職業、仕立屋。淡々と、VRMMO実況。2 | 今日もだらだら、読書日記。

職業、仕立屋。淡々と、VRMMO実況。2

 

気ままにクラフトを楽しむVRMMO『きまくら。』で仕立屋業をエンジョイ中のビビア。店頭販売を始めたり、《リクエストボックス》の要望に応えたりと新たな試みにも挑戦していた。とにかく作りたいものを作るぞと、気になるリクエストをチョイスし、初めてのワンピースや和装作りに励むことに。生産に大忙しで引き籠りがちな中、「そろそろ別の街に行ってみたいな?」と手付かずだったミッション消化を思い立ち、いそいそと向かった先は【病める森】! 幻獣のスタンピードを阻止する緊急イベントが発生し、この世界に存在する賢人たちの秘めた過去を知ることになって――? 壮大な世界をのんびり楽しみ尽くす、ほのぼのクラフトファンタジー第2弾!

VRMMO『きまくら。』でマイペースに仕立屋業を楽しむビビア。たまにはメインクエストでも進めよう……と思い向かった【病める森】で幻獣のスタンピードとそれを阻止する緊急クエストが発生してしまう。イベントポイントを集めるために向かった現場で禁止されているはずのPKを受け、更には『きまくら。』に関する衝撃的な事実を知ってしまい……!?

過激派セコムで歩いた後が一面の焼け野原な件

ビビアがまったりクラフトゲームしてる後ろが過激派セコムことゾエベルさんの手によって一面の焼け野原になってるの面白すぎるんですが!?2巻のオチで腹抱えて笑ったよね。後ろでセコムしてるゾエさんのせいでビビアまで巻き添えでヘイト買ってる描写には少しハラハラしましたが、結局うまいこといなしてしまいそうな空気あるのがズルいな……途中のチャットでも実際に出てきましたが、妹のリンリンちゃんの苦労が透けて見える。そして萌え語り仲間からはじまって過激派セコムからテロリストまで自由自在にこなすゾエさん最高に気持ち悪い(※褒めてます)

もはや『推しカプ』となったビビアを引退させまいと過激派セコムに変貌するゾエさんが今回の戦犯すぎる。ミナシゴさんからの情報によって『きまくら。』の真実を知ったビビア、冷静に「あっこれ求めてたクラフトゲーと違うな……?」と引退を検討しつつもなんだかんだ自分の意志で界隈の空気をを受け入れて今後もまったりやっていこう!みたいな雰囲気だったとおもうんですが……でも、「界隈」の空気に染まらない初心者っぽさを残したまま面倒ユーザーにもならず黙々とディープにゲームを楽しんでくれる新規ユーザーの存在ってあまりにも貴重だから、ガードしたくなる気持ちはわからなくもない……。あと、ビビアにとっては自分のことを「ブティックさん」という俗名じゃなくて「ビビアさん」って呼んでくれるゾエさんへの信頼、実はメチャクチャ高いんだろうな……。

いろいろな意味で大変なことになっている自らの背後には気づきもせず、相変わらずマイペースにクラフトゲームとして『きまくら。』をプレイしていくビビアですが、その合間にもしっかりワールドストーリー進行フラグを踏み抜いたり、誰も気づいていない新要素を発見したりで着々とゲーム内における台風の目と化していっており……。ゾエさんのセコム化もそうですけど、ビビアの特製衣装によって承認欲求をこじらせためめこさんの前途が心配すぎるし、もも太郎金融接近とか……1巻ずっとすれ違い通しだったキムチもといメダカさんとの今後も気になるし、あと妹ちゃんは強く生きて欲しい(2回目)。

リアルなネトゲ描写は面白いけどもう少し説明がほしい

この作品、クラフトゲーム描写もさることながら何よりも大規模ネトゲーにありがちな人間関係のギスギス描写がリアルで面白い。ゲーム内イベントで戦果争ってギスギスしてる描写とか、いつまでも初心者然とした質問してくるユーザーが彼女が見てない別のチャットでおもくそdisられてるのとかはもうリアルすぎてキツいんですが……!!(というかこの娘、電書版描き下ろしの番外編があまりにも不穏だったんですよね……ビビアの裏側面というか、一歩間違えればありえたifというか……不穏だ……)

ただ、本編であるゲーム内描写、公式スレッドやゲーム内チャットの描写など複数で展開する場面が複雑に絡み合っていくのがかなりわかりにくく、そこにネトゲーありがちな用語の省略を起点にした独自言語文化が加わってストーリーの全貌がわかりにくくなっているのはものすごくマイナスだなと思いました。Vtuberものや配信者者によくある「匿名掲示板」描写だとあまり誰が喋っているかを気にしなくてもよいのですが、この作品の場合記名タイプの掲示板・チャットになるので誰が喋ってるかが意外に重要になってくるんですよね。でも匿名掲示板形式と同じように記載されているからなんとなく読み飛ばしてしまうという……。

個人が趣味で書いてるWEB小説であればその「わかりにくさ」も味でいいとおもうんだけど、商業書籍として出版しているなら最低限のメインキャラだけでもいいから説明がほしいなあ。この作品なら誰がどの組織に所属しているのかもわかるような人物相関図・用語解説も付けて欲しい(本編はこのノリのままで行って欲しいんだけど、本編開始前に簡単な人物紹介と用語集が欲しいの意です)

1巻から頻出する「組織」がリンリン・ゾエベルの所属するギルドのことだと気づかず2巻の中盤まで読んでたのがショックだったなんてことはそんな。あと1巻でさらっと説明されてただけの「集荷」の意味を2巻読んだ頃にはすっかり忘れてしまってなんとなく雰囲気で読んでたとかそんな。

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