔法使い》の姿に超ニヤニヤした(ライコと大河は色々な意味で不憫ですが!)

恋する大河の葛藤がもどかしいなあ。前シリーズであれだけ無謀にも考えなしに突っ込んでいく一直線さを知っているからこそ、もうちょっとライコ達の間に踏み込んでくればいいのに、と思ったり。当時は"知らなかったからこそ"の無謀さというのはあったんだろうけど…。しかし、その彼の葛藤を知っているだけにライコが大河の名前を呼んだシーンではちょっとでも彼の頑張りが報われたような感慨を受ける。

しかし、「真」シリーズになって以来一切姿を見せなかった“彼女”の名前が章題として出てきたときには凄く驚いた。確かに、ライコと大河の関係を語るには欠かせない人材だけど…彼女は結局、今後物語には絡んでこないのかなあ。流石に以前のようなライコとの掛け合いは期待できないかもしれないけど。

下巻は次々と驚愕の事実が明らかになり、「な、なんだってー!?」の連続なのですがさりげなく上巻ラストのキャラクター解説に下巻のネタバレが混ざってるのはどうかとおもった!特に上巻時点ですでに《女帝》《運命の輪》の項目にアレが書いてあるのは酷すぎると思うんだ…どうかんがえても下巻最大のサプライズでしょうに!!

次の「《世界》。」も上巻の年表ネタバレが酷いらしいのでうっかり読まないように気をつけよう…。


真・運命のタロット8上 《吊るされた男》、そして…

[著]皆川 ゆか [絵]乱魔 猫吉

頼子を拉致した鴻桂グループが行おうとしていたのは、“肉体を持たない超能力者”を意図的に作り出す実験だった。その実験体として囚われた頼子を救い出すためミッドウェイ海峡に向かった大河達の前に、頼子を抱いた《魔法使い》が現れるが、そこで大河は《魔法使い》の思わぬ姿を見ることに…!?
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“吊るされた男”、そして…—真・運命のタロット〈8上〉 (講談社X文庫—ティーンズハート)
謎が謎を呼ぶ「カイン編」3冊目。というか、重ッ……とにかく物語が重ッ……そして爛れてるというよりももう、生々しい。前巻は重いなりに《悪魔》と《戦車》の凸凹コンビとか、どこかしら息をつく場所があったのですが。

ここまできて《悪魔》ちゃん下克上だと!?
例のシーンを読んで思わず既刊を読み直しましたがそうか、《悪魔》って両性具有だったんだよね……ひょっとしてタロットに転写される前の彼女の正体って“妹”じゃなくて……ゲフンゲフン。こ、ここここここでまさかの兄×弟フラグ!!!

それにしても、ラスト4巻にしてまた話がわからなくなってきたなあ。《魔法使い》の異変は、ひょっとして過去と未来の《魔法使い》が完全に合一することで《皇帝》になるっていうのを示唆してるのか?あと《星》コンビがライコと《世界》に関係があるっぽいこと言ってたけどなんなんだろう。っていうか二人の会話が微妙に死亡フラグっぽいのが気になる。《戦車》と《力》は人間時代、元恋人同士だった?残り3冊で、全てとは言わずとも物語りに関わってくる謎だけでも解明されるのかしら。

あと、“ミナモトヨリコ”の行動があまりにも後ろ向きなのがちょっと気になる。「女教皇」ラストのなんだかんだいって前向きっぽい発言をしてた彼女の立ち位置を考えると、どこかちぐはぐな印象を受けるんだよなあ。カインとの間にあったことを加えて考えても何かおかしい気がする。大河も言うとおり、“運命のタロット”シリーズの彼女と現在の彼女が繋がらない。ヨハネスブルグで見つかってカインに保護されるまでの間に何かがあった?それとも保護されてから、カインに(肉体関係以外の意味で)何かされたのか?不可解な動きを見せる田村桂子と《死神》の仕業とか?それとも、坂崎の呪いがじわじわと彼女を侵食していったということなのか…。正直、何事にも後ろ向き・受動的で他人に責任転嫁してばかりの今回の頼子には正直かなりイラっとするものがあったり…思考パターンが田村桂子っぽいのがとても気になるといえば気になるんだけど…あの問答を聞いてると、普通にリンダがいい人に見えてくるから不思議だ。

何はともあれ主人公コンビ不在(精神的な意味で)のままあと3冊。そろそろ“ライコ”や《女教皇》と《魔法使い》の主人公コンビの活躍が見たいぞ!と思ったり。謎だらけの「カイン編」がどのような形で終着に向かうのか楽しみです。


真・運命のタロット7 《隠者》は影に

[著]皆川 ゆか [絵]乱魔 猫吉

《星》達が助力する鴻桂グループの手により拉致された水元頼子を追うカインは、ソ連の諜報部から情報を得て、同じく彼女を追う大河穣太郎と共にハワイへ渡る。どうやら、37年前に行われた“フィラデルフィア実験”の再現を行うつもりらしい。その実験の恐るべき正体とは…!?
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『隠者』は影に—真・運命のタロット〈7〉 (講談社X文庫—ティーンズハート)
大河×カイン ←結論
「運命のタロット」シリーズと「真・運命のタロット」シリーズの隙間を結ぶNY改めカイン編その2。小悪魔ちゃんたちに同性愛疑惑をかけられる《戦車》とか大河×カインなあれこれとか(ホテルのあれとか挿絵のあれとか)で私の腐女子脳が密やかに燃え上がったわけですが皆様いかがおすごしですか。でも個人的には全力でカイン×大河を推すよ!カイン総攻でいいとおもうよ!!《戦車》の簡潔すぎるあらすじ紹介と《隠者》の出番(その4箇所は酷い…)でとりあえず噴き出した。

前巻後書きにも書いてあった《戦車》のアロハシャツ・海パン姿でじわじわと笑わされた。《悪魔》との凸凹コンビぶりもなんかいいなあ。しかし、《悪魔》コンビは思っていた以上にまだまだ何かありそうで、楽しみなような恐ろしいような。

噂では聞いてたけど、終盤付近のアルバトイ博士の虚数意識論で頭が盛大に破裂しました。1巻《教皇》はまだ3割くらいは理解できてた気がするのに、もう今回の部分はどう考えても日本語でおkとしかいいようがないよ!!これもう間違いなく日本語じゃないよね!!自慢じゃないけど物理の授業なんて中学3年生でおさらばしましたから!!

そして最後に《魔法使い》が久しぶりの復活!!…とはいえ、《女教皇》の後の状態から復活しているなら恐らくまだ本調子じゃないところをライコの危機で無理やり出てきた、という方が正解?ライコのピンチに、彼がどう立ち向かうのかとか、果たしてライコは記憶を取り戻せるのか、とか。とにかく次の巻を読むのが凄く楽しみです。

…大河は……もうちょっと頑張れ……(遠い目)


真・運命のタロット6 《星》はなんでも知っている

[著]皆川 ゆか [絵]乱魔 猫吉

行方不明になった水元頼子の消息を追って1980年のニューヨークに現れた大河。《太陽》との戦いで記憶を失ったライコは《悪魔》の協力者・カインに保護されていたが、彼女を巡って謎の華僑財閥、ソ連の諜報部、米国国防省に「運命のタロット」関係者……と、様々な人間たちが動き始める…!
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『星』はなんでも知っている—真・運命のタロット〈6〉 (講談社X文庫—ティーンズハート)
運タロラスト?真タロ開始時の間に起こった出来事の補完となる「NY編」開始の真シリーズ第六巻。これまで、何故突然話を飛ばして彼女が《女教皇》に転写されたところから物語が始まるんだろうと思っていたけど、確かにこの話は「教皇」でのゴーリキー博士の話や「審判」でのカザフ編の結末が絡んでくる分、時系列順にやっても意味がわからないだけだっただろうなあ。時系列が様々な部分で絡み合っているこのシリーズの難解さを改めて実感しました。

とりあえずぺらぺらめくって自称“ただれてる”なライコの挿絵見て噴いた!カインがこんなにライコ(ミーナ)に執着する理由も気になるけど、カインと《悪魔》の関係も色々と紆余曲折がありそう。《悪魔》ってあれだけカインにべったりなのに、イマイチ彼に対して無償の愛を注いでる感じじゃない気がするんだよね。前シリーズで、彼の後の協力者との関係を知っているからかしら。逆に、なぜか《悪魔》に対してツンツンなカインの態度の正体も気になるところ(小悪魔だけ褒めて《悪魔》はスルーなのはさすがに可哀想だと思った)

ライコ記憶喪失中&《魔法使い》は前シリーズの結末の通りで出てこられない状況で、大河やらカインやらリンダ&《星》やら《審判》やらにライコを狙う様々な国際組織を交えて外野がドンパチやってるお話で、やはり主役コンビ2人が殆ど出てこないのがちょっと物足りない。久しぶりの登場な大河も他の熟練の関係者達に推され気味で、基本的に後手後手に回りまくりだったのも物足りなさに拍車を掛けていたかも。大河には、そろそろ恋する男の子(?)の本領発揮でもうちょっと活躍して貰いたいところ。《星》や《隠者》やその協力者やらカインが一筋縄ではいかなすぎる、というのもあるんだけど…

全体的に今後の展開への伏線張りに終始している感じ+政治話が絡んできて、結構読むのが辛いなあ……なんて思っていたらモントーク研究所の話が…!!!思わぬところであの事件が残した傷跡を目の当たりにして、心が痛くなった。たとえすでに死んでいるとはいえ、自分の意思とは無関係に死後もその力を利用されているその姿が悲しすぎました。

次の巻では表紙を見る限りでは《魔法使い》の復活もありそうだし、今度こそ久しぶりに水元ライコ&《魔法使い》のコンビが見れることを楽しみにしたいです。ここからどうやって「教皇」での展開に繋がって行ったのかも引き続き楽しみ。しかし、次の巻の厚さは少女小説としておかしいよね!?「悪魔」越えしてそうなぶあつさに噴いた。


真・運命のタロット5 《悪魔》でも恋に生きる

[著]皆川 ゆか [絵]乱魔 猫吉

自分たちが『メデューサの首』に潜入した事が原因で、マダムの息子を巻き添えにしてしまったことを気に病む《女教皇》は、《死神》とのフェーデが激化するのを目前にして一人マダムの元へ向かう。せめてもの罪滅ぼしに息子の死を告げようとするのだが、彼女の家には《節制》が待ち構えており…!?
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『悪魔』でも恋に生きる—真・運命のタロット〈5〉 (講談社X文庫—ティーンズハート)
激動のカザフ編・終結。《死神》コンビの性格や《力》《審判》の物言いからして、明らかにフェーデに勝っても《女教皇》にとっては辛い展開が待ち構えている…というのはある程度予想済でしたが予想以上に痛い展開だった!!

ようやく合流した《魔法使い》に“嘘がつけない”という精霊の身体のせいで自爆しちゃった《女教皇》が漸く通じ合う場面が唯一の息抜きポイントでした。大事な事を言う一瞬だけ一人称が“《魔法使い》”から“俺”になっちゃう《魔法使い》萌えー。

しかし、“分岐”に至る前の《女教皇》とマダムのすれ違いも辛いものがあったけど、フェーデを終えて戻ってきた彼女を待ち受けていた展開が辛すぎた。大きな被害を食い止めるつもりで戦ったフェーデの結果、確かに被害規模は小さくなったんだけど、それでも失ったものが多すぎて。ティターンズの担っている使命を考えればこういう事態といずれは遭遇するかもしれない、ということはいつも頭の中にありましたがこれはまさに最悪のパターンという感じがする。為す術もなく彼女の手から零れ落ちていく生命の脆さに、やるせなさばかりが残る。自分をもだまそうとして、必死に現実から逃げようとする《女教皇》の姿が痛々しい。

個人的には、仲睦まじい《女帝》と《皇帝》の姿が見られたのがそんな中で唯一の救いなのですが、「運タロ」でのあの事件を考えると、この二人が仲たがいする時がいつかやってくるんだろうなあ……と思うと。ひいては彼女達の正体までを考慮してしまうともう本当にやるせなくなるなぁ…本当にどうなっちゃうんだろう。「どうなっちゃうんだろう」といえば、《恋人たち》も…あんなにいい子だったのに、その後の彼の姿を思い出すともう本当にやるせない!!今旧シリーズの2巻以降とか読み直したら、また全く違った感想が出てくるんだろうなあ。

次巻は「ニューヨーク編」が開幕の模様。カザフでの辛い思い出、そしてそもそもの記憶喪失の原因となっているであろう《悪魔》の協力者・カインとのやりとりが遂に明らかになる…?2つの辛い記憶を、引きこもってしまった《女教皇》がどうやって乗り越えていくのか。そして記憶は戻るのか?長い沈黙を破って遂に再登場するらしい彼のことも含めて、続きが楽しみです。


真・運命のタロット4 《審判》はレクイエムを歌う

[著]皆川 ゆか [絵]乱魔 猫吉

『メデューサの首』に、あのラスプーチンの遺骸が利用されていると知った《魔法使い》と《女教皇》は施設を破壊しようと試みる。ところが二人を止めたのは最強のティターンズと言われるタロットの精霊・《力》だった。彼女によって《魔法使い》とは別の場所に飛ばされてしまった《女教皇》は、《力》のパートナーである《審判》に出会い…
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『審判』はレクイエムを歌う—真・運命のタロット〈4〉 (講談社X文庫—ティーンズハート)
前巻から引き続き「カザフ」編。《死神》とのフェーデこそ進んでいないものの新たなタロットの精霊が出てきたり《節制》が再登場したり……と動きの多い、派手な回でした。しかし、セリフはまだしも《節制》コンビの粗筋紹介はかなり(解読的な意味で)厳しいものがある……よみづらいよ!!

敵である《正義》側が普通にいい人っぽくて、味方側の《力》&《審判》がとてもうさんくさいということもあって、自分のやることは自覚しているものの色々と揺れる《女教皇》。実際、ティターンズのやっていることは“アカシック・レコードの運命に従う”ってことなんだから、マダム・ゴーリキーの言うように「運命に従って死のうとしている誰かを護ろうとするプロメテウスvsそのまま殺させようとするティターンズ」って構図はあってもおかしくないんですよね。というか今回の《死神》と田村のコンビはとにかくとして、プロメテウスが事態を悪くするような改変ばかり起こそうとするのには何らかの理由があるのかなあ。どうせなら何かいいことすればいいのに…とか思ってしまう。

今回一番大きな動きといえば、《女教皇》が遂に自らの象徴の力を思い出した事か。かなり応用範囲の広そうな能力だし、今後この能力をどうやって使いこなしていくのかという辺りも楽しみ。確か《月》の体験で出てきたときでも全能力を使いこなせてなかった気がするので、今後の物語における大きな切り札になっていくんじゃないかなあ、と期待。しかし、そろそろ《女教皇》は記憶を取り戻しませんか…括弧文字で表記するの面倒くさい私がいるよ!

《力》や《審判》の意味深発言の通りに、なんだか嫌な方向に物語が転がっていきそうで漠然とした不安が。というか、あれだけ意味深に言われると《女帝》《皇帝》がプロメテウスに寝返った理由とかも改めて気になってきちゃう。そして重い展開続きの中、中盤の《正義》コンビ+カーシャと《女教皇》《恋人たち》のやりとりが凄い癒しになってるのですが、その分ラストのあの展開がうわああああ痛いいいいい!とにかく続き続き…!!

余談ですが《節制》は能力がえげつない分、出るとかませ犬ポジションだなあ、とか失礼な事を思った私です。


真・運命のタロット3 《力》よ、と叫ぶ者

[著]皆川 ゆか [絵]乱魔 猫吉

“改変”による全面核戦争を目論む《死神》達によって時間を飛ばされた《女教皇》と《魔法使い》がたどり着いたのは1962年のソ連だった。そこで《正義》とその協力者に遭遇し、戦闘が始まってしまうのだがそこに加勢にやってきたのは新たなるタロットで……
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『力』よ、と叫ぶ者—真・運命のタロット〈3〉 (講談社X文庫—ティーンズハート)
《死神》とのフェーデ開始な「真」シリーズ第三巻。まだまだ説明多め+フェーデ下準備中。色々と混乱しかけてきたところだったので巻末についてる年表がとてもありがたい?。

かつてのフェーデで相対したのとはまるで正反対の《恋人たち》は、ホント何があったんだろうとしか……もともと仲間だったっぽいことは確かに匂わされていましたがそれにしてもこっちの彼はいい人すぎるよね。そしてさりげなく、セーラー服を着た《女教皇》を見たときの《魔法使い》の反応に超ニヤニヤする。

ライコが《月》の体験によって垣間見た「あのフェーデ」と今回のフェーデが《女帝》《魔法使い》という二人を中心に勢力が反転したような状態になりながらも舞台が整いつつあるのがとても気になる。目的が似てるということもあるけど、これって何らかの関係性があって仕組まれてるんじゃないかーみたいな感じが…。しかし、それには最重要ファクターだったあの人の存在が足りないよなあ…とおもっていたら、最後の最後で思いもよらぬところから“彼”の存在が!このフェーデがこの先どう転ぶのか、気になって仕方がありません。

あと、年表では明らかにされていない『結婚式』がどの地点で行われているのかも気になります。《恋人たち》の発言からすると、少なくても《女教皇》が彼女の結婚式に出てたのは確定っぽいので今後のシリーズで出てくるのかな?前シリーズで明らかになった彼女の正体を考えると、その地点がエンディングシーンになっててもおかしくないとおもってたんだけど…

あと、文華が告白してた“碧川先輩”って……年表の記述を見る限り間違いなく……だよなあ。両親が?と書かれているのを見ると、どうしても文華が…とか都合のいい展開を妄想してしまう。ひょっとしてまだ「真」になってから登場していない彼女も、今後物語の渦中にかかわってくるような展開がありうるのかしら。逆に、ここまで身内にタロット関係者だらけで、一人だけ蚊帳の外なんだとしたらほんとうに不憫な子だ…


真・運命のタロット2 《正義》は我にあり

[著]皆川 ゆか [絵]乱魔 猫吉

“改変”を起こそうとする《教皇》達と対峙する《女教皇》と《魔法使い》。《教皇》達は“改変”を起こすためにゴーリキー教授を狙うが、ゴーリキー教授は自らの研究成果によって生み出した“虚数強化体”を使って、彼らに立ち向かう。どうやら、彼は『運命のタロット』の誕生に深く関わる事になる人物らしくて……
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「正義」は我にあり—真・運命のタロット〈2〉 (講談社X文庫—ティーンズハート)
1巻から引き続いてた《教皇》とのフェーデが決着。久しぶりに舞台を1983年に戻したと思ったら間髪いれずに次のフェーデへ……と、めまぐるしい「真」シリーズ第二巻。「真タロ」から入った人に考慮しているのか、これまでのおさらいっぽい会話も多かった気がしますが、その中で少しずつ『運命のタロット誕生について』という今後の物語の核心となるであろう話題に迫っていきます。

1983年に戻ってきた《女教皇》と《魔法使い》や《愚者》達との会話を聞いてると、じわじわ来るものがある。彼らへの態度はまだしも、本来の“彼女”の身近な人々であったはずの片桐先輩や佐倉くんやら安西さんやらにも余所余所しい言葉を使う姿に違和感を感じざるを得ないというか、序盤の平和な学園ラブコメっぽかった頃を思い出すと無性に切なくなる。そして、ますます「女教皇」から「教皇」の間で起こったであろう一連の出来事に関心が向いてきます。《女教皇》に転写されるまでの間に、もう一度でもいいからかつての学友たちと会話する機会があったんだろうかとか、そんなあたりが。

しかし、漸く舞台がかつての場所に戻ってきたというのに一難さってまた一難。《死神》とその協力者が二人にフェーデを挑んできて…って飛ばされたのはよりによってあの時代ですか!特に死神の協力者である“彼女”の出番はあそこで終わりだと思っていたのでびっくり…って、よく考えたら時間を自由に遡れる物語である以上未来で退場したくらいで出番がなくなるはずないのか。ある意味運タロで出てきた《太陽》コンビよりもラスボスっぽい二人組みというかなんというか…。

シチュエーションや状況的にはどうしても「神の家」で明かされたあの《魔法使い》の過去話への導線か!?と思ってしまうのですが、あの物語で登場したときの《女教皇》と《魔法使い》に至るには、お互いに様々なピースが欠けている様な気がするし、お互いの勢力も正反対だし…うーん……一体これからどうなるの!?とりあえず続きがとても楽しみです。

《正義》は良いショt(強制終了)


真・運命のタロット1 《教皇》がiを説く

 

記憶を失い、自分が誰であるかも忘れて1996年の街を彷徨う少女。菊沼と織藤は少女が“荒サン”という菊沼のかつての渾名を知っていた事から彼女を保護するが、少女の周りでは次々に不思議な事件が巻き起こる。しかも、彼女からは脳波が出ていないというのだ……

新展開で送る“運命のタロット”シリーズ第二幕。《教皇》とのフェーデの最中に起きたアクシデントで記憶を失ってしまった(らしい)《女教皇》がかつて知り合い達に偶然保護される…というお話。13巻のラストから続くのかと思ったら、プロローグが予想外の展開過ぎた!しかもライコが既に○○○○○になってるし!!新しいタロットの精霊や曰くありげな人物がばんばん現れて、気になるのなんの。前巻からこの物語に至るまでの空白期間に何があったんだろう。気になりすぎる。

それにしても学園異能系ラブコメ小説だったかつてのノリはいずこに……あとがきでホワイトハート移籍の噂もあったということですが、正直かつてのティーンズハートからは想像も付かないほど難しいお話が展開されてます。「虚数意識論」とか、高校時代に数学落第寸前だった私としてはとてもわけがわからなかったんだぜ…っていうか“虚数”とか普通に習った事さえ覚えてなかったんだぜ……初期のドタバタキュンキュンラブコメ時代もあまり得意ではなかったけど、ここまで跳躍されると逆にあの初期のノリが懐かしくなってしまうのはなぜだ…!!もうライコは学生には戻らないのかなあ…。

ラストはとても重い展開に。まだ記憶を取り戻していないライコにとって、荒サンと織藤さんと島津は唯一といっていい「身近な人」だったわけで、彼らを助けようとした結果として拒絶されるというのは痛かっただろうなぁ……。