なんとか登録者数も一万人を越え、少しずつ配信活動も軌道に……と思いはじめた矢先、とある企業のVtuber公開オーディションに元同期のハセガワらしき人物が参加しているという話が話題になる。それのとばっちりで何故か元同期である神坂の配信にまでコメントを求める声が波及。挙げ句、初期の低評価動画のアーカイブが蒸し返されはじめて……!?
きなくさい中での男子V組のわちゃわちゃ、たまらんです。
久しぶりの炎上回で、ずっときな臭い一冊だった。というかなんか不穏なまま終わったな…リアルご近所の女性声優・陽葵さんとの絡みもちょっと不穏なフラグ立ってたし次巻が心配すぎる。それにしてもあの影尾って人、神坂に個人的な恨みとかあるんですかね?結構無理やり燃やしに行ってる印象受けるんですけど。ハセガワ復活疑惑が鎮火しきらないうちに妹ちゃんのリアル友人V・十六夜真の炎上騒動が続いて他の箱を舞台にした炎上劇という自分の力だけではどうにもならない状況に遭遇した神坂が──過去の人間関係のトラウマから心の奥底で他人を信用することがどうしてもできなかった彼が、初めて事件の解決に他人を巻き込もうとする姿がとても良かったです(いや、前巻の花火企画もなんだかんだで先輩総出で巻き込んでたので少しずつその呪縛から解き放たれてはいたとおもうんですけど)。他人を巻き込んではいけないと思い続けてきた彼の考えを決定的に打ち砕いたのは、直前の炎上の際に自分のことを「家族」だと言ってフォローしてくれた仲間の存在で。そして、なけなしの勇気と信頼を絞り出して神坂が吐き出したSOSをしっかり受け取って全力で応えてくれる畳もとい柊冬夜先輩があまりにもかっこよすぎる。いやもう……ほんと……こんなの薄い本が厚くならざるを得ないじゃん!!
そして1冊ずっと不穏な何かが漂う中、とにかくあんだーらいぶ男子V4人のわちゃわちゃが癒やしでした。3巻の畳・あさちゃん・神坂のトリオでのサバゲー配信関係も大変に美味しかったんですが、ミカァ!!こと御影和也がそこに加わってきて絶妙にダメな後輩わんこ感出してくるのたまらん。特にミカァ!のお部屋片付け配信。これがてぇてぇという感情(以下略)
今明かされる「あんだーらいぶ」昔話
本当に今回はずっと畳のターン!!すぎて、畳かっこよすぎて草なんですけど、その反面でめちゃくちゃかっこよく先輩してる畳の言葉の端々から同僚を救えなかったことの未練と後悔が透けて見えてくるのが印象的でした。いやほんと、「俺は数字を取ることしかできない」っていうセリフが、聞きようによっては自慢とも受け取られかねないその言葉からあふれる深い自虐の念が、彼もただ光の中を歩んできただけのVtuberじゃないってビンビンに匂わせてきて、切ないんだよな……。そしてこれは正確には本編の感想ではないんですけど、本編の畳に加えてゲーマーズ限定版冊子についてきた特典小説「ニートのおしごと+あんだーらいぶ誕生秘話」がめちゃくちゃ泣ける話で卑怯だったんですよね…。配信を行わない異色のVtuber・新戸先輩の視点から4巻の物語とあんだーらいぶ設立当時のエピソードを振り返るお話なんですけど、なぜ彼女が配信をしない「ニート」になったのか。普段表に出てこない彼女がいかに「あんだーらいぶ」という箱に思い入れを持っているかが語られるお話で、これを本編に収録しないのはさすがに後からハマった人に優しくなさすぎる。一つ前の感想でも同じ話したばっかりですけど本編匂わせのあったエピソードやみんなが知りたいエピソード・ゼロを限定版特典や円盤小説でやるなマジで。畳の作中での発言、この短編読まないと意味が理解できないのは普通に卑怯だとおもうんですがー!!!私も店舗特典は全部当たりきれてなくて、完結後とかでもいいので店舗特典系の短編をみんなが読める形にちゃんとまとめてほしいなぁ……そしてこの作品のファンで未読の人は在庫が枯れる前にゲーマーズ限定版を確保しておいて欲しい。
……ところで、掲示板の方には新たなコテハン登場してましたね。1巻以来ご無沙汰だったアンチくんはともかく、占い師一体何者なんだ……(なんか内部事情知ってる人っぽいけど本当になにものなんだ……!?)