ROBOTICS;NOTES 瀬乃宮みさ希の未発表手記 | 今日もだらだら、読書日記。

ROBOTICS;NOTES 瀬乃宮みさ希の未発表手記

   
原作
5pb.×ニトロプラス

2009年夏。日蝕が観測されたその日、種子島に住む中学三年生の瀬乃宮みさ希は、当時まだ珍しかった携帯端末(スマートフォン)を拾う。携帯を覗くとそこにはアイリがいた。アイリとは人工知能を持つAR(拡張現実)。つまりバーチャルの中にだけ存在する人格。彼女と話をしながら、携帯を返すため持ち主の家を訪れたとき、みさ希は恋に落ちた。持ち主は君島コウという科学者だった。みさ希は自分を子供扱いしない大人の男性、君島に惹かれていくが…。『ROBOTICS;NOTES』ゲーム本編では語られなかったあらゆる謎を解き明かす、科学AVGファン必読の一冊。 (「BOOK」データベースより)

個人的お気に入り度数

 瀬乃宮あき穂の姉・みさ希の過去を描く外伝ノベライズ。
 本編の真相に関わるネタバレを含むため、全力でゲームクリア後に読むことをオススメします。

 ゲームではクールビューティ本来はアツい女、みたいなポジションだったみさ希の姉馬鹿一代ぶりがヤバイ。めちゃくちゃ頭いいのに本気でアキちゃんマジ人間界に降臨した天使だし、アキちゃんいたら宇宙人とも分かり合えるし地球の環境問題全部解決すると思ってるシスコン具合が可愛すぎて腹筋崩壊した。みさ希だけでなく昴父やドクなど原作ではわかり辛い人々の本音が見えたのもよかった。

 頭の出来が良すぎる故に周囲に馴染むことが出来なかったみさ希が君島コウと出会い、仄かな恋心を抱きながらも君島の言葉を胸に少しずつ周囲に打ち解けようと努力していく姿がとても甘酸っぱく、仲間を得て互いに衝突しながらも不器用に人間関係を構築していく姿がとても暖かく、だからこそ、真実が明かされていく後半の展開が辛い。終盤は完全にホラー展開で、本編へと続くからこそできる最悪の終わり方が物凄く後味悪くて。「その目誰の目」万能だなあ……。

 同時に、幕間で語られる彼のひとの行動がやばい。これ本当に原作公式設定だとするとこれまで全て「事故」や「偶然」で片付けられてきた事まで全てに関連付けがされてしまうんですが……本人にその後の展開を予見できたとは思えないのですが、ある意味全ては仕組まれていたというか、この後、種子島で『彼ら』が出会いひとつになって巨大ロボットを作ろうとする流れは必然だったんだなあと。彼らの持つ全ての傷に彼の人が関わっていたのだとしたら。これ、語られていないけどこれおそらく瑞榎さんの事故も……ですよね。

 めちゃくちゃ面白かったけど、これほどゲームをクリアする前に読まないで欲しい本もない。っていうかこれのコミック連載がはじまるらしいんですが、こんな全開でストーリーの核心に触れるものを雑誌で連載って大丈夫なんでしょうか……ネタバレテロにもほどがある。

記事への反応
なにかあれば
  • わかる(0)
  • 面白かった(0)
  • 興味が湧いた(0)
  • 持ってる(0)
  • 買いました!(0)
  • ぱちぱちー(0)