陰陽師と天狗眼 ─冬山の隠れ鬼─ | 今日もだらだら、読書日記。

陰陽師と天狗眼 ─冬山の隠れ鬼─

 

広島もののけお仕事×お仕事ファンタジー第2弾!!
美貌の公務員陰陽師と熱血フリーランス山伏、今度は〈鬼〉と対峙する。

狗神退治を無事に終えた広島県巴市の公務員陰陽師・宮澤美郷(みやざわ・みさと)のもとに、 新たな「特殊自然災害(もののけトラブル)」解決の依頼が舞い込む。 同時にフリーの山伏・狩野怜路(かりの・りょうじ)のもとには、出雲から内密に 人捜しの依頼が来ていた。捜す人物は鳴神克樹(なるかみ・かつき)。 それは、美郷の愛する弟だった。 調査を進めるうち、二つの事件に共通のキーワードが浮かび上がる。 それは「鬼ごっこ」――。

巴市の市役所に勤務する公務員陰陽師・宮澤美郷の元に持ち込まれた新たな特殊自然災害の依頼……それは小学生の男の子の奇妙な放浪癖に関する相談だった。地域に残る神隠しの伝承、そして子どもたちの間に伝わる『鬼ごっこ』の噂が原因と思い調査を始めるが……その頃、相棒でありフリーの山伏・狩野怜路の元には失踪した美郷の弟を捜索する依頼が持ち込まれており……。

美郷さんほんと魔性の男……

男男バディが繰り広げるあやかし退治シリーズ第二巻。美郷が受けたもののけトラブルの依頼と、怜路が受けた美郷の弟を捜索する依頼。ふたつの事件はやがてとある民間伝承に端を発した祟りと神隠しの事件へと繋がっていく。別々の依頼が徐々にひとつの大きな事件に収束していくという展開が面白かったです!

前巻はふたりの馴れ初めと怜路側の事情が中心でしたが、今回は美郷の実家を巡るアレコレが中心。1巻を読んだ感じだともうけんもほろろに家に居場所がなくて……みたいなのをイメージしていたんですがもっと入り組んでいたというか、父親もつらい立場なりに頑張ってるんだな……。

1巻の広瀬なんかもそうでしたけど、弟の克樹にせよ使用人の若竹にせよ様々な意味で美郷の存在に惹かれる──というよりはもう「囚われて」いるんだよなあ。これはもう色々な意味で美郷のほうも家を出ていく以外に道は無かったよねという感じ。かつての兄の影を求めて必死に追いすがる弟の手を振り払いながらも最終的にお互いに別の所で生きていくことで再び絆を取り戻す展開が印象的で、とてもよかったです。それにしてもいろんな男(年齢性別生死問わない)からクソデカ感情向けられまくる宮澤美郷、あらためて魔性の男だよ……。

相棒関係的には美郷と怜路が別々の事件から派生した一つの大きな事件を共に解決することで、改めてお互いを何でも話せる「相棒」として認め合いこれから一緒に事件を解決していくぜという流れでこれから続く物語がますます楽しみになりました。

それにしても白太さんが可愛いすぎてつらい。シャベッタアアア!!もそうですけど一人称が「しろたさん」ってあなた……。


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