[著]喬林 知 [絵]松本 テマリ
いつもなら事件を解決すれば元の世界に戻れるのに、眞魔国から帰れなくなったユーリ。そんな彼の元に“現魔王のご落胤”と名乗る少女・グレタが現れる。彼女に暗殺されそうになり、足を痛めたユーリはグレタを連れてコンラッド(と勝手についてきたヴォルフラム)と温泉街に湯治に出かけるがそこでも事件が…!?
アニシナさん最高。いつもなら事件を解決すれば元の世界に戻れるのに、眞魔国から帰れなくなったユーリ。そんな彼の元に“現魔王のご落胤”と名乗る少女・グレタが現れる。彼女に暗殺されそうになり、足を痛めたユーリはグレタを連れてコンラッド(と勝手についてきたヴォルフラム)と温泉街に湯治に出かけるがそこでも事件が…!?
幼馴染のグウェンダルとのやりとりも非常に楽しいのですが、ラスト付近の大活躍の際の漢らしさにひたすらニヤニヤしてしまいました。カッコイイ!!
ストーリーは…ある意味前回からの続き。手に入れた魔笛の力によって雨を降らせ、スヴェレラの国を救っていたつもりでいたユーリですが、作物が育たず法石を取る事が出来なくなったスヴェレラでは実はますます民が貧窮し、多くの親が子供を「出稼ぎに出す」という名目で身売りさせなくてはいけなくなっていた…という話。
高校生なのにまるで堅いおじさんのように売春している女の子達を諭そうとしたり、すっかりグレタの“親”になって必死に彼女を守ろうとするユーリが非常に可愛い。この巻は特にユーリの一生懸命さが際立っていたような気がします。その裏で、自分の両親の事を思い出したり本当に元の世界に戻れないのか、悩む姿が印象的。
ラストの賭けのシーンでは、ただ状況に流されているような状態に近かった最初の頃から、自分の意思で「王として」周囲を守ろうとする姿に心打たれました。何か今回は本当にユーリかっこよかったな。
そして今回のギュンターは勘違いでついに出家。
ユーリの書き間違いっぷりにも笑えましたがそれを間に受けて適当な寺に体験出家しちゃうギュンターの姿に大爆笑です。もうこの人どこまで突っ走っていかれるのか、今後が楽しみ(笑)