「魔法少女」が実在し、そして不要になった世界。多くの魔法少女が自ら杖を置き、魔法少女活動が非合法となった社会で最後の魔法少女として戦い続ける少女と彼女に憧れて魔法少女になった『少年』のお話。
早い話が立ち向かうべき敵を倒してしまった魔法少女たちがその後も異能を持ち続けたらどうなってしまうのか。一握りを除いて決して幸せな未来をつかめたわけではない彼女達の「その後」の姿。(多くは異能と戦う為に与えられた)力が同じ人間に向いたらどうなるのか。まさしくこの作品で言う「第三世代」の魔法少女アニメで育った人間としては着眼点や発想が物凄く面白くて、一気に読み進めてしまいました。自らの立場を利用してのし上がった者もいれば全てを忘れて一人の少女としての幸せを掴む者もいる。その一方で「1人の少女」に戻る事が永遠できなかった少女達の姿が容赦なく痛々しい。
ただ、着眼点はや容赦のない展開は面白かったんだけど、時々擬音描写や残酷描写に独特な陵辱ゲー臭を感じてしまい、なんだかなあ……と思ってしまう事もしばしばありました。と思ったらまさしくそっち系のゲームのシナリオライターさんなのか……露骨な陵辱表現はありませんが、そっち方面の耐性が低い人にはかなり辛いかもしれません。ていうか同じ事をやるにしてももうちょっと表現をソフトにしてくれれば普通に面白いのに……。
登場する「魔法少女」達も殆どが露骨に元ネタとなる作品・キャラクターを匂わせているので、素直にあの世代の作品を楽しんで読んでいた人には辛いものがあるかも。特に前述の通り、かなり悲惨な境遇になってしまうキャラクターも多いため、こういうのの元ネタが露骨に解ってしまうのはどうかなあ……と思わなくもなかったり。同世代ならば確実に通ってるだろうと思われるような有名作品からのパロディがとても多い分、ちょっと気になりました。
しかし、パロディだらけの一発ネタ作品かとおもっていたら、ひょっとしてこれ続くの?
色々気になる部分もあるので出たら買っちゃいそうだけど……。
続かないんだとしたら随分消化不良なおわりかただ。
以下、わかる限り魔法少女の元ネタメモ。
うろ覚えな上に同年代なら素でわかるだろうからいらないだろうという説もありますが……
続きを読む
キーワード:伊藤 ヒロ (5 件 / 1 ページ)
2010年6月/7月の読了記録(今更)
6月・7月原稿に追われすぎてて月初恒例のまとめ記事作れなかったので
超今更読書メーターのログだけ一応。
続きを読む
ビーズログ文庫アンソロジー オトキュン!
ビーズログ文庫の人気作品が大集合!「死神姫の再婚」の最強夫婦が教師と元生徒のイケナイ関係に!?「双界幻幽伝」の朧月が輝夜姫になって引きこもり…え、蒼刻が求婚!?「おこぼれ姫と円卓の騎士」のおこぼれ女王がマフィアのボスって、どういうこと!?ほか「闇の皇太子」「瑠璃龍守護録」「戦う王女」シリーズの短編を掲載。ここでしか見られない設定で胸キュン満載にお届けします。 (「BOOK」データベースより)
「ですから、今から少しでも学園の雰囲気に慣れておきたいので、来月の文化祭を一緒に回ってほしいんです。いえ、決して下心はありません。純粋な職業意識からです。手を繋ぎたいなどと贅沢は言いません。隙あらば人気のないところに行こうなどとは思っていません。そもそもあなたがお化け屋敷なんかで怖がってくれないことは分かっています。くそ……ああ、失礼。とにかく下心はありませんし、食べたい物があればなんでも奢りますから」
カシュヴァーン様 マジ残念(挨拶)
期待の更に上を行く最初から最後まで全開に残念なカシュヴァーン様に腹筋を破壊されましたルアークのツッコミがまた的確すぎて……本編がシリアス入っててこういう能天気なお話が殆どなかった分、余計に破壊力が……
ビズログ文庫の人気作・期待作の番外編を集めたアンソロジー。シリーズの中でマトモに読んでるのが「死神姫の再婚」のみでほぼそれ目当てで買ったのでちょっと他の作品についてはよく知らないんですが、多分「神とある国の物語」以外は完全なパロディ・パラレルネタな外伝の詰め合わせのようです。
個人的に「死神姫」以外で一番のお気に入りだったのは「おこぼれ姫と円卓の騎士 アンラッキースパイシーラブ」。突然マフィアの次期頭首候補として指名されてしまったヒロインが警察官のデュークと自分の立場を隠して恋に落ちるお話。実の兄をはじめとしたマフィアのファミリー達に振り回されながらも、ただ状況に振り回されるのではなく、彼らの上に立つ為の力を付けながら最終的には彼らを撲滅するため頑張ろうとする姿が男前過ぎました。
元の作品は、中世ファンタジーらしいよ!↓
「さっさと頭を下げなさい!」←この女王様が、スゴイ!!!
ソルヴェール国の第一王女・レティーツィアは、将来自分が“女王になる”ことを知っていた??。結果、優秀な兄たちの“おこぼれ”で王位が転がり込んできたレティは、王の専属騎士団(ナイツ・オブ・ラウンド)を作るべく、漢(おとこ)の中の男と評判の騎士・デュークを強引に勧誘。けれど彼は「『おこぼれ姫』の愛人と呼ばれるのは願い下げ」と一刀両断!!ますます彼がほしくなったレティは……!?第13回えんため大賞優秀賞受賞作!!
もうひとつ面白かったのは「双界幻幽伝 竹取物語だけどかぐや姫は月に還りたくないそうです。」。以前だれかにオススメされた時に聞いたときはヒロインの引きこもり属性がとても気になっていたんだけど、舞台が中世日本になったせいで聞いていたほど引きこもり属性的ななにかは感じず、その分、蒼刻の無双っぷりと静心のシスコンぶりが光っていたような。次から次へと無茶振りをふっかける静心の鬼舅具合とあるときは悠々と、またある時は必死に静心の出す試練を乗り越えていく蒼刻のやりとりが楽しかったです。
元の作品は、中華ファンタジーらしいです。
噂の「天然公主」は超引きこもり! 幽霊もビックリの中華ファンタジー開幕!
姚朧月は死者の霊=幽鬼が見える少女。ユーモラスな幽鬼に囲まれて育ったので、感性がちょっと変わっている。──ついたあだ名が「天然公主」! そんな彼女のもとに、劉蒼刻という武人がやってきた。幽鬼が見える朧月にどうやら依頼があるらしい。嫌がる朧月に、「とりあえず連れ出せば、あとはなるようになるだろう」と、蒼刻は無理やり連れ出してしまい──!?
しかし、本編とリンクがやや強いせいで世界観・キャラがつかみきれなかった「瑠璃龍守護録」と「神とある国の物語」、登場するキャラ数が多い「闇の皇太子」の3つに関しては、正直原作読んでないと厳しいものがある気がする。各作品、それなりに未読者への配慮はあるんですが……正直元作品のあらすじと簡単なキャラクター紹介くらいは載せてくれてもよかったんじゃないかなあ。楽しめた2つも含めて、世界観設定自体を変えてしまっている作品が殆どだったため結局これどういう話なんですかという話が多くて、そこはちょっと残念でした。
とりあえず、「おこぼれ姫」と「双界幻幽伝」はちかいうちによんでみたいとおもいます。
「好きなライトノベルを投票しよう!! 2010年下期」に投票します
いちせさん主催のこちらの企画に参加します。
平和さんが主催されていた「ラノサイ杯」の企画終了を受けて立ちあがった類似企画だそうです。
明日締切なので投票を考えてる人はお早めに!
類似企画としてTwitter主導のラノツイ杯もありますよ!こちらも明日締切です。
今回は余裕ないのでコメント短め……orz
既存シリーズ
■ フルメタル・パニック! ずっと、スタンド・バイ・ミー上下(⇒感想) 著:賀東招二 挿絵:四季童子 個人的には、2010年はこれ抜きに語るわけには。 最高の完結編でした。とりあえず、読め。 「君さえいれば、武器などいらない」 【10下期ラノベ投票/9784829135532】 |
■ 魔王城五限目(⇒感想) 著:田口仙年堂 挿絵:鉄雄 こちらも最高の完結編でした。 子供たちを守ろうと立ち上がった心優しき「魔王」の活躍に胸が熱くなる。 あと伯爵マジtndr。 「俺は魔王だ。君を魔王城まで連れ去りに来た」 【10下期ラノベ投票/9784047266544】 |
■ Re:3 バカは世界を救えるか?(⇒感想) 著:柳実冬貴 挿絵:一葉 モカ 次第に明かされていく熾烈な過去に、臆しつつも立ち向かおうとするバカがかっこいい! あと光一と「能力泥棒」の好敵手と書いて「とも」と呼ぶライバル関係が最高!! 今最高に続きが楽しみなシリーズです。 (バカになれ。じゃないと世界は救えない) 【10下期ラノベ投票/9784829136003】 |
■ GENESISシリーズ 境界線上のホライゾン3(下)(⇒感想) 著:川上稔 挿絵:さとやす(TENKEY) 先を歩む者達が次代を担う若者たちに託した想いが、凄すぎてもう。 ネタにされるほどの超ボリュームすら苦と感じさせない「最初から最後までクライマックス」感。 アニメもとっても楽しみです。 「次に歴史を動かすのは、私達の方よ」 【10下期ラノベ投票/9784048687355】 |
■ ココロコネクト カコランダム(⇒感想) 著:庵田定夏 挿絵:白身魚 中盤の、事態急変以降の展開の閉塞感が本当に凄かったです。 異能がきっかけで事件が起きて、異能ではないところに収束するのが面白いなあ。 物語の一区切りとなる4巻「ミチランダム」も凄かった。 「たとえそれによって……オレがこの文研部を去ることになったとしても……オレはオレを貫く」 【10下期ラノベ投票/9784047267756】 |
■ バカとテストと召喚獣8(⇒感想) 著:井上堅二 挿絵:葉賀ユイ 雄二と明久、マジ一心同体。 なにはともあれクライマックス目前のやり取りにつきます。悪友マジ悪友。 「ぬかせ。王様(キング)に協力するのは歩兵(ポーン)の義務だろうが」 【10下期ラノベ投票/9784047267275】 |
■ ギャルゲヱの世界よ、ようこそ! disc6(⇒感想) 著:田尾典丈 挿絵:有河 サトル 全ヒロインを平等に愛そうとする武紀と、一人のヒロインを選んだ「主人公達」が熱い。 シリーズを通して、ラブコメより対峙もの・バトルものとして美味しくなってきた印象が。 電脳系異能バトルが展開される「シルバーバレット」シリーズにも注目です。 「信じるぞ、親友!!」 【10下期ラノベ投票/9784047268197】 |
■ ラ・のべつまくなし 3 ブンガクくんと腐埒なるキホーテ (⇒感想) 著:壱月龍一 挿絵:裕龍ながれ ラノベ作家×腐女子の恋愛ラブコメ。 とにかく主人公とヒロインの甘いやりとりがたまりません。今季床掃除部門大賞。 様々な人の「ラノベ」観にも注目。等身大な腐女子像も印象的でした。 『あなたにとって“ライトノベル”とはなんですか? →』 【10下期ラノベ投票/9784094512205】 |
新規シリーズ
■ ファンダ・メンダ・マウス(⇒感想) 著:大間 九郎 挿絵:ヤスダスズヒト 好き嫌い分かれそうだけど、ツボにハマったら癖になる何か。 読みづらい独特のテンポの文章が心地よく感じられるようになるのが本当に不思議。 『殉教者』マウスと彼に惹かれた人々が繰り広げるお祭り騒ぎに痺れる。 「分かった?これがマウス、私の愛しいマウス。お母様の教えに忠実な狂信者。お母様の教えしか信じず、お母様の教えを守ることにすべてを捧げる原理主義者、狂おしいほど愛おしいお母様の奴隷」「私の愛しい、愛しい、ファンダ・メンダ・マウス」 【10下期ラノベ投票/9784796678865】 |
■ アンチ・マジカル?魔法少女禁止法?(⇒感想) 著:伊藤ヒロ 挿絵:kashmir 魔法少女アニメで育った世代の懐かしく暖かい何かをぶち壊してくる「アンチ・魔法少女」。 某漫画風にいうとまさしく「夢もキボーもありゃしない」。 色々な意味でインパクト抜群な作品でした。まどか☆マギカが好きな人はぜひともこれも読め。 『いいこと、よく憶えておきなさい。人はね??魔法じゃ幸せになれないの』 【10下期ラノベ投票/9784758041683】 |
「まどか☆マギカ」にかこつけてオススメする、魔法ラノベ5選+α
「魔法少女まどか☆マギカ」を見ている人に魔術師・魔女っ子繋がりでラノベを布教してみます。おもいっきり二番煎じだけどネタも2つしかかぶってないので気にしないことにした。あとだんだん性別が歪んでいくのは気のせいです。反省はしているけど謝らない!!
独断と偏見が大量に含まれているのであまり深く突っ込まないでください。選出基準はその場のノリです。
一個ラノベじゃないのまざってますが気のせいです。幻覚です。
併せて読みたい:「まどか☆マギカと魔法少女ラノベ」(koto-pinionさん)
第1話「その名前を見た、ような……」
同人版1巻のあとがきを読むと、今後まどかマギカがどんな欝い展開になっても「虚淵さんだから仕方ない」という気分になれるので超オススメ。