<ふうせんかずら>と名乗る謎の存在に観察対象(?)として目をつけられてしまった高校生5人組が様々なトラブルに巻き込まれるお話、第二巻。
今回は不定期に欲望が丸出しになってしまい、自制がきかなくなる『欲望解放』が起こるようになって……というお話なのですが、「入れ替わり」が起こっていても表面上はマイペースだった前回と違ってしょっぱなからとても余裕が無い。様々な部分で齟齬を生んで、最終的には5人組離散の危機にまで陥ってしまうのですが、それも元はといえば5人が「欲望解放が起きた時に5人のうちの誰かを傷つけてしまったらどうしよう」という優しい想いから来ているのだと思うと、なんともやりきれないものがありました。
それでもなんとか元の関係を取り戻していくのですが、最後まで意地を張り続ける稲葉にはとある秘密があって……5人の関係を壊したくないと思うからこそ何もかもに臆病になってしまう稲葉と、そんな彼女に喝を入れ手を差し伸べる伊織のやりとりがとてもよかったです。前回の「入れ替わり」の影響を最後まで引きずった伊織が太一を立ち直らせ稲葉を立ち直らせて……と今度は5人を助ける鍵となっていく展開は本当に良かった。
というか開き直った稲葉の、エピローグの独白にはニヤニヤが止まらない!!稲葉と伊織の爽やかライバルっぷりにニヤニヤします。あと藤島かっこいいよ藤島。1巻の百合キャラから一気に姐御キャラへの転身を果たした彼女の今後の活躍に期待せざるをえない!!!
しかし、個人的に一番ツボにはまったのは太一と青木の仲直りでした。なんだこの青春具合ふざけてるの萌える。夕方の川辺、なんてもうシチュエーションだけで卑怯すぎる!!!
「なぁ太一。ちょっと座ろうぜ。河川敷で夕日を見ながら男二人で話すって青春全開だろ?青春しようぜ」