[著]鏡 貴也 [絵]榎宮 祐 囚われた遥を救出するため、異世界に乗り込む月光達。エルフ族の王宮に彼女の手掛かりがあるという情報をつかむことに成功するが、そこに《軍》からの横やりが入り、一端引く羽目に。自らの力不足を感じた大兎は、新たな力を身につけるため、月光には内緒で異世界に向かうが…… |
遥を操っている存在やら、生徒会を影から操る《軍》やら、ヒメアを9年間閉じ込めていた《教会》やら、異世界での人間達の立ち位置が少し透けて見えて、これから物語が盛り上がるんだぞー!という雰囲気満々ですが、ストーリー本編よりも魅力的なキャラクター達をもっと掘り下げていってほしいなあと思う今日この頃。強さのインフレ激しいバトル満載な本編よりも、間に挿入されるちょっとしたやりとりに心ときめいてしまうのはなぜなんでしょうか。うーん、ド派手なバトル展開も悪くないんだけど、イマイチそっちに興味持てないんだよな…。次巻以降で物語がいよいよ核心にせまっていきそうな気配なので、そっちはそっちで楽しみなのですが。
相変わらずツンの中にデレをひそませまくる紅月光のツンデレ具合や、今回一瞬だけ本気を覗かせたペパ子や、遂に完全な三角関係に突入したらしい遙を加えての三角関係やら、何か波乱を巻き起こしてくれそうな雰囲気でいっぱいの新キャラ3人……と、魅力的なキャラクター達が満載で、個人的にはバトルは一回放置して彼らがワイワイやってる短編が見たい気がします。短編集作りやすそうな物語構造だし、今後そのような展開を期待してもいいのかしら。
なにより、良い意味でも悪い意味でもバカップル(ヒメア&大兎)がウザイ(※褒め言葉)。シリアスな戦闘中にもかかわらず、平気でイチャつきはじめる彼らの空気読まないバカップルっぷりは正直どうなの!!しかし、これだけイチャイチャしておきながらヒメアは「大兎の本命は遙」って思って我慢してる節があるし、大兎も遙とヒメアを天秤に掛けたら彼女を選べるだけの気持ちはまだ育っていないみたいで…なんか二人のこのアンバランスさが、今後のカギを握ってきそうな気もします。遥を加えた三角関係にも期待しつつ、今後の展開が楽しみです。