問題児揃いの「化学実験部」の面々が、部活存続のために見当違いな方向に奔走するドタバタ学園コメディ。長らく積んでましたが漸く手を出せたよー!
序盤はあっちこっちに行ったり来たりする場面転換や物語についていけず、イマイチ乗り切れない部分があったのですが、段々エンジンがかかって物語があらぬ方向に暴走し始める頃にはすっかり物語に引き込まれておりました。ある意味先が見えないというか、斜め45度上の方向に突き抜けていく展開が凄い。
「部を潰されたくなかったら、何らかの結果を出せ」→「…といわれても、文化部なので、全国大会とかありませんが?」→「とりあえず、何かの大会とかコンテストで名を残せばいいんじゃね?!」→「よろしい、ならばチャンバラだ」という思考展開により何故か謎のチャンバラ競技で世界一を目指すことになってしまった化学実験部……ってとりあえず誰かいや、その思考展開はおかしいって突っ込んでやれよ!!!なぜかハートマ●軍曹ばりのムキムキ外国人に怪しげな特訓を受けさせられたり……ととてもよい感じに熱血で青春なわけですが……まさに、某ラノベ風に言えば「青春の無駄足」な展開に笑えばいいのか、熱くなればいいのかわからない!!いや、面白ければ…面白ければそれでオールOK……なのか!?
ハイテンションにあらぬ方向に突き抜けていく物語もなかなかですが、何より魅力的だったのはキャラクター達。テンプレなまでにお約束にドンカンな主人公にヤキモキしながらそれぞれがあらぬ方向に闘志を燃やすヒロイン(?)2人も中々に可愛いのですが、個人的には腐痴女子キャラの凛さんがなかなか素敵なキャラでした。っていうか何この女ムッツリーニ……。正直作者が腐女子という存在を勘違いしてるとしか思えない変態行動の数々は正直いかがなものかとは思うのですが、変態として爽やかに間違った方向に突き抜ける彼女が自発的に「変態的なキャラを作っている」という設定は中々面白かったかと。本能の赴くままに驀進してるように思わせて、実は化学実験部の中でも有数な策士タイプという設定にニヤリとしました。
しかし、「ベン・トー」の白粉さんもそうだけど、腐女子=変態って勘違いしてるラノベ作家多すぎると思うよ!!いや、変態であることを否定する気はないけどなんかこの変態の方向は……違うと思うんだ!!!
らじかるエレメンツ
著
白鳥 士郎絵
カトウ ハルアキアクセル全開ハイテンション学園コメディ! 嶋谷鉄太郎が部長を務める刀鎌北高校化学実験部は、日頃まったく実験や研究を行わず、学校をいたずらに騒がせてばかりいる、大変いいかげんな部活である。 だが簗瀬アルミ率いる生徒会からの「部室明け渡し」通告により、彼らの楽園は風前の灯となっていた。唯一の望みは、夏休み明けまでに部として実績を上げること。もちろんそんな実績、急にあげられるわけがない。 困ったあげくに彼らが思いついたのは「なんとなくマイナーそうな競技『スポーツチャンバラ』で名を上げて実績にしよう!」という、いろんな意味で無謀な作戦。一癖も二癖もある部員達を率い、鉄太郎は大会目指して邁進することになるのだが……!?