[著]御伽 枕 [絵]松竜
高校二年生の春。俺はある“呪い”にかけられた。彼女が「おはよう」というと、また呪いが最新のものに更新される…。“羽根”をなくした人間達の恋愛模様と、罪を犯して羽根を無くし、彼らの橋渡しをする天使達の物語。
普通に恋愛がテーマの短編として書けばいいのに、うっかり「天使」だの「羽根」だのという不思議要素を絡ませてしまったがために一部の魅力が台無しになってしまった印象を受けます。うーん、「劣化版・しにがみのバラッド。?L・O・V・Eバージョン?」とでも言えばいいのでしょうか。どうにも天使達が現れる基準が掴み辛いんですよね、ラストの短編以外では「不思議現象」が起きている訳でもないですし。1話目の「呪い」なんかは絶対不思議要素の所為でああなったと考えるより「これが恋なんです!!」というオチにした方が面白いと思うし。高校二年生の春。俺はある“呪い”にかけられた。彼女が「おはよう」というと、また呪いが最新のものに更新される…。“羽根”をなくした人間達の恋愛模様と、罪を犯して羽根を無くし、彼らの橋渡しをする天使達の物語。
完全に天使要素を排除するか、全てラストのように恋愛の所為で不思議現象が起きてしまってそれを正常化する、みたいな展開の方が良かったのでは…。
ストーリーとしては天使が出張ってこない「恋愛実験」が凄く面白かった。ヒトの感情をよく理解できない芸術家少年・伊織と内気な少女・綾乃の微妙にトンチンカンな会話が微笑ましくて非常にツボ。逆にラストの「ソラヲトベ」はちょっとダメでした。何故ラストで二人が引き離されなくてはいけないのか理由が不明瞭だし、ちょっと読み辛い印象を受けました。
二人の天使が引き離された理由等、魅力的な設定は多々あるのにそれが全く生かしきれていないのが凄く残念です。「二四〇九階の彼女」もそうだったけど、どうも「キノ」とか「しにがみ」みたいな傑作短編シリーズの真似しようとして墜落した感じがしてダメでした。
「恋愛実験」が凄くツボだっただけに、もったいない気がする。
っていうかやっぱ、普通の恋愛小説にした方が売れるんじゃないの。
追記。
「トランキライザー・キス」のヒロインは女のこちらから見ても正直キモイです。
特に女のオタク・特に腐女子はヘンなところでピュアな話が好きなので、
これは女性向けライトノベルレーベルで出しても微妙ながします。
女性向の世界は基本的にファンタジーだからネ!!
どっちかっていうとラノベ好きよりは“性コミ”こと少女コミック読者辺りにウケそうな予感。
あ?…まあ、18禁乙女ゲームとかならありそうな展開かな。
自分にはどっちの属性もないのでなんとなくですけど。
敢えて触れなかったけど、この短編が一番ダメだったな。
ヒロインの自分勝手さが猛烈に鼻につくんですよね。
全面的に気分の悪い話でした。
コメント
天使のレシピ
電撃文庫
著作名:天使のレシピ
著者名:御伽枕(おとぎ まくら)
イラストレーター:松竜(まつりゅう)
発行日:2006/04/25
あらすじ
貴方が失くした大切な羽根。見つけるための処方箋(レシピ)を差し上げます。
[御伽枕][恋愛][★★★]天使のレシピ
天使のレシピ 作者: 御伽枕 出版社/メーカー: メディアワークス メディア: 文庫 「ライトノベルの×××描写って・・・」のエントリで愛あるセックス描写があるという事を薦められて読んでみた。たしかにちょいエロかった。 ストーリー ちょっとずれてしまった恋愛を元に描
コメントテスト
天使のレシピ、2巻は1巻にあった「いわゆる不快感のある女の子」が減っていますよ。
結構読めます。
天使のレシピ、2巻以降ぐっと良くなったというレビューが多いみたいですね?。
「恋愛実験」など物凄いツボにはまった短編も何気にあったので、
また積読本を消化して時間が出来たら読んでみたいと思います?。