[著]熊谷 雅人 [絵]えれっと 2年生になった「ネクラ少女」空口真帆は、なけなしの勇気を振り絞ってなぜか気になる先輩が居る演劇部に入部した。ところが、演劇部は顧問の先生と部員の不足から、廃部の危機に立たされていた。自分にも出来ることはないかと“黒魔法”での人集めを思い立った真帆だが、公園で黒魔法を使うところを他人に見られてしまって!? |
自分の中には既にある筈の記憶を誰とも共有出来ない。真帆にとっては死に物狂いで築いた筈の人間関係が、あっさりと瓦解しているというのは本当につらかっただろうと思います。先輩との関係を再び1からやり直す事をとるか、既に自分のことを好いてくれている相手で妥協するか、思わずゆれてしまう真帆の気持ちも痛いほど理解できる気がする。
個人的には悪魔に頼らず、今度こそ自分の力だけで再び関係を築いていく真帆の姿を見たかったので、記憶が戻ってしまったのはちょっと意外というか拍子抜けな部分もあったのですが、それ以上に強くなった真帆が自分と同じ間違い・同じ過ちを繰り返そうとする神門の間違いを正そうと奔走する姿が素敵だった。1巻からの成長が如実に見て取れるところが好印象。まあ、なんだかんだいって中身はネクラな毒舌少女のままなんですけど(笑)
ただ、個人的には真帆の心が「みんなの記憶を取り戻そう!」じゃなくて早く「ここはひとつ、イチから関係を作り直そう」って方向に行ってほしいかな、と思ってみたり。前者の方向に気持ちが流れるのが微妙だなあと思ったので再び関係を築く方向に話が動く事に期待をしてたんですけどね。いや、そちらの方に気持ちが傾くのは当たり前だし、それでこそネクラ少女であるとも言えるんですが。
そして最初「うぜえ!!」とばかり思っていた永音先生が最後の最後で…!!実はいい人ってパターンかよ!!と地味に噴きました。永音先生かっこいいよ永音先生。