“金 ひかる” の検索結果 | 今日もだらだら、読書日記。

キーワード:金 ひかる (4 件 / 1 ページ)

執事と画学生、ときどき令嬢

 

素顔は明朗快活、そして若干粗忽な画学生。けれど駆け落ちして失踪中の男爵令嬢と瓜二つだったことから、女装して身代わりを務める羽目になった来智。一週間後に控えた夏見侯爵とのお見合いまでに立派な令嬢になりきるべく、執事の竹之内の鬼のしごきに日々耐えるうち、厳しい中にふいに見せる彼の優しさが気になり始め…?没落侯爵・音彦と箱入り御曹司・湊の恋も収録。召しませ初恋、大正浪漫ラブ。(「BOOK」データベースより)

 時間が経ってしまったので感想短め。

 タイトルからしてこれは女装モノだ!と思って物凄くワクテカしたんだけど、女装ものというよりは「変装モノ」としての意味合いが強かった印象で、女装モノとしては個人的には弱かったかなあ……っていうかあれですよ、どっちか片方でいいから着衣…というか女装したままえっちが欲しかったですね。BLの受なんでそんなにすぐ脱いでしまうん……(以前にもなにかの女装モノで悲しい思いを味わったような記憶が)

 色々な意味でやっぱり攻は変態紳士なんだけど、立場の違いを弁えて最後まで必死に変態部を押し隠していたのが微笑ましいのですが、女装した来智のお見合い相手の夏見公爵が病弱男子に惚れられる2編目含め、対面上は紳士>変態気味だったのがこれまで読んだ小林典雅さんの作品としてはパンチがよわく、残念に思っていたら………書き下ろしで受側がやってくださいました。まさかの●●拓。いかにも画学生といった発想ですけどその発想はなかったよ!!!

 大正時代関係の描写はばっちり雰囲気が出てて、そのへんも美味しかったです。


ラッキーメイド天くん

 

1億円でお金持ちに「買われて」しまった大黒天(あまね)。でも彼を買ったのは小さいころ結婚の約束をした伊集院千早お嬢様だった! 千早は天にメイドとして働くことを強要。メイド服に身を包んだ天は清楚で愛らしい女の子に大変身! その日からメイドとして働く天だが、どうも彼の遺伝子が狙われてるらしく、あちこちから迫られ大ピンチ! 天の運命は!? (公式サイトより)

父親の作った巨額の借金のカタとして売られてしまった男の子が、幼馴染の女の子の家で女装メイドとして働く事になる…というラブコメ。

また昨今の女装子ブームに便乗した男の娘モノか」とあまり期待せずに手に取ったのですが、これが予想外に良かった!ちょっと「女装メイド」になるまでの展開を強引に感じたのですが、女装少年モノとしてはお約束のイベントはしっかりとこなしつつも、意外に天がきちんと「男の子」として描かれているのがポイント高かったです。予想外に可愛い自分の姿見てキュンとなったりしてる一方で、無防備なヒロインの姿に理性と男としての本能が葛藤してる姿が妙にコミカル。

また、中盤から天をめぐって繰り広げられたお嬢様二人の経済戦争がなかなか面白かった。株の話はとんとわからないので普通に知らない世界の話を知る事そのものが興味深くもあったのですが、状況に流されそうになりながらも、千早を護ろうと一生懸命になってる天くんの姿がちゃんと男の子らしい主人公してて、とても可愛い。というか、色仕掛けのシーンが素晴らしすぎると思いました。胸の中で悪態付きながら千早の為に色気を振りまく天くんかわいいよ天くん。賑やかせ&お色気要員かと思われたメイドさん2人組の意外な活躍も面白かったです。

しかし、「ふたかた」読んだ時も思ったけど伏字だらけのド直球エロワードの数々はなんとかならないのでしょうか。今回は特に、内容的に結構直球でエロい展開が出てくるので、いっそ美少女文庫で読みたいと思ってしまう部分もしばしばで、エロ部分をカットしたエロゲーをやっているような気分に…。もういっそ美少女系のレーベルから出してガッツリエロも入れれば良かったと思うんです。女装子受なら、ギリギリ美少女文庫でもOKなはずだ…!!むしろHJなら性的イタズラくらいまでならOKなんじゃないですか、と呟いてみる。

ていうか、あんまり伏字多すぎると、もうエロいを通り越して雰囲気ぶち壊しなんだよー……
「●ックス」を「えっち」と言い換えるだけでも相当受けるイメージが緩和されると思うのですが。
ラノベとしてのわかつき作品に一番足りないのは、地文と女の子の「恥じらい」だと思う。


ガーゴイルおるたなてぃぶ ZERO

[著]田口 仙年堂 [絵]日向 悠二

実家を出て一人暮らしをしながら「鳥屋」というなんでも屋を営む駆け出し錬金術師・東宮ひかる。錬金術の研究にはお金がかかるし、なかなか依頼は来ないわで貧乏と戦う毎日を送っていたが、同じマンションで花屋を営む板垣から「ひかるちゃんにぴったりな仕事」という依頼を受けて…
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ひかるとガー助が古科学者達と戦う発端となった事件を描いた短編に、高原喜一郎を主人公にしたおるたなてぃぶで語られなかった事件を描く短編3つと、「吉永さん家」「おるたなてぃぶ」のキャラが競演する書き下ろし短編を収録した短編集です。

良くも悪くも「おるたなてぃぶの短編集」なんだよなー…タイトルに「おるたなてぃぶ」の名前を冠している以上当たり前のことなんですが、これが「ガーゴイルシリーズ最後の1冊」といわれるとちょっと寂しいものが…。おるたシリーズも戦いの無い、ほのぼのとした短編が読みたかったな?。特に喜一郎をメインに描く短編は「おるた」シリーズ本編よりも重くて、ちょっとキツい部分も多かったです。戦時中の話は結構好きだったんだけどな。特に「戦時中の」ガーゴイルが喜一郎との会話から「現在の」ガーゴイルへと変化を遂げていくやりとりは面白かった。

個人的には書き下ろしの「高原さん家の小さな変化」と「吉永さん家と東宮さん家と高原さん家の晩餐」が面白かった。前者は喜一郎を主人公としたシリーズのうちの1つでバトルメインのお話ではあるのですが、様々な立ち位置でひかる&ガー助と知り合った他人同士がそれぞれの立場から二人を護るため共闘するという展開が凄く良かった。そしてヒッシャムさんの大活躍を思わず絶賛せざるをえない。

後者はやっぱり双葉&イヨ&ひかる、ガーゴイル&ガー助という本編では出会わなかったキャラクターたちが競演、というだけで物凄い盛り上がる!特に本当に短い部分なのですが、ガーゴイルとガー助の共闘が熱すぎました。口調から性格からぜんぜん似てない二人(二体?)なのですが、根っこを流れる熱いものは同じ二人に胸を熱くさせられます。

しかし、やっぱり「これで最後」といわれると寂しいものが…ガーゴイル&ガー助のコンビももうちょっと見てみたかった気がするし、冒頭漫画で絡みのあった梨々&カンジとか、「おるた」終了後のガー助&狛の話とかも読んでみたかった。読み始めたのがつい最近というのもありますが、もう1?2冊何か番外編的な何かが出て欲しいなあと思わずにはいられません。


ガーゴイルおるたなてぃぶ2

[著]田口 仙年堂 [絵]日向 悠二

父親の秘書をやっている西川から、「ラーの天秤」というアイテムの正体を突き止めて欲しいという依頼をうけたひかる。また古科学者がらみの事件だと推測を立てたひかるは彼らの足取りを追うが、その先で再び喜一郎と出会う。しかし、そこに古学者達はなった追っ手が現れて!?
   個人的お気に入り度数
「ガーゴイル」の世界と並行して、新米錬金術師・ひかる&ガー助と古科学者達の戦いを描く番外編シリーズ第二弾。1巻から続いてバトルメインの展開ですが、1巻で感じたもにょもにょ感は少しずつなくなってきて、だんだん面白くなってきました。

古科学者達が作り出し、刺客として放った動く人形・狛が可愛い!無感情な暗殺人形タイプの少女かとおもってたら、少女漫画が大好きで負けず嫌いでガー助に張り合おうとする姿がとても可愛かった。何かと少女漫画の出来事を基準にしようとする姿がまた微笑ましくて、特に「月に代わって仕置きする」にはシリアス場面なのに噴出してしまった。「妖刀メイクアップ・シャドウ」もやはり同じ作品が元ネタだよね?

1巻ではただ「悪い奴ら」としか描かれなかった喜一郎以外の古学者達の、普通の人間としての一面が見え始めたのも良かったかも。お七婆さんの行動についてはちょっぴり不可解な気もするんだけど、きっとこの人の描く物語なら素直に「実はいい人」説を信じていいんだよね!?って気分になる。彦左衛門を巡る杉田とひかるの会話のやりとりも好きです。敵対してはいても、もう憎み合ってはいない。「悪い古科学者」を憎んでいても「杉田さん」や「お七婆さん」自身は憎んでいない、という微妙な構図が面白い。あと何よりもひかるたちに感化されて、良い方向に変わっていく喜一郎が素敵です。「ガーゴイル」側で登場したときの喜一郎の姿を知っていると、特に感慨深いところがある。喜一郎かわいいよ喜一郎。

ただ、「私たちはガーゴイル程万能じゃない、でも仲間に助けてもらって、その絆の力で勝利する」って言ってる割にはやはり味方側のキャラクター立てが薄いのが気になるんだよなあ……今のところ千秋くらいしかキャラとして目だってないので、なんか仲間達がジャストタイミングで駆けつけてきてもいまいち感情移入できないというか、どこか舞台装置的なご都合展開を感じてしまう。敵のほうがよほどキャラ立ちしてるってのがまたなんだか……

とりあえずお七婆さんや杉田さんの味方フラグに期待しつつ、そろそろ物語の焦点をバトルではなく一色町の仲間達に当ててくれてもいいんだぜ?とか思いつつ、続きを読んでいこうかと思います。