[著]坂照 鉄平 [絵]水城 葵 ひょんなことから飲み込んでしまった《罪人竜の息吹》を取り出す方法を探すため、竜徒の研究をしている昔の恋人・フェイの元を訪れたバーンとアーティア。ところが彼女は街を牛耳るマフィアグループととある魔剣を巡って対立していた。更に『アビスパス』のメンバーやアーティアを慕う竜徒の少年までが現れて…!? |
臆病者の詐欺師で元々戦闘能力など皆無に等しい(無いわけじゃないけどその能力を使うには危険が伴う)バーンが、アーティアと背中を向けて戦い合うミロの姿を見て自分がその位置に並び立てないことにもどかしさを感じて暴走しちゃったり、恋愛に疎いアーティアが、バーンとフェイの長年連れ添った者同士の気の置けない関係を目の当たりにして得体の知れない感情に襲われたり……と、そんなもどかしい関係にニヤニヤしっぱなし。特に、フェイに対してアーティアとの関係をぼやくバーンの場面とか、ヘタレ男好きーとしてはもう!百戦錬磨(…?)の詐欺師が本物の恋をして、今までとは違う感情に戸惑う姿がたまりません!
そして相変わらず後半のバトルが熱い。戦闘的にはダメダメなバーンがアーティアへの恋心を糧に知略を駆使して立ち回る姿は毎度胸が熱くなります。そして同時に、こちらまで恥ずかしくなるような青春真っ只中な会話展開がとても素敵です。アーティアの前ではそんな事いえないくせに、粋がっちゃうバーンの叫びに、胸が熱くなりつつもまたニヤニヤ。
物語的には少し不穏な風が吹いて来たようで、《罪人竜の息吹》の件も含めて二人が今後どうなっていくのか続きが楽しみです。