ファイフステル・サーガ3 再臨の魔王と草原の灰エルフ | 今日もだらだら、読書日記。

ファイフステル・サーガ3 再臨の魔王と草原の灰エルフ

 

かつて魔王戦役にて魔王軍に与した灰エルフの子孫たちが、“魔王の左腕”を奪還すべく五芒国へと再び侵略を開始する。灰エルフたちの鍛え抜かれた弓の腕と馬術によって、フライスラントの地に多くの血が流れ、兵たちが敗北を重ねる戦況にカレルが、ヴェッセルが動き出す―。「心に正直になれ。どうして欲しい?一晩中これを続けて欲しいのか?」灰エルフ族長のひとり“天秤の担い手”ギルセリオン。圧倒的な武と、女を堕とす術を持つ新たな英雄は、来るべき『セシリアの死』を起こす元凶か、それとも未来を変える存在か―。かくして歴史の表舞台に英雄は揃う! (「BOOK」データベースより)

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魔王再臨の兆しをうけ、灰エルフ達が五芒国に侵入した。圧倒的な騎馬能力を持つ彼らはアレンヘムと戦争中だったフライスランドを徹底的に蹂躙していく。フライスランド総督から和平及び援軍の要請を受けたカレルはヴェッセルに和平の仲介を頼むことに。一方、灰エルフの族長の一人・ギルセリオンはひとり、他の灰エルフ達とは別行動を取っていて……。

これまで「夢の中でセシリアを殺す存在」というどこかふわふわした輪郭しかなかった灰エルフに生き生きと肉付けされていく流れが楽しく、第三の主人公的な存在であるギルセリオンが圧倒的な力で立ちふさがる人間たちをねじ伏せ、それと並行して女を抱くことで版図を広げ情報を得ていく姿がまるで別の物語を読んでいるよう。魔王とも他の灰エルフ達とも異なる視点を持った彼の存在は今後の物語において大きな意味を持ちそうで、どんなふうにカレルやヴェッセルの物語に関わっていくのか楽しみで仕方がない。しかしあの一晩で陥落させられた領主の娘のアレの話とか色んな意味でどういう流れだったんですかねえ!?流石に夜の床でメロメロになってしまって手のひら返したという流れだとは思えないんですけど、そのへんに描写ないので若干どういうふうに受け取ったら良いか悩むよな…。

英雄、色を好む」を体現したようなギルセリオンのスケコマシ一代無双旅の後にカレル・セシリア夫妻の朝のイチャイチャ風景を読むの、温度差が凄くて口から砂糖出る。巻を重ねるごとに嫁バカになっていくカレルと、徐々に人前で憚らなくなってきた旦那に振り回されるセシリアがかわいすぎるんですが!!あと、ヴェッセルから漂う隠しきれない残念感が好きです。猛暑の中お外に出たくないヴェッセルさん……。

侵攻してきた灰エルフを撃退する流れ、セシリアの「夢」を元手に何度もデッドエンドを繰り返して生き残る道を模索していく流れは前2冊と比べるとめちゃくちゃざっくり割愛だったのが残念だった反面、その試行錯誤描写が削られた分恐ろしくスムーズにカレルの手のひらの上で事が運んだように見える。なるほど実際の泥臭い努力とは裏腹にこんなにもスムーズに策を立てているように見えるのかと。一応味方になったけどまだまだ痼の残るフライスランド総督の、カレルの手並みを見ての反応にめちゃくちゃ笑ってしまった。これは確かに「夢で予習してる」って知らなかったらこういう反応になるよなあ!

それにしても、次巻は子供大好き(ロリコンではない)コルネリウス隊長と幼女と政略結婚の縁組とかいうもう明らかに(コルネリウスが)荒れそうな流れだし、あとミーリエルの方も……これ流れ的に「エルフは多重婚イケる」って話まであったし側室フラグなのでは!?とおもってるんですけどどうなんですかね……楽しみすぎるんですけど、ほんとなんとか頑張って4巻が出て欲しい……あとがきの話は他の所で散々愚痴ったので割愛しますが、これで3巻打ち切り喰らったらほんと、ギルセリオンの真意もわからなくなってしまうしおおよそ最悪にキリ悪い所で終わるなあと思うのでよろしくおねがいします……。